平成27年度第2回点字図書室ボランティア研修会実施報告

テーマ 「テキストデータ製作・テキストデイジー編集」
講師 日本ライトハウス情報文化センター 久保田 文 氏


 7月23日(木)と24日(金)の2日間、理療教育課点字図書室ボランティア研修会を開催しました。視覚障害のある方へのテキストデータ化のサービスは公共図書館でも始まっており、当センター点字図書室においても、パソコンで読める、漢字の確認ができるテキストデータ・テキストデイジーの教科書や専門書の製作をすすめていくこととなりました。理療教育で学習する利用者の皆様からも「音声のデイジーだけでなく、文字も確認できる本はありませんか?」と、これまで多くの方が望んでいたコンテンツこそがテキストデイジーです。

 今年度第2回目となる本研修会は、ボランティアの皆さんにとって、新しい支援技術を習得する機会となりました。テキストデイジー講習会は、ここ数年で、全国的に広がり、取組みを始めた施設やグループも増えました。しかし、製作方法を教えることができる講師の方が少なく、本研修会もご多忙の中、大阪から久保田先生にご来所いただきました。
 先生の大阪弁とテンポの良いお話しは暑さを忘れさせ、新しい技術を学ぶ楽しさも加わりあっという間の2日間となりました。
写真:講演する久保田先生
■ 第1日目 テキストデータ製作
 デイジー図書の種類に音声の他、マルチメディア、テキストデイジーがあることをご紹介いただき、近年、テキストデイジーの利用希望が増えているとの説明がありました。また、テキストデータを取扱う最大の注意事項として著作権法について触れていただきました。当施設が、著作権法第37条3項に該当する施設として図書を複製できることを確認し、それをアナウンス事項として凡例に入れる作業も行いました。

作業手順
 OCRソフトを使用し、テキスト抽出する。
 誤字・脱字の修正
 誤字・脱字を修正したデータの校正

■ 第2日目 テキストデイジー編集
 テキストデータを図書の構成として一番大きな単位ごとに分割し、ファイルを複数個にする。それを編集ソフトPLEXTALK Producerを用いて、テキストデイジー図書をつくりました。利用する人にとって便利な、原本の注釈の読み飛ばし設定も、これまで製作してきたデイジー図書との違いとして確認することができました。

作業手順
PLEXTALK Producerを使った編集
(テキストファイルのインポート、セクションの追加・削除、フレーズの作成・削除・結合 等々)
テキストデイジー図書のビルドブック、校正
写真:研修会の様子
 今回の研修会は、音訳ボランティア4名、デイジー編集ボランティア6名の合計10名の方にご参加いただきました。新たなグループとして活動できると思われるほど、参加された皆様のご関心と意欲の高さに驚きました。また、久保先生からも、「音声デイジーについて既に知っていることから、とても理解が早い」との講評をいただきました。研修会後は、参加者の皆様から勉強会の開催を早めに開いて欲しいとのご意見を多数いただきました。
 皆様のお気持ちを糧として、今年度中に新メンバーで1冊の本をつくりあげてみようと計画しております。 日本ライトハウス情報文化センター 久保田先生、本当にありがとうございました。



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