国民の保健医療に貢献する志を
―第34回理療教育入所式―

自立支援局 理療教育・就労支援部 理療教育課

新入生を迎えて 飯島局長の式辞
新入生を迎えて 飯島局長の式辞

 平成25年4月17日、ハナミズキ、藤、つつじが開花し始め、かるがもが水面を揺らす穏やかな陽気の中、新たに鍼灸マッサージ師への道を歩む24名の皆さんが、大会議室での入所式に臨みました。
 式典では、新年度に伴って中村前局長(現総長)から後を託された飯島節自立支援局長が演壇に立ち、名前を呼ばれた専門課程18名、高等課程6名おひとりおひとりと挨拶を交わしました。
 引き続き、飯島局長の式辞です。
 冒頭、人生の途半ばで目が不自由となられた新一年生の不安と葛藤に思いを寄せ、当センターで学ぶ道を選択された決意を称賛する言葉がありました。毎年、入所が決まった後に諸事情で断念を余儀なくされる方もおいでです。新一年生の表情には、これまでの日々と、これからの3年、5年という月日に臨む緊張感と高揚感がうかがわれました。
 続いて、理療は古代中国にその発祥があり、我が国においては8世紀の「大宝律令」の医事制度「医疾令」に、「針師、針生、針博士」が官職として位置づけられていたという歴史、現代においては日本の伝統医療として、又統合医学、統合医療の概念の中で、世界的にその価値が見直されている現状が紹介されました。そして、社会から求められる知識と技術の水準が以前にも増して高度になっており、国家試験に反映されていることが説かれました。
 式辞の最後は、新一年生の皆さんが、国民の保健医療に貢献するという高い志の下で学業を修められるようにという励ましと、自らの健康を保って毎日を過ごしていただきたいという願いで結ばれました。
 その後、幹部職員各人から歓迎の挨拶がなされ、滞りなく入所式は幕を閉じました。
式典後、専門課程3クラス、高等課程1クラスの各学級担任、担当ケースワーカーとの顔合せが行われ、入所オリエンテーションへと移りました。

さて、理療教育は3つの分野からカリキュラムが組まれています。基礎分野(人文科学概論、自然科学概論など)、専門基礎分野(解剖学、生理学など)、専門分野(経絡経穴概論、東洋医学臨床論、実技、臨床実習など)です。各課程とも所定の単位を取得して国家試験受験資格を得ることとなります。
昨年度実施された「第21回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師試験」において、当理療教育の現役受験生の合格者数は、あマ指師が29名中25名、はり師が30名中15名、きゅう師が30名中17名でした。この後、卒業生の進路は、就職、再受験、家庭生活へと分かれていきます。
当課では、このように、理療教育をとおして中途視覚障害の方々の支援を行っております。今年度も、日々の授業の充実はもとより、臨床をコアに据えた教育の推進、重複障害を有する在籍者の学習方略の検討など、新しいリハ・サービスを創造する課題を設定し、取り組んでおります。いずれも、質の高い施術を提供できる臨床家を社会に送り出す使命を実現する目標に基づいております。視覚障害リハビリテーションに、国家資格取得プログラムを提供し続けている自信と誇りを持って、新入生の皆さんと共に歩む所存です。御一緒に道を拓きましょう。




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