アウトリーチコンサート開催報告

管理部企画課

 平成24年6月5日(火)国立障害者リハビリテーションセンター講堂において、日本を代表するトップギタリストの村治奏一さんを迎え、アウトリーチ(出張)コンサートが開催されました。
 このコンサートは、ピアニストやバイオリニスト等のすばらしい演奏家が所沢市民文化センター(ミューズ)に出演しており、地域の皆様にもその演奏を届けることを目的として、ミューズよりご提案されたもので今回が4回目となります。第2回目のコンサートには村治奏一さんのお姉様である村治佳織さんも演奏され、姉弟での訪問となりました。
 村治さんは、市内の福祉施設にて演奏されたあと、当センターにお越しになられ、演奏会場となったセンター講堂には、センターの利用者、入院患者や職員のほか、中国帰国者定着促進センターの入所者の方々など約150人が詰めかけました。
 
 コンサートでの演奏曲目は、
愛のロマンス:スペインの古い民謡をギター用に編曲した作品であり、1952年のフランス映画「禁じられた遊び」のテーマ曲として一躍有名になりました。クラシックギターの代表曲として世界中で親しまれています。
アルハンブラの思い出:スペイン人作曲家のフランシスコ・タレガによる作品であり、世界遺産アルハンブラ宮殿にある噴水の印象を波紋のような奏法(トレモロ)で表現しています。一見ゆったりしていながら、高い技術をようする名曲です。
A列車でいこう:ビリー・ストレイホーン作曲。D.エリントン楽団の演奏で有名になったジャズの定番曲であり、題名には「ジャズを聴きに(NYジャズの中心地ハーレムへ)行くならニューヨーク市地下鉄特急A列車に乗るといいよ」という意味が含まれ、軽快で楽しい作品です。
さくらの主題と変奏曲:作曲家・横尾幸弘が、世界的ギタリストのジョン・ウィリアムスのために作曲した作品。日本古謡「さくらさくら」のメロディが様々な形で登場します。今年は、日本からアメリカに苗木が送られて100周年の年であり、村治さん自身も2ヵ月前に米国で色鮮やかな八重桜を堪能されたそうです。
フォーコ「炎」:フランスの作編曲家・ギタリストとして活躍する鬼才ローラン・ディアンスが重い心臓病から立ち直ったときの生きる喜び、希望を書いた曲であり、最後にギターをパーカッションのように叩く演奏が特徴です。
以上の5曲で観客は曲が終わるたびに、感動を盛大な拍手に変えて村治さんに送っていました。
 
 交流コーナーでは、物心ついたときからギターを弾いており、一生演奏していくと思っていた。お姉様の佳織さんとは昔ケンカしてもかなわなかった等のプライベートな話から、ギターは作成されてから3〜4年はねかさないと音が割れてしまい、今回使用のギターも15年近く経ってようやくコンサートで使えるようになった等の専門的なお話しを聞かせていただきました。また、質問コーナーでは、「ソロとアンサンブルでのリズムに対する意識の持ち方はどうされてますか。」、「胎教によい曲があったら紹介して下さい。」等の質問にも、気さくにお応えいただきました。
 アンコールでは映画ディアハンターで使用された、スタンリー・マイヤーズ作曲のカヴァティーナを演奏され、村治さんが奏でるギターの音色で観客を魅了したコンサートは終了しました。4月からの活動拠点を国内に移した村治さんは、今後、10月のミューズでのコンサートだけでなく、テレビやラジオでの出演が多くなることと思われます。その度に私達は、村治さんによる今日の演奏を思い出し、村治さんの活躍を応援することでしょう。村治さん本当にありがとうございました。
 
アウトリーチコンサート終了後、センター講堂の前で利用者と握手を交わす村治さん。
アウトリーチコンサート終了後、センター講堂の前で利用者と握手を交わす村治さん。
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