病院長就任挨拶 |
病院長 赤居正美 |
この度 4月1日付けを持ちまして国立身体障害者リハビリテーションセンター病院長に就任いたしました。ここに誌面を借りてご挨拶を申し上げます。
国立機関としての当センター自体も本年10月より、その名称から「身体」を除き、「国立身体障害者リハビリテーションセンター」と改称して、より幅広い障害者の自立支援を図る総合的な施設を目指しております。去る4月2日夕刻には職員の皆様方にお集まり頂き、就任挨拶とともに平成20年度の病院の基本方針についてもお話しさせて頂きました。繰り返しになりますが、その内容は以下の通りです。
当病院の基本的使命として、「通常の回復期リハビリテーション病院を目指すのではなく、障害者・高齢者のための新たな治療技術・福祉サービス開発の拠点、社会生活・就労を希望する訓練者の健康回復・維持・増進(ヘルス・プロモーション)のための機関」と捉えるというものです。
より具体的な方針には、2つの方向性を述べております。(1)財政面では、年間における運営庁費をはじめとする予算の動き執行方法についての開示に努め、病院備品費の執行ルールを確立し、CT、MRIに代表される高額医療機器購入のために方策を考えてゆきます。センター設立から一定の時間がたち、多くの必要な機材が更新時期を迎えていることも考慮しておかなければなりません。(2)人事面では、公務員定員削減の問題がありますが、これは国の大方針であり、避けて通ることは出来ません。各職員が専門領域での研鑽に努められ、専門家として他者からの高い評価を得られるように発表や論文執筆に邁進され、こうした活動を通じて新規事業の立ち上げを認めてもらい、削減された人数を補っていくといったことを考えなくてはなりません。
さらに平成20年度事業の中心には
・ 従来からの病院機能評価審査の詰めを行い、6月を目処に再審査申請とする。
・ 病院外来改装の実現(すでに設計図面は関東地方建設局に提出済み)、身体障害から認知障害までをカバーする大きなリハビリテーション科として一体運用する。
・ リスクマネージメント体制を整え、病院・更生訓練所における苦情やクレイム対応に当たる。メディエーターとして役割を担える人材を養成する。
などを設定しています。当然ながらセンターの他の部門との連携も重要です。たとえば、病院で毎月行っている患者さん対象の健康教室に、更生訓練所の入所生で該当する疾病をお持ちの方々が参加出来るように日程の調整を計ることが決まっております。
就任後、10箇所ほどの近隣の主要病院にご挨拶に回りましたが、公立昭和病院院長、所沢医師会会長がそれぞれ同級生ということが判りました。また先輩が病院長、センター長というところもありましたので、こうした関連も生かして、仕事の円滑化を図っていきたいと存じます。
昨今の我が国の医療状況はますます厳しさを増しておりますが、センター他部門との連携を保ちつつ診療や研究の充実・発展に取り組んでいく所存でございます。今後ともより一層のご協力とご支援をたまわりますよう、心からお願い申し上げます。