〔特集〕 |
平成28年度運営方針 研究所 |
研究所長 小野 栄一 |
(1) | 新しいリハビリテーション技術の開発 |
① | 中枢神経疾患の運動器リハビリテーションに関する研究 解剖学的な再建を目指し分子生物学的アプローチ、繰り返しの神経入力による機能回復を目指し行動科学・神経生理学的アプローチを進めます。 |
② | メカニカルストレスと運動器機能維持に関する研究 マウスを用いて運動器の組織の恒常性や機能に対するメカニカルストレスの影響を解析します。糖代謝や脳機能など運動器以外の組織・臓器機能との連関も解析します。 |
③ | 吃音の評価法・支援法に関する研究 ビデオセルフモデリングの臨床研究を継続します。地域の保育園等の調査にて吃音幼児の基礎データを得るとともに地域連携を進めます。 |
④ | 新しい義肢装具・リハビリテーション手法の開発と応用 ニーズ発掘や問題点の把握を行い、義肢装具の開発や製作技術向上へ繋げる。利用者へ客観的データをフィードバックしリハビリテーションの質の向上へ繋げます。 |
⑤ | 重度・重複障害者を対象とした福祉機器適合サービス体制の提供 シーティング・クリニックをします。 |
(2) | 新しい診断・治療技術の開発 |
① | 発達障害の認知特性の解明と支援法開発に向けた研究 発達障害者と定型発達者を対象に、認知行動特性を調べ、動物モデルとの比較を行い、個人差の背景にある神経基盤を明らかにし、障害を補う訓練方法の開発に向け研究します。 |
② | 脳内ネットワークの評価と再構成に関する研究 課題遂行中の脳活動を計測・解析する技術の開発、デコーディッドニューロフィードバックを使った脳内ネットワーク再構成誘導手法を開発します。 |
③ | 失語症の病態解明とリハビリテーションに関する研究 認知神経科学的研究により、文理解の脳メカニズムの解明と構音のリハビリテーションにおける口形提示の有用さに対するエビデンスを得ます。 |
④ | 障害者の二次障害予防に関する研究 難易度の高い褥瘡の対処法の継続開発、遠隔地での褥瘡再発予防シーティング・クリニックへのe-learning手法の導入可否を検討します。 |
⑤ | 視覚障害の遺伝子診断技術とその臨床応用に関する研究 体細胞を網膜細胞に変換する新技術の開発、網膜色素変性症患者由来の皮膚線維芽細胞を変性網膜細胞に変換して遺伝子・蛋白レベルでの解析を行います。 |
⑥ | 聴覚障害の病態解明と聴覚補償に関する研究 神経生理学的な手法による病態解明と新方式の人工内耳・補聴器に関する研究を行います。 |
(3) | 部門横断的研究プロジェクトの推進 |
部門間連携の現状把握と課題の抽出を行います。 |
(1) | 先端技術を導入した支援機器の開発 |
① | ブレイン・マシン・インターフェイス(BMI)技術の実用化研究 実証評価を中心とした研究、上肢アシストスーツ等のBMI被制御機器の改良を進めます。 |
② | 盲ろう者の生活支援に関する研究 触指文字表示ロボットの開発を進めます。 |
③ | 利用者の特性に適合する超ユニバーサル化福祉機器の開発 重度肢体不自由者の運動計測、超多品種極少量生産機器の設計手法の検討を行います。 |
④ | 支援機器の効果的な臨床評価手法に関する研究 文献調査で情報収集した結果をデータベース化し、臨床評価の手法を整理します。 |
⑤ | 支援機器用要素技術の開発 BMI用脳波測定用電極の特殊環境下での実用化に向けた改良を行います。せん断力センサは、応用研究に必要な開発を行います。 |
(2) | 当事者参加型研究の推進 |
① | 当事者参加型の情報創発基盤の構築 支援機器に関し、インターネット上のコミュニティーを構築します。 |
② | 精神障害者の意向・実践知に即した機器による支援モデルの構築 精神障害者と協働で、機器のニーズ掘り起こしを行います。 |
(3) | 支援技術・支援機器の普及に関する研究 |
① | 軽度認知症者を支援する福祉機器の利活用モデルの構築 情報支援機器の導入モデルを、地域に実装し、課題を抽出します。 |
② | 高次脳機能障害者の生活・移動を支援する機器の実用化と普及 試作支援アプリの改良、交通機関利用困難さ調査結果の解析、それらの情報発信を行います。 |
③ | プリントディスアビリティを支援する機器の普及 災害対策教材を用いた教育プログラムを介し、支援機器の普及効果を明らかにします。 |
④ | 福祉機器の標準化の推進 車載用座位保持装置の規格化を目指します。 |
⑤ | 障害者のスポーツ・運動用装具等の開発と普及 運動用装具等の試作、競技用バケットシートの適合に関する定量的評価手法の提案、機器供給を円滑に進めるための製作技術の検討を行います。 |
(1) | 行政データの解析 |
① | 障害関係データの利活用に関する研究等 「生活のしづらさなどに関する調査」結果の詳細統計作成等を継続します。 |
② | 障害福祉サービスの整備状況と利便性向上に関する研究 事業所の地理的配置状況の分析を進めるとともに自治体の協力を得て検討を行います。 |
(2) | 施策立案への提言 |
① | 障害認定の在り方に関する研究等 身体障害認定に関する調査を行い指定医の質の確保方法を明らかにします。 |
② | 福祉機器等の価格制度の整備・改良に関する研究 補装具に関して行います。 |
③ | 完成用部品指定申請/事前審査システムの開発 システムを整備します。 |
④ | 災害における障害者支援のあり方に関する研究 災害対策に関する教材を実習するプログラムを開発し効果を評価します。 |
(1) | 研究員、研究生及び実習生等の受け入れ |
(2) | 職員の資質向上のための組織的な人材育成 |
研究倫理に関する意識向上のための研修を実施し、組織的な人材育成を推進します。 |
(1) | 利用者のニーズに応じた情報の発信 |
開発事例データベース(DB)、開発相談DB、臨床評価DBを構築し情報発信します。 | |
(2) | 近県のリハビリテーションセンターとのネットワークの構築 |
補装具支援状況および義肢装具の選択・選定情報を共有します。 |
(1) | 福祉機器の国際標準化への協力 |
昨年同様にISO/TC173/SC2、ISO/TC173/WG10に関わる。WHOの福祉機器関連シンポジウムに参加し、福祉機器の優先順位策定について議論します。 |
(1) | 業務品質の向上推進 |
研究費の適正な執行にむけた環境整備等を行います。 |
(1) | 外部資金の積極的活用を推進 |
外部資金の積極的活用を推進します。 |