電子化図書の研究開発について

 重度障害者用電子化図書とは、通常の印刷本を読めない障害者のための電子化された本のことで、重度障害者はパソコンを利用して本を読むことになります。健常者用電子ブックにはCD−ROMやフロッピディスクのものが市販されていますが、電子化図書はあくまでも印刷本の代替となる新しい媒体で、主な対象者は下記のような重度の障害者となります。

@印刷本の頁をめくることのできない重度の肢体不自由者
ディスプレイ画面上に表示された本の内容を特殊な操作スイッチでスクロール・アップまたはダウンさせれば、印刷本を読むのと同じことが可能となります。
A全盲者
パソコンに点字出力装置や音声出力装置を接続すれば電子化図書を点字で読んだり、音声で内容を聞くことができます。
B弱視者
電子化図書をパソコン画面に拡大表示すると、内容が飛ぶことなく確実に読書ができます。
 電子化図書の最大の特徴は、一般の書籍が製作される過程で副産物として派生する電子化情報を基にして製作されるという点にあります。すなわちボランティアが印刷本を見ながらデータを入力する必要がないため、簡単に、しかも迅速に電子化図書が製作できます。

 なお電子化図書の実用化は日本リハビリテーション協会が主宰する障害者用パソコンネット(ノーマネット)で行われることになっており、今後は日本書籍出版協会などとも協議し、数多くの電子化図書を製作できる方策を検討する予定になっております。

 また実際の電子化図書を読みだすソフトも、さまざまな機種、OSに対応したものが開発済み(WIndows版、DOS版)または開発中(Mac版、OS/2版)です。


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