再生医療リハビリ報告会開催される
                企画・情報部

去る7月18日(水曜日)、病院の再生医療リハビリテーション室主催により、職員を対象とした脊髄損傷に対する再生医療やリハビリに関する報告会が開催されました。
 開始時間が17時20分からと遅い時間であったにも関わらず、会場となった大会議室の席がほぼ埋まり、後方で立ったまま報告を聞く職員がいるなど、100人を超える職員が参集し、再生医療リハビリに対する職員の皆様の関心の高さを感じました。
 まず、再生医療リハビリテーション室長の緒方先生よりお話があり、再生医療リハビリテーション室が開設されて1年が経過した現在における脊髄損傷に対する再生医療の現状、国リハがどう関わり、取り組んでいるか、再生医療を受けたあとのリハビリの重要性などについて、「再生医療について、かつては介入すると元の状態に戻るというイメージがありましたが、現在は損傷部の周囲に残存している神経回路が活用される等により、新しい神経回路を作ることが再生医療のゴールというように変わってきており、新しい神経回路を作るにはリハビリが重要となります。 神経の可塑性を再生医療によって高めることにより、麻痺の状態が改善する事が期待されます。ただし、そのためには可塑性が高まった環境において正しい方向付けをしたトレーニングをすることが重要で、再生医療はリハビリなしでは成立しません。」とのお話があり、再生医療の現状を踏まえ、再生医療の後に行うリハビリの重要性が強調されているように感じました。
 その後、研究所運動機能系障害研究部の河島室長より、これまで研究所において行われてきた脊髄損傷に関する研究と今回の再生医療との関わり等について説明があり、続いて、現在実際に取り組んでいる、大阪大学での慢性期脊髄損傷に対する自家嗅粘膜組織移植術の術後症例への訓練や状況等について、看護の立場から谷脇看護師長、リハビリ訓練を実施する立場から岩崎理学療法士、リハビリテーション体育の立場から樋口運動療法士長より、それぞれ報告がありました。
 技術革新によって、再生医療が研究段階から臨床応用が試みられる段階となり、今後一般へ普及するに伴って、再生医療に伴って行われるリハビリの重要性が益々大きくなってくることから、今後、国リハも再生医療のリハビリに対して貢献していくことが期待されていると感じました。
画像:報告会会場の様子



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