平成26年度 障害者週間記念式典の開催について

企画・情報部企画課

 去る、12月5日(金)当センター講堂において、利用者・職員出席のもと、利用者へのボランティアでご支援いただいている方々並びに就労・実習でご支援いただいている事業所への表彰等を含んだ障害者週間記念式典を開催しました。
 式典では、国立障害者リハビリテーションセンター中村総長より、12月3日の国際障害者デーから12月9日までの障害者週間について、この障害者週間の日程が定められました背景には、昭和56年、今から33年前に、国際障害者年推進本部が、12月9日に「障害者の権利宣言」が国連総会で採択されたことから12月9日を「障害者の日」としてきたこと、そして、平成4年12月3日が国連総会において「障害者に関する世界行動計画」を採択した日であることから、12月3日を「国際障害者デー」とすることが国連で決まったという背景があり、このように二つの類似の記念日が、かなり近い日程で行われることになったことから、政府は12月3日から9日までの一週間を障害者週間と定めました。
 また、この障害者週間は、国民が広く障害のある人の福祉について、関心と理解を深めること、また障害のある人が社会、経済、文化など、あらゆる分野の活動に積極的に参加していこうという意欲を高めることを目的としています。
 社会参加にはいろいろの様式、形があり、それは仕事だけではなく、芸術やスポーツもあります。との説明がありました。
 最後に「我が国は今、障害のない人もある人も、誰もが住みやすい共生社会の実現を目指しています。多くの課題がありますが、その実現にむけて、一歩一歩、歩んでいくため、心を新たにする日として、皆様とともに本日の記念式典をお祝いしたいと思います。」と挨拶がありました。
 また、国立職業リハビリテーションセンター上市所長からは、平成26年度の障害者雇用状況によると民間企業の障害者の雇用者数は43万1千人余りで、前年より2万2千人余り、率にして5.4%増加し、障害者の実雇用率は1.82%となり、前年より0.06ポイント上昇したこと、また、一方で法定雇用率を達成している企業の割合で見ますと、44.7%にとどまっており、昨年より上昇しているとは言え、まだ半分以上の企業が法定雇用率(現行2.0%)を達成していないという状況であることの説明がありました。
 また、会話ができない重度の自閉症の作家東田直樹(ひがしだなおき)さんの著書について触れ、「東田さんは、会話はできないですが、誰かの会話を耳にするたび、いつも自分なりの意見を、ひとりごとみたいに心の中でつぶやき続けているそうです。そして一たび質問があれば、どう答えれば、質問者に満足してもらえるかということを意識しているそうです。そして、自分の気持ちをきちんと伝えられないからといっても、話せない障害者が、心の中に言葉を持っていないと、簡単に考えてはいけないとも言われています。
 私たちは、障害のある方を一括りにしたり、外に現れた行動だけで判断したりしてしまいがちですが、その一人ひとりの心の中の言葉に耳を傾けることの大切さを教えていただきました。」
 最後に、「この機会に『私たちが目指す社会は、障害のある人もない人も、国民の誰もが分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し支え合う共生社会である』という理念に思いを馳せ、その実現に向けて気持ちを新たにしていただければ幸いです。」との挨拶がありました。
 続いて、デイジー編集・自主活動支援で、15年・10年・5年以上ボランティア活動された方々への表彰と職場体験実習及び就労支援利用者の雇用にご支援いただいた企業への表彰が行われました。
 最後に、利用者の代表者から、「日頃よりいろいろな障害をもった私たちに理解を示してくださり、サポートしていただいていることに大変感謝しております。ボランティアの皆様の支援活動により、私たちはより良い環境で訓練に励むことができています。私自身理療教育を学ぶ上で、デイジー図書は欠かせません。教材などを音声にしていただけることを大変感謝しています。また、スポーツも障害者にとって貴重な社会参加の一つです。このセンターで障害者スポーツと出会い、それが生きがいとなり、生きる勇気となることも少なくないことです。皆様の支援が心の支えにもなっています。事業所の皆様、現場実習をさせていただいている皆様のおかげで貴重な経験ができています。それらが就職への大きな一歩を踏み出すきっかけとなっています。皆様のお力添えを励みに今後とも学習や就職活動に励んでまいりたいと思います。」と感謝の言葉を述べました。
 この度表彰されましたボランティアの皆様及び就労においてご支援いただいている方々のますますのご活躍を祈念して障害者週間記念式典のご報告とさせていただきます。
 この機会に「私たちが目指す社会は、障害のある人もない人も、国民の誰もが分け隔てられることなく、お互いに人格と個性を尊重し支え合う共生社会である」という理念に思いを馳せ、その実現に向けて気持ちを新たにしていただければ幸いです。

写真:障害者週間記念式典の様子


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