地域におけるアクションリサーチ

研究の概要

伊豆市では複数のインフォーマルネットワークによる手厚い見守り、共同体活動が維持されている地区や、移住者等の第一入居世代が多い地区等、支えあいの状況は地区ごとにかなり異なることが分かりました。

実施内容

  • 各集落の地理条件の把握(フィールドでの事前調査)
  • 歴史・民俗学的資料に基づく社会組織、暮らしの変遷の把握(資料、現地調査)
  • 介護予防事業等での、高齢者、職員へのヒアリング

訪問調査対象集落

修善寺(青)10地区、中伊豆(緑)14地区、
天城湯ヶ島(紫)8地区、土肥(橙)19地区

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結果

  1. ① 集落内の社会関係や共助組織(地縁組織)、家族・親族(血縁)による手厚いインフォーマルネットワークが機能しており、高齢者の社会活動や宅内生活、消費行為を支えている。
  2. ② 急激な都市開発、郊外居住地区の造成があり、都市的な課題がある。同時に、農業、漁業等の基幹産業が維持され、生活の劇的変化が少なく、高齢者が自らの力で生活を保持している地区がある。
  3. ③ 高齢者の生活では、配達や交通機関等による細かい時間指定が少なく、ゆったりとした時間が流れている。
  4. ④ 温暖な気候や、森林河川が近くにあり、室内の明かりや空調を人工的に調整する場面が少ない。

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都市部と異なる暮らし、認知機能低下者が発見されにくい(暮らせている)
伊豆市の生活に即した情報支援の必要性
  1. ⑤ 在宅高齢者の孤独感 (家族の声が聞こえにくい、話し相手に会わない/入院のため引っ越す等で会えない)
  2. ⑥ 家族の不安(大雪でデイサービス中止といった、普段と異なる時、本人の状態、危険行動や体調変化を確認できない)
  3. ⑦ 介護家族の負担(通勤圏が制限される、5分以上目を離せない等長時間の見守りが必要)

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対話(楽しみ、活性化)機能の必要性、見守り機能の範囲特定と利用モデルの必要性