去る7月23日、小雨のぱらつく空模様の中、自立訓練利用者32名(機能訓練17名、生活訓練14名、発達障害モデル事業1名)はバス2台に分乗し、目的地である「道の駅あしがくぼ」(西武線芦ヶ久保駅近く)に向けてセンターを出発しました。
この野外訓練は視覚障害や肢体不自由の方を対象とする機能訓練と高次脳機能障害の方を対象とする生活訓練、それぞれの自立訓練利用者の皆さんが一緒になって、日常実施している訓練を離れ、手作り体験等を通して交流を深めるとともに、事前準備などで相互の協力を深めることを目的として実施しました。
道の駅あしがくぼまでの道中では、事前に利用者全員で話合いを重ねて企画をしたレクリエーションとして自己紹介ならぬ「他己紹介」、「ビンゴゲーム」などが行われました。ある方は他己紹介に録音再生機を使い、またある方は点字を打った手作りビンゴカードで参加し、障害を越え、全員が一緒になって楽しみ、またそれぞれに訓練成果を発揮する場面にもなりました。
現地に到着し、少し早い昼食となりましたが、秩父名物の手打ちそばと川魚の甘露煮の「あしがくぼ定食」をいただきました。ほっと和む味に、ほぼ全員が完食されていました。
昼食後は野外訓練のメインイベントである、陶芸、釣り、ガラス細工を各グループに分かれて体験していただきました。
陶芸は手びねりで、湯のみ、平皿、小鉢など指先の感触を頼りに、思い思いの形を作り上げました。1時間以上かけて粘土と向き合い、こだわりを見せる人もいました。焼き上がりは乾燥など含めて2ヶ月後。好みの釉薬の色も選び、どんな仕上がりになるのか楽しみです。
釣りは渓谷での竹竿釣りでした。前日まで降り続いた雨で当日は川の増水や足場のぬかるみなどが心配されましたが、現地に着くと、そんなことも気にならないほど魚を相手に盛り上がり、太公望気分の2時間でした。介助する職員にも釣りの経験のない人が多かったのですが、見事に全員がニジマス、ヤマメを釣り上げ、その場で塩焼きにしておいしくいただきました。
ガラス細工では、サンドブラストというガラス製のグラスや灰皿などの器に模様をつける体験をしました。型抜きしたテープをガラス表面に貼りつけ、コンプレッサーの力で砂を吹き付けると、スリガラス状の模様が浮かび上がります。指先で模様の凹凸が分かるので、触れても楽しめる作品を土産に持ち帰ることができました。
数回に渡り利用者の皆さんが話し合って企画した内容は大きなトラブルもなく概ね予定通りに終えることができました。普段の訓練の場を離れ、自然の中でリフレッシュするとともに、利用者、職員間の交流が深まった充実の一日でした。ご協力いただいた各部署の職員の皆様に改めて感謝し、お礼を申し上げます。
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