学院交流会開催される
 
学院交流会は、学生相互の理解を深めるために毎年春と秋に行われている行事です。春はスポーツ大会、秋は学科紹介を行います。学科紹介は、学生が2つの班に分かれてすべての学科を順番にまわり、自分の在籍する学科以外の学科について授業内容などを見学し、学生間で理解を深めあうものです。各学科の説明は学生が行います。今回は、既存の5学科に加え、10月に開講した脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程も加わり、11月4日に開催しました。
各学科の見学は15時頃から始まりました。ひとつの学科で15分ほど説明を受け、次の学科へと移動します。学生達は日頃知ることができない他の学科の授業内容の説明に真剣に聞き入っていました。説明を行う側は、寸劇形式を取り入れたり、さまざまな体験をしてもらったりと、工夫を凝らしていました。準備の段階では苦労もあったようですが、たいへん貴重な体験をしたようです。
学科の見学を終えたあと教職員を交えてリクリエーション大会が行われました。ここで行うゲームの内容も、それぞれの学科の特徴がでるように学生達が考えたものです。以下、学生からの声を報告いたします。

言語聴覚学科(ST)
1年 中園 蘭
「○○学科ってどんな勉強してるのかしら。話を聞いてみたいけど、きっかけがないのよね。」
6月のスポーツ交流会以来交流の機会があまりなく、他学科をよく知らないまま過ごしている私たち。同じ国リハの仲間同士なのに、それはもったいないですよね。
交流会は各学科での紹介とリクリエーション大会の2部構成。今回の交流会は、自分の学科と他の学科が扱う領域が関連し合っていることを知り、他学科への関心が高まりました。例えば、義肢装具学科では片麻痺の補装具製作のデモンストレーション、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程では片麻痺の体験がありましたが、私の学科でも片麻痺の患者さんに出会うことは少なくありません。
写真 透明文字盤を使ったコミュニケーションの体験
他の学科と知識の交換などできたらいいな、と感じました。リクリエーション大会では料理をつまみながらテーブルを囲んで歓談やレク。新たに他学科に知り合いもでき、楽しいひと時でした。
今回の交流会を通して、学院歌にもあるように、リハビリテーションスタッフとして皆が「互いの技を分かち合い心をひとつに」するということの意味を感じることができたように思います。今回できた接点を深めていきたいです。とてもためになる会でした。
(写真は「透明文字盤を使ったコミュニケーションの体験」)



義肢装具学科(PO)
2年  佐藤 諒
義肢装具学科では装具の製作実演と共に、どのように装具が患者さんの手元に届くのか、その流れを簡単に3年生が劇形式で実演しました。装具について詳しく知らない他学科の学生にもわかりやすい内容だったと思います。
また今回からは脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程の方々も参加され、実際に使用される介護機器や練習用の人形、脳卒中片麻痺を体験できるキットなど興味深いものをたくさん見ることができました。
他学科の紹介でも、それぞれ日々学んでいることや使っている器具、設備などを知ることができ、よりお互いの学科に対する理解が深まりました。特に手話通訳学科の説明では、手話は単に言語の代わりではなく、コミュニケーションの手段としてとても機能的で洗練されたものだということが分かりました。

写真 装具作成のデモンストレーション

装具作成のデモンストレーション

普段、他学科の学生がどんな授業を受けているのか知る機会はそれほどありません。私たち学院生は医療福祉に興味を持って現在の学科で学んでいますが、自分の専門分野だけではなく、将来仕事で関わるであろう各学科の学生と積極的に交流し、その専門分野を詳しく知ることは重要だと思います。今回の交流会はそのきっかけとなり、とても貴重な時間になりました。


視覚障害学科(RB)
1年 青木たつえ
入学して半年以上たちましたが、他学科と交流する機会はほとんどなく、どういうことを勉強しているかは良く分かっていませんでした。そのため交流会で各学科を見て回ることをとても楽しみにしていました。
 POでは装具作成の実演、STでは様々な分野についての説明、SIは手話について、RSは機器等の見学や体験、CNは道具や麻痺の体験をさせてもらいました。どれも初めて見るものばかりで、それぞれが専門性の高いことを勉強していることに驚かされました。
 また、私たちRBは2年生が歩行、日常生活訓練、パソコン操作について動画で説明しました。特に視覚障害者も音声読み上げを使ってパソコンを利用しているということに関してのリアクションが大きかったので、知ってもらえてよかったなと思いました。少しでも知ってもらえてよかったし、もっともっと知ってもらいたいという気持ちにもなりました。

写真 視覚に障害のある方に便利なまな板の紹介

視覚に障害のある方に便利なまな板の紹介

またリクリエーション大会では、お話したり、各学科の特徴あるレクをする中で、色々な方との交流を深めることができました。
短時間でしたが、各学科の理解や交流ができる機会があってよかったです。今後とも、このきっかけを大切にし、お互いにがんばっていきたいと思います。


手話通訳学科(SI)
1年 高橋由紀代
手話通訳学科では、手話通訳士を目指して、ろう者の言語である「日本手話」を学んでいます。「手話」というと身振りやジェスチャーの延長上にあるものと、捉えられることがあるかもしれません。しかし「日本手話」は英語や日本語などと同じように、独自の文法を持つ言語です。学科紹介では以上のような内容を中心に「日本手話」がどのようなものかを1年生が実演しました。
他学科の見学ではそれぞれに工夫をこらした説明を聞くことができました。なかでも義肢装具学科には、場所が東端と西端で離れていることもあり、今回の学院交流会で初めて足を踏み入れました。体の一部を作るという希少な技術の一端を見ることができました。また石膏の人体モデルなどのかなり重いものを扱う作業もあると知りました。

写真 「椅子」を表す手話を説明している場面

「椅子」を表す手話を説明している場面

今回の学院交流会を通して気づいたことは、学科により学ぶ内容や身に付ける技術は違っていても、基本的な共通点があるということです。それぞれの学科における独自の技術とともに広い知識と社会性が必要とされ、人間性の高さが求められているということです。この交流会をきっかけに今後も交流を深め、お互いに学び合っていきたいと思います。


リハビリテーション体育学科(RS)          
1年 一箭良枝、横山知里
RS学科では、運動負荷テストを紹介しながら、障害のある方の健康づくりに必要な体力評価の概要や様々な測定機器について解説しました。その他、車いす操作の基本である段差越えやキャスター上げの実演、障害者スポーツ体験として、視覚に障害があってもプレーしやすいように工夫された「サウンドテーブルテニス」を実際に体験してもらいました。
学院交流会は各学科を見学しながら実演等を交えて体験出来た事により、その専門性についていっそう理解を深める機会となりました。どのようなことを学んでいるのか、将来

写真 サウンドテーブルテニスの体験

サウンドテーブルテニスの体験

どのような仕事をするのかなど、今まで知っているようで知らなかった内容についても詳しく学ぶことができました。
また交流会を通して、リハビリテーション関連の専門職を目指すには、他部門との連携・理解の重要性を改めて感じました。これから自分たちの技術を高めるだけでなく、他部門との定期的な情報交換も大切にしたいと思います。


脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程(CN)
篠崎菜穂子、大野禄女
2011年10月、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程に入学しました。
認定看護師とは、日本看護協会が、特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有することを認定した看護師のことです。写真 片麻痺体験スーツを着用している様子1995年に救急看護の認定看護師が最初に分野特定され、脳卒中リハビリテーション看護は、2008年に18番目の認定分野として、特定されました。現在、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師教育課程は、全国で当センターを含め6施設指定されていますが、関東での設置は初めてとなります。
 今回、入学して1ヶ月経ち、学生交流会へ参加しました。毎日、学院と家との往復で、他学科のことは全く知りませんでした。そのため、学科紹介の見学は、その分野の専門性を知る良い機会となりました。
リクリエーション大会で、私たちは「非利き手で絵を伝達するゲーム」を行いました。脳卒中を発症すると、片麻痺を呈することがしばしばあり、利き手交換を余儀なくされることもあります。利き手が使えない、という不便さを体験してもらうことで、脳卒中患者の気持ちを少しでも理解していただけたのではないかと思います。
受講期間は、来年3月までとなりますが、リハビリテーションに関連する専門職を目指す仲間として、これからも交流を持ち、共に頑張っていこうと思います。
写真は「片麻痺体験スーツを着用している様子」

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