健診結果の見方
〜メタボリックシンドロームをチェックしよう〜
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪型肥満(肝臓や腸などの内臓のまわりに脂肪がたまった状態)に加え、高血糖、高血圧、脂質異常のうち2つ以上を合わせもつことです。
放っておくと動脈硬化が進行して、からだに悪い影響を及ぼします。
健康診断では腹囲測定をおこない、メタボリックシンドロームの早期発見を行っています。
【メタボリックシンドロームの判定基準】
内臓脂肪がたまっていると、生活習慣病を併発しやすくなってしまいます。
「血糖値がちょっと高め」「血圧がちょっと高め」といった、まだ病気とは診断されない予備群でも、併発することで、動脈硬化が急速に進行します。
内臓脂肪型肥満を指摘された段階で生活習慣を見直し、改善していくことで生活習慣病の予防につながります。
【血圧について】
高血圧と診断されるのは、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上とされていますが、メタボ基準は低めの数値となっています。血圧は心臓から出た血液が流れる時に血管の壁に与える圧力です。血圧が高い状態が続くと血管に圧力がかかり、動脈硬化を招き、脳卒中や心臓病、腎臓病を招くことになります。
【血糖値について】
食事により体に取り込まれた栄養素のうち、ブドウ糖はインシュリンによって細胞に取り込まれ、脳や運動時の活動エネルギーになります。ところがインシュリンの働きが悪くなると、ブドウ糖が血液中にあふれてしまい、血管を痛め動脈硬化を引き起こします。いわゆる糖尿病です。糖尿病の3大合併症は、神経障害・網膜症・腎臓障害ですが、それ以外にも脳や皮膚、心臓などに悪い影響を及ぼします。
【脂質について】
コレステロールは細胞膜やホルモンなどの重要な成分であり、中性脂肪は寒さや熱、振動や衝撃などから身を守るクッションですので、身体にないと困るものです。しかし中性脂肪が増えすぎると、動脈硬化や内臓肥満につながります。HDLコレステロールは、血管壁に付着したコレステロールを運び去るはたらきがありますが、反対にLDLコレステロールは血管壁にたまり、動脈硬化を進行させます。
【生活習慣病の予防と改善策】
1. 肥満にならない体重を維持しましょう
定期的に体重測定し、記録に残しましょう
※身長と体重のバランスをはかる指標としてBMIがあります。
BMIの計算式:体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
BMI25以上が肥満です。腹囲だけでなくBMI25以上の人も高血圧、高血糖、脂質異常に気をつけましょう
2. 食生活を見直しましょう
規則正しいバランスのとれた食事を心がけましょう
食べ過ぎ・飲み過ぎに注意しましょう
食事は薄味に慣れ、よくかんでゆっくり食べましょう
3. 毎日適度な運動を継続しましょう
運動不足の人は、今より一日1,000歩多く歩きましょう
4. ストレスをためないようにしましょう
リフレッシュできる時間を持ちましょう
毎日規則的な生活リズムで過ごしましょう
5. 禁煙または節煙の努力をしましょう
6. 健康診断を受けましょう
体重、血圧、血糖値や脂質(中性脂肪やHDL等)など、自分の数値を知っておきましょう
また、高い数値は放置せずに、まずは医師に相談し、必要な検査や治療を受けましょう