第1回 補装具の適切な支給実現のための制度・仕組みに関する研究会

開催趣旨

障害福祉制度における補装具費支給制度は、身体障害者の自立と社会参加を支えるうえで重要な役割を担っています。必要とする人がより適切な補装具を使えるようにしていくためには、利用者の機能、補装具の機能、価格が適切にマッチすることが望ましいと考えられます。

適切な補装具費支給を行っていくためには、全国の更生相談所の補装具判定における基準解釈を平準化し、地域格差をなくして公平・公正な判定の考え方を理解する必要があると考えられます。また、補装具のなかでも義肢・装具・座位保持装置については、その機能を規定するうえで重要な役割を果たす完成用部品(厚生労働省により認可されたモジュール化された部品)の機能の違いなどが必ずしも明瞭でなく、どのような利用者にどのような部品が適しているのかわかりにくい部分があるという課題があります。義肢等の支給判定をよりわかりやすいものにし、これとあわせてその価格の妥当性を考えるうえで、完成用部品の機能を整理することは一つの課題と言えます。

こうした問題を解決するために、厚生労働科学研究費補助金研究プロジェクト「補装具の適切な支給実現のための制度・仕組みの提案に関する研究」(研究代表者 国立障害者リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発部長 井上剛伸。研究予定期間 平成25〜27年度)では、支給判定困難事例についてなど更生相談所からみた補装具費支給制度上の課題について検討を進めるとともに、完成用部品の持つ機能について米国保険制度におけるL code等の制度を参考として機能を整理しその区分を整備することを検討しています。

本研究会では、このような課題を含めた補装具費支給制度についての現況について報告し、関係者間での意見交換をおこないたいと考えています。

※本研究会は平成25年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)「補装具の適切な支給実現のための制度・仕組みの提案に関する研究」を受けて開催します。

研究会概要