平成24年度第34回理療教育卒業式

自立支援局 理療教育・就労支援部
理療教育課 高橋 忠庸

 平成25年3月1日、例年に比べ、寒く長かった冬に終わりを告げるような春一番が吹く中、昨年7月に完成した新講堂において、国立障害者リハビリテーションセンター第34回理療教育卒業式が執り行われました。
 今年度の卒業生は、専門課程28名、高等課程2名の30名でした。皆さん、先月のあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験を終え、張りつめていた緊張感が解けて、柔らかな表情で卒業式に臨んでいました。
 小室理療教育・就労支援部長の開式の言葉、そして卒業学年担当主任による心のこもった氏名点呼とともに、江藤総長から一人ひとりに卒業証書が手渡されました。
 江藤総長の式辞では、これから自立していくうえで、セルフヘルプ(自助)が大切であると述べられました。厳しい社会情勢の中で理療師として生きていく卒業生にとって、正に生きる力の湧く励ましとなったことでしょう。
 厚生労働大臣、埼玉県知事からの祝辞に引き続き、当センター同窓会である東光会の山田会長から、先輩としての気持ちのこもったはなむけの言葉が述べられました。
 来賓のご紹介、祝電のご披露の後は在所生代表の送る言葉です。高等課程2年松井康男さんが、思い出を共有したことを懐かしみ、共に人生半ばにしてハンディキャップを負い、国立リハビリの門を叩いた先輩にエールを送りました。
 高等課程5年澤本功さんの卒業生代表のお別れの言葉は、東日本大震災の被災者として真に迫る内容でした。4年に進級する直前にご家族が犠牲になられ、絶望感や不安感で先の見えない状態であったと語りかけられました。そして、職員の言葉によって支えられたこと、これからも前を向いて歩んでいきたいと願う言葉に、会場全体が静かな感動に包まれました。
 施術者として巣立つ卒業生に温かい眼差しが向けられる中、蛍の光が斉唱され、名残を惜しむかのように場内が拍手で満たされました。卒業生の皆さんは、それぞれの思いを胸に会場を後にしました。
 これからが、新たな生活の本番です。皆さんの活躍と健康をお祈りし、良き人生を歩まれることを願う次第です。
 
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