[はじめに]
最近、「身体が重たいな〜、それにお腹も出てきたような・・・」と感じていませんか?
その原因の多くが、体脂肪の増加です。この体脂肪は、皮下脂肪・内臓脂肪など「肥満」という言葉で耳にすると思います。肥満は、様々な病気を引き起こす要因となります。主な原因は、生活リズムの乱れ、過食、運動不足が挙げられます。この肥満を、解消する為には、食生活の改善、定期的な運動、規則正しい生活など、生活習慣の見直しが必要です。その中でも、運動は健康的に肥満を解消する方法です。その運動には、有酸素運動(にこにこペース)による脂肪燃焼、筋トレによる基礎代謝の向上が勧められています。しかし、有酸素運動は聞いたことあるけれど、筋トレで脂肪を燃やすと言われても、「本当かな?」と思いませんか。筋トレと聞いて、多くの方は、筋肉肥大、怪我の予防、機能の維持・向上と、「力をつける」ことを連想するのではないでしょうか。実は、筋トレには基礎代謝を上げて、脂肪を燃やしやすくする、もう一つの効果があるのです。
そこで、今回は、肥満予防と健康的な身体づくりの為に、だれでも出来る簡単な筋トレ方法をご紹介します。
[体脂肪はどうやって減らす?]
体脂肪が増える原因は、エネルギーのバランスが、消費<摂取に傾いた状態となり、消費されなかったエネルギーが、脂肪として蓄積されます。つまり、体脂肪を減らすには、消費エネルギーを増やすことが必要なのです。しかし、それは充分に分かっているけど、上手くいかないのが本音です。
[筋トレで消費UP!]
これまでは、有酸素運動を一日30分、一万歩あるきましょうなど、全身を動かすことが勧められてきました。もちろん、この有酸素運動も必要不可欠ですが、筋トレと合わせて行なうことで、さらに効果が上がるのです。
筋肉は、体温維持に必要な熱を発生させる重要な器官で、この熱生産は一日のエネルギー消費量の3〜4割を占めています。
基礎代謝とは、呼吸・体温維持など、じっとしていても、消費するエネルギーのことです。一日の代謝量の内、約70%は、基礎代謝が占めており、この内、約40%は筋肉による消費で、しかも、主に脂肪をエネルギー源としています。つまり筋トレで、筋肉をしっかりと動かすことで、基礎代謝が増え、より多くの脂肪がエネルギーとして消費されるのです。
さらに、筋トレの後には、筋肉の疲労回復や発達の為に、成長ホルモンが分泌されます。この成長ホルモンも、体の成長(骨・筋肉)を助けながら、体脂肪を分解する力も持っているのです。つまり、脂肪を燃やす手助けをしてくれるのです。
[それは筋肉をダマすこと!?]
そこで、早速、実践!と考えても、筋トレは重たい物を持ち上げるイメージが強く、「辛い・重たい・筋肉痛が・・・」と、ためらう方が多いと思います。そこでお勧めしたいのが、動作をゆっくりおこなう筋トレ法です。この方法は、筋肉をゆっくり収縮させるため、筋肉が血管を抑えた状態になり、筋肉に入ってくる血液の流れを制限します。すると、筋肉がハードなトレーニングをしていると勘違いを起こし、一生懸命に働こうとします。そのため、軽い負荷で行なっても、充分に効果が得られます。つまり、「筋トレはゆっくりやると効果的」なのです。
それでは、実践してみましょう!
[ペットボトルを使った、ゆっくり行なう筋トレの方法]
方法
▪ひとつひとつの動作をゆっくりと |
(3〜5秒かけて) |
▪回数は、5〜10回を1セットで、3セットを目標 |
(自分の出来る回数で) |
▪軽い負荷で、筋肉が軽く疲労する程度を目安に |
(少しきついと感じるぐらい) |
▪力を入れる時に息を吐き、もとの位置に戻す時に吸います |
(呼吸を意識しましょう) |
▪動作中は関節を過度に曲げたり、伸ばしたりしないように |
(出来る範囲で動かします) |
実践
鍛えたい筋肉:上腕二頭筋
実施方法:アームカール
用意する物:500mlのペットボトル
(水を入れて使います。水の量は体調によって調節しましょう)
気をつけること
○体調に合わせて実施しましょう
○使った身体は、休ませることが大事です。
○週に2回、1日5〜10回/1セットから、実施してみてはいかがでしょう。
参考文献
宮崎滋 「大人のカラダSTYLE」vol3 FYTTE7月号別冊 発行所:株式会社学研パブリッシング 2011年6月4日
石井直方 「一生太らない体のつくり方&スロトレ」 発行所:株式会社エクスナレッジ 2010年2月27日
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図:上腕二頭筋を鍛える方法 |