生活訓練では、主に高次脳機能障害がある方の生活能力が高められるように個々の状況に応じて訓練を行います。
高次脳機能障害になると、新しい環境下での単独移動が困難になる場合があります。
単独での移動が困難な場合、様々な代償手段の活用を検討します。安全に目的地まで単独移動ができるよう通所等の時間を利用して移動訓練を行っています。
今回は1症例を通して移動訓練について紹介します。
起点となる場所から目的地まで同行し、本人にとってポイントになる場所を確認します。視覚的に解りやすい様にポイントになる場所の写真を添付したり、ルートの説明も単文で解りやすい様にしたりするなど工夫してルート手順書の作製を行います。
実際の移動場面でルート手順書を使用して、確認しながら目的地まで移動します。新しい環境に慣れるまで時間を要する時は、繰り返し行うことで定着をはかります。
利用者がどこへ行くのか解らなくなる場合や行動の促しとして、携帯のメールやアラームで目的地等の確認を行います。
一度通所ルートが定着した場合でも、疲労等により、単独移動が安定しない時もあるので、定期的な通所ルートの確認が必要な場合もあります。
センター内部の研究所と共同して高次脳機能障害者に使用しやすい移動支援機器の研究も行っています。
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ルート手順書 |
ポイント場所の確認 |
携帯のメールやアラームで目的地の確認 |
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目的地到着 |