〔野鳥シリーズ56〕 |
リハセンターに飛来する野鳥を友に |
日本福祉教育専門学校 見原 捷三(元理療教育部長) |
ゴイサギ(五位鷺)
今回は、5月号でお約束いたしましたゴイサギを掲載します。このゴイサギは、後述するとおり大変位の高い鳥です。現在、世界中にいる野鳥は、約8600種、この内日本では約520種いる中で、このように位の高い鳥は、他にはいないようです。
さて、このサギは、全長約60cmで、普段は写真のとおり、首を縮め、背を丸めてずんぐりした形をしています。成鳥は、頭上から頭、背、肩が緑色光沢のある黒色で、目は赤い色をしています。繁殖期になると、後頭部から2〜3本の細長い白色の冠羽が伸びています。
日本では、本州、四国、九州で繁殖する留鳥(1年中観察できる鳥のこと)です。繁殖期になると杉や松林に、地上から約4mの高さの枝に枯れ枝を巣材にして、シラサギと一緒にコロニーを作成、皿上の巣に3〜5個の卵を産み、その後、雌雄で抱卵し40日〜50日で巣立ちます。
この鳥は、夜行性で夕方から活動して、川、池等で魚やザリガニ、カエル等を主食としています。
鳴き声は、「グァーグァー」とやかましく鳴き交わし、夕暮れ時や夜明け頃になると、餌場の行き帰りに「ゴァーゴァー」と鳴きながら飛んでいきますが、夜間にカラスのような声を出して飛ぶこともありますので、別名「ヨガラス」とも言われています。皆さんも、この声をご自宅やリハセンターの上空でお聞きになったことと思います。
最後になりましたが、前段に記載したとおり、このゴイサギの五位と言う名の由来は、醍醐天皇が神泉苑の御宴の折に、空を飛んでいたサギが、勅令に従って舞い降りたのを称えて、五位の位を叙したところ、嬉しげに舞ったという故事に基づくもので、このことは、「平家物語」にも記載されています。