学院では、受験を希望される方、リハビリテーション分野の専門職に関心のある方に、開設している6学科の概要や授業内容を紹介し、在校生との対話を通して学院の理解を深めていただくため、「オープンキャンパス」を毎年開催しています。
昨年度までは、オープンキャンパスを2回、学校説明会を1回実施していましたが、就職活動の解禁時期の変更等による進学希望者の動向の変化を受け、今年度はオープンキャンパスを4回に増やし、早い時期から実施することにしました。
第1回オープンキャンパス(6月25日(土))に37名、第2回オープンキャンパス(7月30日(土))に106名が参加されました。
冒頭、中島学院長より、「当センター学院の各学科全てが本邦初である先駆けとなる学科として誕生した学科です。いずれも社会がこのような専門職を必要とし、必要とされる専門職を養成するために、社会に役立つ人材を輩出するために誕生した学科です。リハビリテーション体育学科や手話通訳学科は我が国で唯一の学科であり、卒業生にしかできない対応もあることから、障害者にとって重要な人材となっています。就職を希望される学生はここ近年ずっと100%の就職率となっています。また、大学の教員や研究者になった者も少なからずいます。学院は臨床専門家を養成する優れた教育を施す場であるので、皆さんの希望に応えられることをお約束します。」と挨拶がありました。その後、学院と学科の概要説明を行い、希望する学科に分かれ、体験学習、各種相談及び在校生との交流を行いました。
参加された皆さんには、それぞれの学科が目指すリハビリテーション専門職の業務内容や当学院の雰囲気等を体験していただきました。今回の経験を今後の進路の決定に役立てていただき、友人、ご家族等にこの体験を伝えていただけたらと思います。
なお、一部学科によっては、第1回オープンキャンパス時には、在校生との交流を行わない学科もありましたが、在校生の普段の生活が分かるよう工夫された動画映像を流したり、会場内にパネルを置いたりするなど学科の魅力をお伝えすることが出来たのではないかと思います。中には熱心にメモをとっている参加者も見受けられ、向学心のある学生に是非入学をしてもらいたいと強く感じました。
また、オープンキャンパスで行ったアンケート調査においては、第1回オープンキャンパス分と第2回オープンキャンパス分と合わせて78名の方から回答をいただきました。学院の概要では「分かりやすかった」、「具体的な入試日程を知ることができた」等多くの方々から高い評価をいただきました。しかし、一方で「入試内容について詳しく知りたかった」等のご指摘をいただいております。各学科の体験・説明については「DVDを用意して下さっており大変分かりやすかった」、「要点が端的にまとまっていて分かりやすかった」、等の評価をいただきました。しかし、一方で「時間が短かった」等のご指摘をいただいております。学院を知ったきっかけは9割超の方が学院ホームページとの回答いただいています。アンケートの中で、ホームページをはじめとして、オープンキャンパス、入学試験等についていただいた貴重なご意見は、今後の改善に向けて参考にさせていただきます。ご協力有り難うございました。
なお、第3回オープンキャンパスは平成28年10月8日(土)、第4回オープンキャンパスは11月5日(土)を予定しておりますので、多くの方の参加をお待ちしております。
次回以降のオープンキャンパス情報はこちらです。
http://www.rehab.go.jp/College/japanese/29nyushi/01_youkou/nyushijoho.htm#g2
以下に、各学科が実施した当日の様子を記載させていただきます。
第1回オープンキャンパスは8名の参加者で実施しました。開催当日、1年生は授業、2年生は臨床実習中でしたので、毎年実施している在校生との交流、体験、相談、公開授業は行いませんでした。代わりに、在校生が作成・出演した学科紹介ビデオ(約10分)を上映した後に、学院事務室の職員が参加者からの質問に対応しました。
参加者からは、学科の雰囲気や授業の大変さなどについて質問がありましたが、在校生の普段の生活の様子や、本音を語る様子を映像で見て、興味・関心を持つ方、不安感を募らせる方など様々でした。また、会場後部には、在校生の意匠をこらしたパネルを展示し、言語聴覚士の仕事内容や学科の教育内容を紹介しました。手作りならではの温かみと味わいのあるパネルから、精一杯の励ましの気持ちが参加者に伝わったようで、長時間パネルに見入っている方もいました。仕事内容や学院での生活について多くの情報を持って帰られたことと思います。最後に、第2回及び第4回のオープンキャンパスでは在校生や教官と交流していただける予定であることを案内し、参加を呼びかけて終了しました。
第2回は、53名が参加され、在校生による手づくりの心温まる装飾が施された4階フロアと6階フロアで開催しました。
4階では1年生の『失語症』の授業公開、展示コーナー(言語聴覚士の仕事内容、言語聴覚学科の時間割、テキストや教材、学生生活のDVD上映、求人、入試対策等々)、そして、「聴こえはどのくらい」「声を目で見てみよう」「とろみ食カフェ」の3つの体験コーナーが設けられました。どこも講義に聞き入る方、展示のひとつひとつを熱心に見て、触れて、質問をして下さる方などで賑わっていました。
6階では、在校生や教官が一対一で参加者からの疑問や悩みに応じる相談コーナーが設けられ、殆どの参加者がここで言語聴覚士の仕事や学院での生活のこと、受験勉強の仕方、学費や宿舎等々についてじっくりと相談していました。
今回の参加者の中には大学2年生や3年生もおられ、大学卒業後のキャリアプランの一つとして早くから言語聴覚士を考える学生さんが増えてきたことを実感しました。また、一方、社会経験を積んだ方も多く参加しており、社会人らしく、仕事や学院での生活について具体的な質問を投げかけて下さいました。
開催当日は2年生が参加者への応対に当たりましたが、外部での前期実習で培われたホスピタリティーを遺憾なく発揮してくれました。参加された方々には言語聴覚学科の活気と熱の高さ、そして厳しさと楽しさを直にわかっていただける良い機会となったと思います。
今年度のオープンキャンパスにおける義肢装具学科への参加者数は、第1回目は15名、第2回目が26名で、高校生から社会人まで幅広い年齢の方々に参加していただきました。
当日は学院での生活や卒業後の進路といった学科の全般的な紹介の後、以下の各ブースに分かれて見学・体験をしていただきました。
第2回オープンキャンパス当日は、教室に学科のカリキュラムや教官がモデルとなった白杖歩行のビデオを用意し、廊下には学科を紹介したパネルや補助具を展示しました。
他学科のプログラムに参加された8名の方が、3階フロアを訪れ、視覚障害体験をされました。
白杖歩行では白杖の使い方の説明と、実際にアイマスクを着けたり視野狭窄の状態で、障害物を避けたり、角を曲がる体験をしました。白内障では明るいとまぶしくて見えにくく、白黒反転すると文字が読みやすくなることを知っていただきました。
パソコンは音声出力によるメールの送受信体験をしていただきました。また、点字で名刺を作っていただいた後、身の回りにある点字表示について考えていただきました。
参加者は、オープンキャンパスの最初に行われる参加者全体を対象にした学科説明で、はじめて視覚障害学科を知ったという方々でした。みなさん体験を楽しんだり、驚いたり、また協力していた在校生や卒業生、教官に熱心に質問をしてくださいました。
オープンキャンパスが、視覚障害に、そして視覚障害者のリハビリテーションに興味と関心をもつきっかけになることを期待しています。
手話通訳学科のオープンキャンパスでは以下のようなプログラムを準備して参加される方々をお迎えしています。
① 学科説明:「入学試験に何が出るか」以外の質問なら全てお答えします。
② 手話実技の体験授業:手話を学ぶことは外国語を学ぶのと同じ。「ネイティブから直接学ぶ」「まるで留学しているような環境で学ぶ」という当学科のめざすあり方を体感していただきます。
③ 通訳基礎トレーニングの体験授業:通訳の仕事は、他者の話を理解し、それを別の他者に理解できるように伝達すること。そのためには何が必要か考えてみます。
④ 在校生との交流:本当のことは実際に学んでいる在校生から聞くのが一番。
参加されたみなさんには、体験授業で「楽しさ」を、そして在校生との交流から「大変さ」と「それを乗り越えることの喜び」を感じていただけたものと思います。手話通訳学科に関心をおもちの方々、あと2回実施されるオープンキャンパスにぜひ足をお運び下さい。
当学科では4名の参加者を迎えて、障害者スポーツの体験(サウンドテーブルテニス)、車いす試乗、在校生との交流を行いました。
サウンドテーブルテニスは視覚に障害のある方の卓球です。模擬授業は在校生(2年生)が担当し、音の聞こえ方や言葉がけなどの「指導のポイント」を伝え、実技場面では段階を踏んだ指導の手本を見せてくれました。在校生との交流では参加者から多くの質問があり、30分の時間が足りないくらいでした。
過去にはオープンキャンパスでの体験が、当学科への入学を決意したきっかけとなった学生もいます。今回の参加者にも、リハビリテーション体育学科の雰囲気を感じていただけたと思います。
今回のオープンキャンパスでは、今年度から実施している発達障害を中心とした新カリキュラムについて紹介しました。在校生は、自分たちが作成した教材や遊びを実際に再現しながら、現在取り組んでいる療育実習の報告を行いました。
今回、児童指導員科の教室には、発達障害をもつお子さんの親御さんやその関係者にもお立ち寄りいただきました。発達障害に関する情報が錯綜する中で、自分が勉強しなければという想いが十分伝わる方ばかりでした。発達障害に特化した養成カリキュラムはこれまで体系化されておらず、今回の新カリキュラムが唯一のものとなります。特色としては、①個別支援計画を立て、実行、評価のサイクルに携わり、特別研究(卒論)へと展開すること、②国リハで開催する知的・発達障害に関する研修会に全て参加し、最新情報に触れること、以上の2点があり、児童指導員科でしか学ぶことができない内容となっています。
発達障害への支援は始まったばかりです。ご本人、ご家族に寄り添った支援ができる福祉専門職の養成を目指していきます。