センターだより第45号(平成28年2月1日付)ウェブ版 もくじ
・センターではどんな訓練・授業をしているの?〜授業・訓練公開〜
・センターの行事のご紹介
・視覚障害者の補装具について(白杖編)
・利用者募集
・センター見学のご案内
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1.センターではどんな訓練・授業をしているの?〜授業・訓練公開〜
平成27年10月、「授業・訓練公開」が開催されました。通常の見学とは違い、利用を希望されるご本人ではなく、主に福祉関係のお仕事をされている方々を対象とした、体験型の見学会です。
この体験を通して、視覚に障害をもった方々に、当センターを具体的にご紹介いただけたら…と、毎年実施しています。
今年のテーマは『トライ!函館視力障害センターの訓練・授業』。様々な『トライ』がありました。
【宿舎見学】
当センターには、いわゆる『寮』が併設されています。
皆さん普段どんな所で暮らしているのか、どんな設備があるのか… まずは、実際に見ていただきました。

【くらやみ体験】
続いて、まったく光のない部屋に移動して、普段の生活で何気なく行っている事(ペットボトルのお茶をカップに注ぐ等)にトライ。
見えないことの困難さを感じるとともに、『見えなくても分かること・できること』を実感していただき、「とても良い経験だった」「すごく神経を使うことがわかりました」等、多くの反響がありました。
【授業・実技の見学、はり実習体験】
あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の資格を得るためには、学科も重要です。
理論から実践への流れの体験として、1年生の『解剖学』と2年生の『生理学』の授業を経て、『はり実習体験』で刺鍼練習にトライ。
その後、3年生による『臨床実習』見学へ。
「実技だけではないんですね」「はりは難しかった」「練習を積むからこそ、簡単そうに見えるとわかり、驚きました」等の感想が聞かれました。

【茶話会(カフェミーティング)】
最後に、参加者、利用者、職員が一堂に会して、茶話会(カフェミーティング)を行いました。
お茶を飲みながら、先ほど見学・体験した授業や実習について、利用者本人からもっと詳しく話を聞いたり、気になった点を職員に質問したり、参加者同士で情報を交換したり…。
あっという間に時が過ぎ、「時間が足りなかった!」と、うれしいお叱りを受けながらの閉会となりました。

※この催しは、日帰りが可能な地域の福祉関係の方々にのみご案内をお送りしています。
興味をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。
なお、利用を検討されている方やご家族など、個別の見学を希望される方は、センター見学のご案内をご覧ください。
2.センターの行事のご紹介
センターでは、通常の訓練や授業だけでなく、様々な行事をおこなっています。また、外部の行事に参加する事もあります。一部をご紹介しましょう。
春
< 入所式 >
< 初期学習支援講座 >
新1年生が対象の、授業の受け方・勉強の仕方を身につけるための講座です。
DAISY機器の使い方音声パソコンを使ったノートの作り方など、それぞれが自分に必要な技能を習得して授業に備えます。
< 解剖見学実習 >
2年生が、札幌の医科系の大学で医大生の皆さんの解剖実習に一緒に参加させて頂きます。
夏
< 全学年レクリエーション >
平成27年度は、利用者皆で大沼公園に出かけました。
散策、サイクリング、遊覧船の搭乗などで自然に触れたり、キツネの毛皮を加工するキーホルダー作りに参加したり、楽しい1日を過ごしました。
< 夏季実力養成講座 >
2年生を対象に、夏休み最初の数日間を使って行われます。
秋
< スポーツ交流会 >
自治会(水松会(すいしょうかい))主催のクラス対抗戦です。
助っ人で職員が入ることもあります。
平成27年度はゴールボールとボッチャでした。カローリングやサウンドテーブルテニス等も人気です。
< 全国障害者スポーツ大会への参加 >
平成27年度の全国障害者スポーツ大会は、和歌山県で開催されました。
センターからは2名の利用者が北海道選手団として参加し、陸上競技部門で、見事、メダルを持ち帰りました。
冬
< 障害者週間記念イベント >
これまで、映画上映・落語会など、様々なイベントが行われてきました。
ここ数年はゲストをお招きしてのミニコンサートで、その一部は函館のミニFM局『FMいるか』さんの公開生放送となります。
< あん摩マッサージ指圧師試験、はり師きゅう師試験 >
国家試験は、利用者さん達にとって三年間の集大成、メインイベントです。
幸いなことに、当センターは『函館会場』として登録されていますので、リラックスした『いつもの』雰囲気で受験出来ます。
年間
模擬試験、進路別臨床講座、施術所・病院見学実習、自立訓練レクリエーション、市民公開講座、視覚障害者支援講習会、函館商工会議所青年部主催の『はこだてカルチャーナイト』への参加、函館市主催の『函館ハーフマラソン』におけるランナーへのマッサージボランティアの実施 など
翌春
< 卒業式 >
< 合格発表 >
前号(44号)の『A子さんの3年間』にあった通り、卒業式よりも後に、国家試験(資格試験)の合格発表があります。
この日は受験生からの「合格しました!」という報告を待ち望む1日となります。
平成26年度までの5年間の国家試験の平均合格率は、約8割(あん摩89%、はりきゅう78%)で、センターから旅立った卒業生たちは、開業、病院や治療院への就職、企業のヘルスキーパーなど、様々な分野で活躍しています。
3.視覚障害者の補装具について(白杖編)
補装具とは、法律上は『障害者等の身体機能を補完し、又は代替し、かつ、長期間にわたり継続して使用されるもの』と定められています。何か小難しい感じですが、つまり、“ハンディをもった人が活動するために身体の一部としてなくてはならないもの”のことです。
例えば、聴覚障害者では、補聴器。肢体不自由では、義肢・装具・車いす等。難病患者では、車いす・歩行器・意思伝達装置等が代表的なものです。
言われてみるとなんとなくイメージできるのではないでしょうか。
視覚障害者の場合、最も有名で重要なもののひとつに「盲人安全つえ」。つまり、「白杖(はくじょう)」があります。
駅や病院、公共施設等でよく使用されていますよね?
今回は、日頃、本センターで特に問合せの多いこの「白杖」について、Q&A方式で、簡単にご紹介します。
Q.白杖って、物を探すためだけの白い棒のことなんですか・・・?
A.目的によって、長さや素材、形状等が異なり、役割も複数あります。
まず、白杖の構造です。大きく3構成になっています。

・黒い握り手・・・グリップ
・白いまっすぐな部分・・・シャフト
・先端についているもの・・・石突(チップ)
Q.役割にはどんなものがありますか・・・?
A.白杖には、主に3つの大切な役割があります。
1.周囲の方に視覚障害を知ってもらうシンボル(象徴)として
2.身の安全を確保するバンパーとして
3.路面の状況などを確認する情報ツールとして

普通の感覚だと、1.のシンボルとしての印象が大きいでしょうか。
一見、頼りのない細い棒かと思いがちですが、材質は軽くて強いカーボン製品のものが主流なので、正しい使い方ができていれば、大体の障害物は安全に認知・回避できます(2.のバンパー)。
Q.どんな風に使うのですか・・・?
A.白杖の振り方は、ざっくり分けると“叩く系”と“滑らす系”の2パターンになります。
これらの判断も、歩いている環境の状況を白杖を介して“感覚”として伝わるため可能となるわけです(3.情報ツール)。
白杖が直杖タイプか、折り畳みタイプか(4つ折り又は5つ折り)でも感覚は異なることもあります。
なお、申請方法については各市町村の福祉課まで。具体的な商品については各事業所までお問合せください。
もちろん、本センターにも気軽にご相談下さい!
その他の便利グッズや補助具等の情報については、当センターのブログでも紹介しています。興味のある方はぜひご覧下さい。
(外部リンク)函館視力障害センターブログ
4.利用者募集案内
当センターでは、就労移行支援(養成施設)、自立訓練(機能訓練)の利用者を募集しております。利用を希望される方がおられましたらご案内いただきますようよろしくお願いします。
・就労移行支援(養成施設)
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師を養成するための教育・訓練を行います。
平成28年度の利用開始は平成28年4月です。
・自立訓練(機能訓練)
視覚障害により日常生活動作が不自由になった方に生活技術(歩行、点字、パソコン、調理等)の習得のための訓練を行います。
随時募集しており、手続きが済み次第利用開始可能です。

利用をお考えの方はお気軽にご相談ください。
電話:0138の59の2751
FAX:0138の59の4383
Eメール:sien-hkdt[あっとマーク]rehab.go.jp
※当HPに利用申し込み用の各書式を掲載しておりますのでご活用下さい。→リンクはこちら

5.センター見学のご案内
利用希望の皆様(ご家族様)へ 福祉関係者の皆様へ当センターでは、センターの利用を考えている方、そのご家族やお知り合いの方、また福祉関係者の皆様の見学を歓迎します。
福祉関係者の方からは、「視覚障害のある方からの相談を受けるけど、センターのことはよく知らないし・・・」というお声をよく耳にします。
まずはお電話でお気軽にご連絡下さい。
見学が可能な時間帯:平日(月曜日〜金曜日)9時〜17時まで(要予約)
企画発行
国立障害者リハビリテーションセンター自立支援局函館視力障害センター
042-0932 函館市湯川町1-35-20