荷重制御式歩行補助装置


 荷重制御式歩行補助装置は,「脊髄損傷者に再び歩行を!」を目指して開発が進められております。装置の主要な構成を紹介しましょう。

@脊髄損傷のために失った,体幹下部,下肢の運動コントロールを補助する骨盤帯を含めた体幹部分

A装具の下肢部の振り子運動をできるだけ妨げないよう,わずかな摩擦回転抵抗で下肢の伸展・屈曲方向への運動のみ許す股継手部分

B下肢の振出運動を助ける股継手レシプロ機構

C膝関節,足関節を固定保持する下肢装具と,簡単に固定をはずし屈曲できるLock機構を用いた膝継手

Dこの装具での歩行運動を容易にすることを目的に開発が進められた機構を集めた足部からなります。

本装置の大きな特徴である装具の足底部分に取り付けられた脚長可変機構について簡単に述べましょう。この機構は,体重を支持している時,すなわち立脚期には,鉛直位になるレバーにより 4cm程の高さで支えられ,これを基本的な状態としてます.脚を前に出す時にはレバーを空気シリンダで倒すことで床に接する足底面を持ち上げ振り抜くことを容易にできるようにします.現在試験中の脚長可変機構の駆動には約310gの小型炭酸ガスカートリッジをエネルギー源として空気シリンダの運動を利用しています。

この脚長可変機構を縮めるように動かすのは杖ハンドグリップに付けられたスウィチにより装具の使用者自らがコントロールします.使用者は足底面が下へ伸び切ったことを示す足部に付けられたLEDの点滅を目安に杖歩行運動の適当な時期にスウィチを押し可変機構の動きをコントロールします。可変機構は脚の前方への動きを調べ自動的に伸ばされ歩行を容易なものとします。

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