第11回埼玉県障害者スポーツ大会に参加して

病院・自立支援局
運動療法士 岩渕典仁

 平成24年5月20日(日)、上尾運動公園陸上競技場で開催された第11回埼玉県障害者スポーツ大会陸上競技(以下県スポ)に、当センターから12名の利用者(自立4名、就労3名、理教4名、施設入所1名)が参加してきました。この大会は、全国障害者スポーツ大会の選考大会でもあり、当センター以外にも500名以上の選手が参加するなど、大規模な大会でした。
 県スポの参加目的は、@日頃の訓練成果を発揮することA競技スポーツを体験することBスポーツへの動機付けです。参加種目は、トラック種目では、100m、200m、1500m、スラローム、フィールド種目では、ソフトボール投げ、ジャベリックスローと障害の分類と区分から1人2種目に参加しました。障害者スポーツ特有の種目であるスラロームは、30mの距離の間に、前進、行進、回転しながらタイムを競う種目です。参加者の中には自己記録を大幅に更新するなど、とても良い結果を残すことができました。
 参加した利用者の感想には、大勢の観客、待たされるプログラム、風をまともに受け、摩擦抵抗の強いトラックなどセンター生活とは異なる環境下での参加となるため、「緊張した」「いつも通りの動きができなかった」「集中できなかった」という反省点がありました。しかし、その後には、「楽しかった」「また参加してみたい」「自信がついた」という希望の声が続きます。これは参加した選手にしかわからない新しい発見がそこにあったからだと推測します。そして、最後には「○○さん、来年は参加しなよ」と他の利用者へのアドバイスへとつながります。
 県スポ大会に参加までの過程の中には、利用者自身の中で、または周りの環境にいたっても、自分の思い通りにいかないことがたくさんありました。その一つ一つの事柄に対して、指導者と利用者が原因を追求し、対策を立て、目標を設定し、大会に挑みました。大会での記録も大切ですが、それ以上に、今後、困難なことに直面した時に、これらの過程を思い出して、自ら克服していくきっかけ、自信になってもらいたいです。
 
(写真1)参加した利用者と職員の集合写真
参加した利用者と職員の集合写真
 
(写真2)スラローム競技で一騎打ちする長谷川さん(手前:自立)と川崎さん(奥:自立)
スラローム競技で一騎打ちする長谷川さん(手前:自立)と川崎さん(奥:自立)
 
(写真3)
100m競技で独走する三國さん(正面:理教)
100m競技で独走する三國さん(正面:理教)
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