「頸髄損傷者に対するリハビリテーション研修会」の開催について

自立支援局自立訓練部
 平成24年11年17日(土)に国立障害者リハビリテーションセンター講堂で「頸髄損傷者に対するリハビリテーション研修会」(以下、頸損リハ研修会)が開催されました。
 今回の研修会では、近年、増加傾向にある中高年頸髄不全損傷者に着目し、「中高年頸髄不全損傷者の地域生活の現状と課題」を総合テーマに、中高年頸髄不全損傷者に対するリハビリテーションの理解を深めることを目的としました。
 頸損リハ研修会の第一部では、当センター病院健康増進センター長飛松好子氏に「中心性頸髄損傷のリハビリテーション」を演題に、脊髄損傷の疫学、日本の超高齢社会に置ける位置、頸髄損傷の基本的知識及び中心性頸髄損傷のリハビリテーションに関して講演を行っていただきました。
 第二部では、「中高年頸髄不全損傷者のリハビリテーションの実践事例」とし、当センター自立支援局自立訓練部、別府重度障害者センター、伊東重度障害者センターがそれぞれ、具体的事例を発表し、中高年頸髄不全損傷者のリハビリテーションに関する実践の報告を行いました。
 第三部は、パネルディスカッションとし、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部から障害福祉専門官高木憲司氏を座長にお招きしました。最初に各パネリストの皆様から、下記の題で発表を行っていただき、その後には、高木座長のもと、中高年頸髄損傷者のリハビリテーションに関して、それぞれのお立場から、ディスカッションを行っていただきました。

【パネリストと発表題】
①別府重度障害者センター 理学療法士 時枝 陽子
  「理学療法から見た中高年不全損傷者に対する支援の実際」
②伊東重度障害者センター 作業療法士 勝島 とよ江
  「作業療法的視点からの中高年不全損傷者に対する支援の実際」
③国立病院機構 村山医療センター ソーシャルワーカー 伊藤 真由美
  「病院リハから地域生活への状況とソーシャルワーカーの役割」
④東京頸髄損傷者連絡会副会長 石毛 正幸
  「受傷して約20年経ち在宅生活において感じること」
⑤医療法人若水会 関谷クリニック 理学療法士 肥塚 二美子
  「頸髄不全損傷者の地域支援の現状と課題−リハビリを中心に−」
⑥国立障害者リハビリテーションセンター 研究員 硯川 潤
  「支援機器へのニーズ抽出のための社会技術的アプローチ」

 第一部から第三部までを通して、フロアからの質問やディスカッションも大変活況を呈し予定時間を30分間もオーバーするほどでした。
 頸損リハ研修会には、北海道から九州まで全国から医師、理学療法士、作業療法士、ソーシャルワーカー、看護師、介護員、当事者の方々等約300名近くの受講者をお迎えすることができ、講堂の座席はほぼ満席状態となりました。今回の受講者の多さからみても頸髄損傷者に対するリハビリテーションへの関心の高さが伺える結果となりました。
 また、頸損リハ研修会では、今後の開催の参考とさせていただくため、受講者の皆様方にアンケート調査を行わせていただきましたが、アンケート調査結果も好評で、受講されたほとんどの方から研修会は役に立ちましたとのご回答をいただくとともに、熱心なご意見をいただきました。改めてこの場をお借りして、受講者の皆様、講師の皆様方に御礼を申し上げたいと思います。そして、頸損リハ研修会に当たって、全面的にご協力をいただいた共催の伊東重度障害者センター、別府重度障害者センターの皆様に感謝を申し上げますと共に、自立支援局や他部署の職員の皆様方にも御礼を述べさせていただきたいと思います。
 
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