運 転 能 力 検 査 結 果 な ど


利用者氏名 □□ □□ (脳卒中による高次脳機能障害者の例 ・ 習熟訓練)

1.運転適性検査器による評価 注意力、持続力、判断の速さなどの状況
注意力、持続力の低下があって以下の問題点が見られる。
・反応時間のむらが大きい。
・同時課題で見落としが多く、注意の偏りがある。
・判断時間と動作時間が不均衡で誤反応が多い。
・精神の安定度は問題なし。
2.視 覚 評 価 視力、視野などの状況
・視力、視野、動体視力、夜間視力は問題なし。
3.実車による評価 運転基礎感覚の状況(最重度  重度  中等度  軽度  問題なし)
運転内容

・直進路、曲進路で著しく右寄りを通行することがある。
・左折と左カーブで大回り、右折と右カーブで小回り通行をすることがある。
・左側の前輪と後輪を縁石に接輪することがある。
・道路の左端へ寄って真っ直ぐに駐車する課題で、寄り幅が安定せず、右向きに駐車する。
・見通しの悪い交差点や、信号が青色に変わったことに気づくのが遅れることがある。
4.運転操作力などの評価 乗降、車いすの積みおろし、ハンドル操作、ブレーキ操作などの状況
・ハンドルはノブ型旋回装置を使用し右手で操作、アクセルペダルとブレーキペダルは右足の操作で問題なし。
・測定器を使った評価では、時々、踏み替え反応時間が遅くなることがある。
5.記憶に関する評価 ・問題なし
6.交通に関する国語の知識 ・習熟訓練のため未実施
所   見 ・適性検査器、実車、運転操作力などの評価から、高次脳機能障害の影響による問題点が見られる。
・具体的には、反応時間のむら、同時課題での見落とし、注意の偏りが原因で、通行位置の不安定、車両感覚の誤差、交差点での安全不確認がある。
・現時点では、歩行者や自転車、他の自動車が走行していない所内コースの課題で運転内容に一貫性がなく不安全な運転である。
支援の目標留意点など ・所内コースで不安全な運転内容の減少を目標に基礎課題の訓練を繰り返し行う。
・右上肢での円滑なハンドル操作方法の体得。
・所内コースの基礎課題の評価値が一定水準に達した場合、引き続き一般道路において応用課題の訓練を繰り返し行う。
・一般道路の応用課題の評価値が一定水準に達した場合、連続2時限の訓練を行い時間経過に伴うミスの発生の有無を確認する。
・滑りやすい路面での自動車の挙動変化と、一般道路、高速道路での危険を予測した運転方法の体得。
・評価中に自己認識が低下しているような発言が見られるため、問題のあった運転内容をドライブレコーダで記録し、下車後に映像で再確認を行う。
実 車 訓 練 段 階 訓 練 区 分 訓練項目 時 限 数 学 科 訓 練 訓 練 区 分 時 限 数
1段階 習 熟・専 業 基礎訓練   専  業  
限 定 解 除 速度の選択
2段階 習 熟・専 業 応用訓練    
限 定 解 除 確認と誘導
合  計  
 
国立障害者リハビリテーションセンター(自動車訓練室)