眼球運動を活用したスイッチ入力システム

筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の神経難病者は発症すると筋力が低下し、ナースコールや意思伝達装置を操作するためのスイッチ操作が困難になります。そのような場合でも眼球運動は比較的残りやすい運動機能であるため、「はい」「いいえ」の意思を表示するために決まった方向に眼を動かして単純な意思の伝達手段にすることがあります。そこで、九州工業大学と共同で眼の動きや長めに閉眼する動作を自動的に検出することでスイッチ操作に結びつけるシステムを開発しています。眼の動きによりスイッチ操作が可能となるため、ナースコールのように呼び出しを行うだけでなく、機器に搭載されているアクセシビリティ機能を活用することでスマートフォンのような汎用製品の操作も可能になります。
ジェスチャー認識を活用したインターフェース

脳性麻痺の方や進行性の神経・筋疾患の方など重度運動機能障害者などを対象に簡易なジェスチャー(意図的な動作)により情報機器(パソコンや家電用リモコンなど)の操作を可能とするインターフェースの開発研究を(国研)産業技術総合研究所、(国研)国立精神・神経医療研究センター病院、東海大学などと共同で行っています。
低価格なインターフェースを提供するために、市販の距離画像センサ(3次元カメラ)を利用して、非接触(スイッチを触らなくてよい)、かつ非拘束(センサを身に付けなくてよい)なインターフェースです。本インターフェースを利用する際には、パソコンと市販の距離画像カメラを用意して頂いて、アプリケーションをダウンロードしてパソコンにインストールすれば、パソコン操作(キー入力やマウスクリック等)が可能となります。
遠隔就労支援ロボット

このロボットは“障害者が障害者の介護補助をすることができる遠隔操作ロボット”です。
このロボットは「1)ロボットの操作は自動ではなく手動であり」、「2)遠隔地から操作でき」、「3)介護する方のちょっとした手伝いを行うための物を持つアームを持ち」、「4)ロボットの操作者が介助者・被介護者と会話ができ」、「5)障害がある方でも操作できる」というコンセプトを持っています。つまりこのロボットによって、物を持ったりするちょっとした仕事をロボットが担うことで介護者が専門的なことに集中できます。また、一緒に介護している方に対してや介護をしてもらっている方に操作者が自分の経験を元にアドバイスを行えたりします。このロボットによって障害者が活躍できる場を提供することができればと考えています。
こどもの義手の普及に向けた取り組み

私たちが出展する『こどもの義手』は先天性上肢形成不全で生まれ義手を必要とする「こどもたち」の現況を知っていただくための展示です。
本人たちが義手を自由に使えるようになるまでには、目的に合わせた義手を装着しボディイメージを構築するところから始まり、両手動作ができるようにしていきます。体の一部として使いこなせるようになるためには年単位での訓練期間が必要になります。周りからのサポートがあれば、生まれつき手が無い状態で生まれてきたこどもたちも、そうでないこどもたちと同じようにいろいろなことに挑戦することができます。
ブース展示の最終日には、成人した障害当事者と先天性上肢形成不全のこどもたちによるトークショーを開催し、障害当事者であってもそうでなくても、自身の意思を持って生活し未来を描くことができる「誰もが夢に挑戦できる世界」を考えます。