高齢者の身体機能変化の特徴として、仙骨座りと骨盤の傾斜という形態的変化と、かぜなどによる1〜2週間の安静により運動機能などが低下する短期的変化がある。このような高齢者の身体機能変化は車いすを選択するうえで重要な要素であり、ある程度、変化を予測する必要がある。

1.仙骨座り(ずっこけ座り)

 上記のように木材のようなものを壁にもたれかけておくと、反力によって徐々に前方へと滑っていく。このようなかとが車いす上に座っている人間にも起こる。

 仙骨座りの特徴は後傾、脊柱の円背、股関節の伸展、膝関節の屈曲である。車いすに座っているときに体幹が車いすの背シートにもたれると、反力が生じ臀部や大腿部を滑らせる力となる。その結果、より臀部を前方に滑らせる。そのままだと身体は車いすから転落するため、安全ベルトなどで身体拘束をしなければならなくなる。

 またこの反力による滑りは、軟部組織へのせん断力を発生させ、仙・尾骨と脊椎棘突起部の褥瘡発生原因となる。

 加えてこの姿勢は、トランスファーなど介護負担を増加し、食事や車いす操作などの上肢動作を困難にする。さらに、円背の高齢者は視線を上にあげられないために、上目使いになり見た目も悪くなる。

2.骨盤の傾斜

 骨盤が傾斜していると骨盤が水平面に対して斜めになり、脊椎はそのまま倒れていく。そのため、手で身体を支える姿勢になる。また、そこで頭部の立ち直りが起これば、脊椎が側彎する。

 通常、上体の荷重は左右骨盤の座骨結線を中心に二分されるが、骨盤が傾斜していると片側に荷重がかかるため一方の圧力が増える。そうすると、座り心地が悪くなるうえ、傾いた側の座骨結線などに褥瘡が発生する。

    片側の坐骨や大転子に負担がかかる














骨盤の傾斜