〔トピックス〕
障害者ライフモデルルーム
〜学びと体験、交流の場として〜
研究所長 小野 栄一

 障害者ライフモデルルーム(以下、「当施設」と記す)の建築は、一般の方々も含め、障害のある方々や様々な関係者が、交流できる機会を提供することを目的として、福祉用具や共用品などの体験ができる場を作ろうと始まりました。
当初、国立障害者リハビリテーションセンター(以下、「国リハ」と記す)の部屋に擬似的な家庭環境を作り、アイデア段階の試作品も含む多数の福祉用具を備える予定でした(そのときの名称が建物名に残った)が、諸処の経緯があり建物を新築することとなりました。そこで、体験できるトイレ・風呂・洗面所は経験豊富な若い作業療法士らが中心となり、電動車いすも走れる展示・体験会場設備は、若い研究員らが工夫を凝らし設計を進めました。
 当施設は、公園通りに面する歩道に通じる西通用門(2015年4月オープン)のそばで、門から本館や病院に向かう黄色の視覚障害者用点字ブロックの直線の右手にあります(写真1参照)。
現在、見学、体験会、ワークショップ・交流会、研究所一般公開などの会場として活用しており、2012年7月に当施設のお披露目会と支援機器の展示・デモ、11月に「介護・リハビリのための装着型ロボットの展示・デモ・体験会」、2013年3月に「わくわく!楽しく元気になるための取組み デモ・体験会」を開催し、現在に至っています。
 それらのご紹介は、国リハのホームページで「障害者ライフモデルルーム」と検索するとご覧になれます※1。
 当施設の模擬体験できる部屋は多数のエアコンを装備し、宿泊体験なども想定し、様々な活用ができるように配慮されています。リフォームの参考に、トイレ、お風呂のフィッティングルームがあります。トイレフィッティングルーム以外で、給排水管工事をしている、トイレ(扉が便座の前、横にあり2タイプを試せる)やお風呂(フィッティングルームとユニットバス)、洗面所(異なる2タイプ)は、実際に排泄、入浴、洗面も可能な設備となっています。写真2は、見学者対応で通常展示している部分です。
写真3は、オストメイトの方が座ってパウチ処理でき、ご家族も共用できる「前広便座」を取り付けたトイレフィッティングルーム(給排水管がないため温水洗浄は体験不可)です。
 多くの方々が、本施設にて見学・体験などされ、様々なことを学び、交流が促進されることを期待します。
※1  http://www.rehab.go.jp/ri/event/2012lifemodelroom.html 、他
写真1:西通用門から覗いた外観、右に障害者ライフモデルルーム
写真1  西通用門から覗いた外観、
右に障害者ライフモデルルーム
写真2:見学者対応で通常展示している部分
写真2  見学者対応で通常展示して
いる部分
写真3:トイレフィッティングルーム:見学・体験できる設備の1つ
写真3  トイレフィッティングルーム:
見学・体験できる設備の1つ