平成29年度国リハ体育祭が開催されました
                体育祭実行委員(企画・情報部)

平成29年6月9日(金)、センター内の陸上競技場にて、国立リハビリテーションセンター体育祭が開催されました。折しも、直前に梅雨入りが発表され、当日の天候が心配されましたが、結果的に時々日差しも差し込んで暑い位の天気となり、絶好のスポーツ日和となりました。
 この体育祭は、並木祭(文化祭)に並ぶ一大イベントとして、利用者の皆様、学院生及び職員の健康増進を目的として、昭和54年より毎年開催されています。
 体育祭では、紅白に分かれて全部で14種目の競技を行っていますが、参加者のなかに、視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、高次脳機能障害、発達障害など様々な障害をお持ちの方がいらっしゃいますので、それぞれの障害に応じて競技に参加できるよう、競技種目のひとつひとつに工夫を凝らされており、当センター体育祭の特色のひとつとなっています。
 例えば、「大玉おくり」は、直径2mほどの柔らかな素材で作られた紅白の大玉を使用して行われ、紅白に分かれた参加者が6列に並び、1・2列、3・4列及び5・6列の間を大玉の直径と同じぐらいの幅に空けて、紅白それぞれの大玉を1・2列間→3・4列間→5・6列間の順に列間の地面を転がしてゆき、決められたルートを通過して、最終的に紅白どちらの大玉が早くゴールするかを競う競技で、視覚障害をお持ちの方や車いすの方でも、他の参加者と同じ条件で、一緒に大玉を転がすために触れることができるよう工夫されています。
 また、今回の体育祭より、頚椎損傷等により車いすを使用されている利用者の皆様が参加しやすい競技として、新たに「ピラミッドじゃんけん」という競技が行なわれました。競技内容を説明しますと、競技場のフィールド内において、紅白それぞれ15名で攻撃側と守備側に分かれ、守備側は4列(1列目8名、2列目4名、3列目2名、4列名1名)に分かれて並びます。 攻撃側はスタートラインに待機して、スタートの合図で、まず守備側の1列目まで進み、守備側と口でジャンケンをします。攻撃側が勝てば、2列目へ進んで2列目の守備側と同様に口でじゃんけんをすることができますが、攻撃側が負けたら、スタートラインまで戻って、また1列目からやり直すことになります。つまり、攻撃側はじゃんけんに勝ち続ければ、1列目→2列目→3列目→4列目と進んで行くことができます。 攻撃側は、3列目まで勝ってスタートラインまで戻れば1点、同様に最後の4列目まで勝ちきれば3点を得ることができます。しかし、4列目で負けてしまうと0点となってしまうため、攻撃者は、3列目まで勝ち続けた時点で、このままスタートラインに戻って手堅く1点を得るか、0点となるリスクを負って4列目へのじゃんけんにチャレンジするかという選択を迫られることになり、相手方との得点差なども考慮して選ぶ必要があります。攻守を交代してそれぞれ3分間行い、紅白のうち時間内により多くの得点をあげた側が勝利となります。
 このように、「ピラミッドじゃんけん」は、口でじゃんけんができれば、例えば電動車いすを使用されている利用者の方も競技に参加することができ、また「じゃんけん」の勝ち負けは運に左右されるため、移動速度が速いからといって、有利になるとは限りません。このように、参加者個々の障害の程度が競技の有利不利に直結しないよう工夫されています。
 最終的には、昨年度に続いて白組が優勝し、お互いの健闘をたたえつつ、熱戦に幕を下ろしました。 普段、利用者の皆様となかなか交流する機会がない学院生や職員の方々にとっても、スポーツを通じて利用者の皆様と様々な交流を図ることができ、有意義な1日を過ごすことができました。
画像:ピラミッドじゃんけんの様子
【ピラミッドじゃんけん】
画像:優勝杯授与の様子
【優勝杯授与】



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