システム導入サービスに利用できるツール・ノウハウ

生活支援システム導入マニュアルと評価実験参加者による

インタビュー動画集

 

背景と目的

在宅で生活する高齢者とその家族を支援するにあたり,生活支援システムの提供・導入サービスをどのように行うべきかを明らかにし,ビジネスモデルを構築するとともに,サービスを必要とする顧客へのアプローチを開発することを目的とした.

対象

在宅高齢者とその家族.独居しており,家族(特に子供)とは離れて暮らす高齢者や,個宅に暮らす,MCIもしくは軽度認知症を疑われる高齢者を対象とした.

倫理的配慮

国立障害者リハビリテーションセンター研究所倫理審査委員会にて承認されており,対象者およびその家族より同意を得ている.

方法

施設と在宅における短期試用評価に参加頂いた高齢者,中間ユーザー(介護職員,家族)へのヒアリング調査を行い,福祉用具貸与事業者としての知見を取り入れながら,在宅における生活支援ロボット導入にあたってのマニュアルを作成した.生活支援ロボットが市場に受け入れられよう作成した本マニュアルの有効性を確認するため,在宅において6ヶ月に渡る長期社会実験を実施し,毎月の定期訪問および実験終了時のヒアリングとアンケート調査を実施した.また,システムの普及に向けて生活支援ロボットシステムの特長や効果を利用者の立場からわかりやすく提示するツールの開発を行った.より多くの方にシステムを周知させるため,社会実験に参加,協力頂いた方々の動画によるインタビュー動画集を作成した.

結果

ヒアリング調査の結果から,既存の福祉用具レンタルシステムの仕組みを活用しつつ,生活支援システムのサービスを円滑に提供できる連携体制,サービス提供者のトレーニングと継続的に事業が行えるコストの実現が事業化に必要不可欠な条件であることが確認できた.特に,レンタル事業者の立場から,アフターサービスの重要性に着目し,それらを提供するための事業モデルを検討し導入マニュアルを完成させた.また,インタビュー動画集インタビュー集を国リハが作成している生活支援ロボットのホームページに掲載するとともに,福祉大会やシンポジウム等で活用することで,より多くの方にシステムを周知させることに効果的であることが確認できた.

考察

ロボットを生活で利用するにあたり,事業化をできうるための最も重要な項目は,修理・メンテナンス・アフターサービスの3つにまとめられる.インタビュー動画はサービスを必要とする顧客へのアプローチとして有効であることが示唆された.

参考

https://www.youtube.com/watch?v=5mf50McCHCc&feature=youtu.be, 2019-11-1.