さる平成28年5月20日に機能訓練棟が完成しました。これは、伊東重度障害者センターの利用者を受け入れるため、平成26年度から旧病院新館及び画像診断棟を「訓練棟」及び「宿舎棟」に改修工事したものです。

(機能訓練棟外観)
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(機能訓練棟西):旧病院新館
4階 | 居室、談話室、浴室、洗濯室、トイレ |
3階 | 居室、支援ステーション、談話室、面接室、浴室、自立トイレ等 |
2階 | 居室、支援ステーション、静養室、面接室、洗濯室、介護浴室、介護トイレ等 |
1階 | 職能訓練室、理学療法室、食堂、利用者交流スペース、業務用洗濯室、給食準備室、事務室、警備員室、自動販売機コーナー等 |
(機能訓練棟東):旧画像診断棟
1階 | 作業療法室(訓練トイレ、訓練浴室、評価室、多目的室、工具室等) |
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機能訓練棟は、旧病院新館及び画像診断棟の既存建物を改修工事するということで、設計やレイアウト、予算面等で様々な制約がある中、一番留意したことは、重度の肢体不自由者である頸髄損傷者を中心に受け入れを行っていくため、①利用者が安心して生活・訓練ができる環境を整えること、②利用者に適切なサービス提供ができるように職員が活動しやすい環境を整備することでした。
そこで、頸髄損傷者のために工夫・配慮された設備をいくつか紹介します。
(1)居室 (電動リフター、電動ブラインド等完備)
| (2)トイレ ①チェアートイレ(電動リフター、電動ブラインド等完備)
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②ベッドトイレ (横になった状態でできるトイレ)
| ③高床式トイレ (便器が和式:長便座)
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(便器が洋式)
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(3)浴室
①介護浴室(両側から入浴できる機械浴)
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②高床式浴室
| (着替えもできる高床式浴室)
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③立位・端座位浴室
| (4)洗濯室 (扉が右開きと左開き)
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(5)洗面台
(一番右:高さ調整ができる洗面台)
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次に、第二自立訓練部の設立についてご紹介します。
平成28年7月1日伊東重度障害者センターを統合し、利用者にとって分かりやすく、利用しやすい障害福祉サービスを提供するため、自立支援局自立訓練部を、第一自立訓練部(視覚機能訓練課と生活訓練課)と第二自立訓練部(肢体機能訓練課)に再編し、2部3課体制としました。
つまり、第二自立訓練部は、重度障害者センターの機能を担う部署になります。
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(第一自立訓練部)
課 名 | 業務内容 |
視覚機能訓練課 | 視覚障害者を対象とした自立訓練(機能訓練)サービスを提供 |
生活訓練課 | 主に高次脳機能障害者を対象とした自立訓練(生活訓練)サービスを提供 |
(第二自立訓練部)
課 名 | 業務内容 |
肢体機能訓練課 | 主に頸髄損傷者を対象とした自立訓練(機能訓練)サービスを提供 |
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最後に、第二自立訓練部が頸髄損傷者に提供するサービス等について簡単に紹介します。
(1)医学的管理・介護
医師、看護師による医学的管理及び介護員による介護等自立に向けた支援を行う。
(2)理学療法(PT)
身体機能の維持・向上、各動作の獲得に向けた筋力増強、車椅子操作等の支援を行う。
(3)作業療法(OT)
日常生活全般における各動作(整容、着替え、排泄、入浴等)の獲得、関節可動域の拡大、自助具の作製等の支援を行う。
(4)運動療法(スポーツ)
スポーツを通じて身体機能及び体力の維持・向上、健康増進等の支援を行う。
(5)自動車訓練
自動車免許の新規取得や習熟訓練(改造した自動車の運転訓練)、免許更新や自動車購入の際の助言等の支援を行う。
(6)職能訓練(VT)
就職や復職に向けたパソコン訓練やQOL向上のためのインターネット、メールの操作等の支援を行う。
(7)生活支援
個々人の将来計画に応じた支援計画の作成や日常生活全般に関する各種相談、社会資源に関する情報提供等の支援を行う。
伊東重度障害者センターの統合に伴い、より質の高いサービスを効率的に提供しています。当センターの特徴として、同一敷地内に病院、就労移行支援サービスや自動車訓練室、国立職業リハビリテーションセンターが併設されていることから、「医療から職業訓練まで一貫したサービス提供ができ早期の社会参加」が実現できることです。
また、第二自立訓練部では、主に頸髄損傷者を受け入れ、個々人の状況や目標に応じて前述した各種サービスを組み合わせてサービス提供を行っています。
これからも頸髄損傷者に提供する福祉サービスを充実させ、頸髄損傷者の社会参加を推進して参りますので、各自治体、医療機関等関係者の方々におかれては、頸髄損傷者に対する周知・ご利用を希望される方に対してのご紹介について、ご協力をお願いします。