マウス代替装置の研究開発について
パソコンの入力装置はキーボードが標準となっていますが、最近のようにGUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)を基本とするソフトが増えてきますと、マウスも必須な入力装置になりつつあります。このため通常のマウスを利用できない頸髄損傷者を対象としたマウス代替装置(光マウス)を試作しました。
動作原理は、光入力式キーボードで使用した光源をそのまま利用し、マウスカーソルの移動方向(8方向)に設けられたフォトダイオードに光を照射し、照射している間はマウスカーソルが一定速度でその方向へ移動するというものです。評価の結果、マウス操作に際してパソコン画面と本装置を同時に見なければならないという不便さが問題となりました。
平成16年より、偏光フィルタを利用したマウス代替装置の開発を行いました。光入力式キーボードで利用しているレーザを液晶画面上に照射すると、その照射箇所にマウスカーソルが移動するようなシステムを開発しました。マウスカーソルを移動させたい箇所にレーザを当てるので、マウス操作が格段に容易になります。
詳しくは、下記論文に掲載しております。
- Itoh, K. Light Spot Operated Mouse Emulator for Cervical Spinal-Cord Injured PC Users. Proc. of the 10th International Conference on Computers Helping People with Special Needs. 2006, p. 973-980
- 伊藤和幸:"レーザ光線を利用した頸髄損傷者向けマウスポインティングデバイス",電子情報通信学会論文誌(D), Vol.J90-D-T(2) ,2007, p.771-779
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