写真は、頸髄損傷者が光源(He-Neレーザ)を眼鏡の中央部に取り付け、本装置を操作しているところです。レーザ光源を使用しているので、光のスポット径はほとんど変化せず、光源とキーボードの距離は自由に設定することができます。
光入力式キーボードの使用例
この種の肢体不自由者には、これまでは口に棒をくわえてキーボードのキーを押すような入力手段しかありませんでしたが、それに比較すると操作性は圧倒的に優れているといえます。
すでに実用化されていますが、現在は、DOS/Vパソコンにも接続可能にすること、より安定して使いやすいキーボードにすることを中心にして開発を進めています。
本研究に関するお問い合わせは <itoh-kazuyuki-0923@rehab.go.jp>までお願いします。(@を半角@に変えてください)
文字の入力にはモールス符号を利用します。つまり短点用キーと長点用キーの組み合せで入力文字を発生させ(例えば”A”は・−)、確定用キーを押すことによってパソコンに文字を送ります。したがってキーの数は最低3個あれば(原理的には1個でも)使用することができます。
また入力キーの種類は、標準品としてタッチスイッチと大型押しボタンスイッチの2種類があり、使用者に適したものを選択できます。写真は、筋ジストロフィー患者がタッチスイッチを用いてパソコンを操作しているところです。利用者の中には、モールス符号を暗記して一分間に200文字近い速度で入力し、パソコン通信などを楽しんでいる人もいます。
モールスキーボード・Type-Mの使用例
現在はモールス符号を覚えなくても入力可能な、表示依存型モールス・キーボードの開発研究を行なっています。
モールスキーボード・Type-Dの使用例
このタイプでは小型の表示機を使用し、その画面の内容を参考にしながら符号を入力するため、符号を覚えなくても入力が可能になります。
小型液晶ディスプレイの初期画面では、すべてのカナ、アルファベットは短点スタートのものと長点スタートのものに分けられており、自分の入力したい文字がどちらの符号に分けられているかを見ながら符号を入力していきます。例えば、短点(・)を一つ入力すると、それはeに対応していて、ここで入力キーを押すとeがコンピュータに入力されます。また、画面の表示は短点-短点(・・)で続くもの、短点-長点(・-)で続くものに分けられます。
次に、長点(-)が入力されると(・-)、その符号はaに対応します。液晶画面の表示は短点-長点-短点(・-・)、短点-長点-長点(・--)で続くものに分けられます。
この様に、入力したい文字が候補に挙がるまで短点と長点を入力し最後に入力キーを入力するとコンピュータへの入力が可能になります。キーボードエミュレータは、短点、長点、入力キーが押された状態により小型ディスプレイの画面表示を変えたり、コンピュータへキーコードを送信する役割を持っています。コンピュータ制御用のキー(例えばenter, esc, Tab, space, 等)には独自に符号を割り当てています。利用者は小型ディスプレイの画面表示を参考に入力していくので表示依存型(Display-based、Type-D)と呼んでいます。すべての符号を記憶できれば、小型のディスプレイは必要ありません。この場合は記憶依存型(Memorized-based、Type-M)と呼んでいます。
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視線の検出方法は、赤外光を眼球付近に照射し、赤外フィルタを用いて取り込んだ眼球の画像から瞳孔の中心点と角膜反射点の中心点を抽出して、その二つの特徴点の相対位置から求めるという方法を用いています。
平成8年度から本格的な研究開発を開始しました。
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