認知障害者を支援する携帯電話アプリケーションの研究開発
- 高次脳機能障害など認知機能に障害のある方を支援する携帯電話アプリケーションの研究開発を行っています。障害工学研究部が主体となり、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の国立職業リハビリテーションセンターと国立吉備高原職業リハビリテーションセンター、東京都立武蔵台特別支援学校(平成21年3月まで)、明電ソフトウエア株式会社と共同研究を行い、携帯電話アプリケーションを開発しました。この支援アプリには、記憶障害、注意障害、遂行機能障害などのある認知障害者を支援する機能として、手順支援機能、スケジュール機能、アラーム機能などがあります。
なお、支援アプリの研究開発の一部は財団法人テクノエイド協会の福祉用具研究開発事業の助成を受けて実施しました。
更新履歴
2016年09月15日 スマートフォン版に関する情報更新
2014年09月01日 スマートフォン版(Android)アプリのダウンロード開始
2011年03月23日 操作マニュアルのダウンロード開始
2010年08月23日 プレスリリース
2010年07月08日 一般公開
【携帯電話版アプリケーション】
(1)注意事項
- ご利用は無料
支援アプリ自体は無料でご試用頂くことができます。
今後の研究の推進や支援アプリの改良の際に参考にさせて頂きますので、ご試用後のご感想やご意見をお送りください。
メールアドレス memory-appli[ここにアットマークを入れる]rehab.go.jp
ファックス番号 04-2995-3132
担当の中山までご連絡ください。
- パケットの通信料
支援アプリの基本的な機能を利用する場合にはパケット通信は発生しません。
ただし、以下の機能を利用する場合にはパケット通信を行います(パケット数は目安です)。
支援アプリのダウンロード 約1538パケット
作業手順をつけたアラーム機能で登録先の連絡先に作業手順完了の連絡をする場合 1回につき 約7パケット
- 対応する携帯電話の機種
株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ社)の携帯電話に対応したiアプリです。
他の携帯電話(KDDI株式会社(au)やソフトバンクモバイル社等)には対応していません。
また、NTTドコモ社の全ての機種に対応しているわけではありません。
スマートフォンタイプの携帯電話やSDカードが利用できない携帯電話などでは利用できません。
詳細は動作確認機種をご参考ください。
- 支援アプリの利用方法と責任
支援アプリを利用することで様々な作業手順を携帯電話で編集、提示することができます。
編集する作業手順の内容やその利用方法に関しては利用者の自己責任でご利用をお願いします。
- 利用者の範囲
高次脳機能障害のある認知障害者にとって便利なツールとなるように作成しています。
しかし、高次脳機能障害者だけではなく、どのような障害のある人が利用いただいても問題ありません。
- 待ち受けアプリ
待ち受けアプリとしても設定可能です。
待ち受けアプリに設定した場合には他の待ち受けアプリや機能とバッティングを起こす可能性がありますのでご注意ください。
- スケジュール機能、アラーム機能の制限
支援アプリを立ち上げた状態か、あるいは、待ち受けアプリに設定した状態での待ち受け状態でないとスケジュール機能やアラーム機能は作動しません。ご注意ください。
- 携帯電話の電池の消耗
支援アプリを起動した状態のまま放置すると電池を早く消耗します。
待ち受けアプリに設定し、利用しない場合には待ち受け状態にしておくと電池の消耗を少なくできます。
- アラーム音や音声、動画の再生
マナーモードに設定した場合、音声が再生されませんのでご注意ください。
(2)支援アプリのダウンロードの手順
- ダウンロードサイトへアクセスする
携帯電話で支援アプリのダウンロードサイトへアクセスしてください。
ダウンロードサイトは下記のURLです。
携帯電話のURL: http://www.rehab.go.jp/ri/rehabeng/ninchiapp_jumpj.html
あるいは下記の2次元コード(QRコード)からアクセスしてください。
QRコードに対応したカメラ付携帯電話で読み取っていただければ簡単にアクセスできます。
- 「ご利用規約へ」を選択し決定ボタンを押す
利用規約および各種の注意事項を必ずお読みいただき、同意いただける場合は「1.同意する」を選択してください。
同意いただけない場合は「2.同意しない」を選択してください。
なお、同意いただけない場合には、支援アプリをご利用いただくことができません。
- 「ダウンロード」を選択し決定ボタンを押す
利用規約に同意いただいた場合にはダウンロードのページが開きます。
「ダウンロード」を選択し決定ボタンを押してください。
なお一部の携帯電話の機種では「音声再生対応機種」と「動画再生対応機種」のどちらかを選択することが可能です。
- 携帯電話の情報とmicroSDカードの利用確認をする
「このソフトは携帯電話の情報とmicroSDを利用します。ダウンロードしますか?」という画面表示が出ます。
ダウンロードする場合には決定ボタンを押してください。
「ダウンロード中です」というという画面表示が出ますのでしばらくお待ちください。
「ダウンロードが完了しました」というという画面表示が出ますので、決定ボタンを押してください
- ソフト動作の設定をする
「待ち受け画面の設定」と「通信の設定」を選択してください。
なお「待ち受け画面の設定」と「通信の設定」は後からでも変更可能です。
以上で支援アプリのダウンロードの手順は終了です。
(3)初回起動の方法
- 初回起動時の携帯電話の画面
データ編集画面が立ち上がり「データ読込み」のみ選択できるようになっています(図1)。
決定ボタンを押してください。
図1 初回起動時の携帯電話の画面の例(「データ読込み」のみ選択できるようになっている)
- データ読み込み中の携帯電話の画面
決定ボタンを押すと「データ読み込み中。しばらくお待ちください」という表示が出ます(図2)。
なお、携帯電話の機種によってはかなり時間がかかることがありますので予めご了解ください。
図2 データ読み込み中の携帯電話の画面の例
- 支援アプリ起動画面
データ読み込みが終了するとアプリケーションが起動します(図3)。
なお、携帯電話にSDカードが入っていない場合には、「カードを読み込むことができませんでした」という記載がでます。
SDカードを挿入して再度、試してください。
図3 支援アプリが起動した携帯電話の画面の例
以上で支援アプリのインストールは終了です。
(4)支援アプリの機能の概要
手順支援機能、スケジュール機能、アラーム機能の3つがメインとなる機能です。更にデータ編集できる機能もあります。
そのうち手順支援機能が支援アプリの最大の特色です。
- 手順支援機能
高次脳機能障害者などの認知機能に障害のある人の中には記憶障害、注意障害、遂行機能障害などが原因となって、作業の手順をなかなか覚えられなかったり、あるいはすぐに忘れてしまったり、作業の手順を飛ばしてしまったり、作業の最中に混乱してしまったりする人もいます。そのような認知機能に障害のある人に対して、支援アプリが手順を1ステップずつ表示することで作業の遂行を支援する機能です。手順表示の際、認知機能に障害のある人に対して分かりやすいように文字、メモ、写真、音声、動画などで表示することができます。また、操作がなるべく簡単になるように、決定ボタン(十字キーの真ん中のボタン)を押すだけで次の手順ステップに進むようになっています。支援アプリの最大の特徴は、この手順を携帯電話で編集もできるという点です。手順と言っても使い方は様々です。コピー機の操作の手順例、道順に応用した例を図4と図5にそれぞれ示します。利用者にとって実施したい作業内容は異なりますし、どのような提示の仕方が良いのか、どのくらい丁寧に提示すればよいのかなど利用者によって様々です。そのため、開発した支援アプリではこれらの手順を携帯電話で作成し、編集やカスタマイズできるようになっています。
図4 手順支援機能を利用している際の携帯電話画面の例(コピー機の操作)
図5 手順支援機能を利用している際の携帯電話画面の例(駅からの道順)
- スケジュール機能
開発した支援アプリは待ち受けアプリとしても利用できます。待ち受けアプリとして利用した場合には、スケジュール機能が利用できます。スケジュールを登録した時間帯になると立ち上がり、認知機能に障害のある方に何のスケジュールの時間帯なのか知らせます。その際、時間の把握が難しい認知障害者が分かりやすいように、残り時間を視覚的に分かるように青いバーで示すことができます。また、支援アプリの特色として作業手順と連動させることができます。すなわち、スケジュールを編集する際、作業手順を連動させるように登録すると、その登録した時間帯になると、登録した作業手順に相当する手順支援機能が立ち上がります。
図6 スケジュール機能を利用している際の携帯電話画面の例
- アラーム機能
待ち受けアプリとして利用した場合には、アラーム機能が利用できます。アラームを登録した時刻になると立ち上がり、認知機能に障害のある方になにをする時刻なのか知らせます。また、スケジュール機能と同様にアラーム機能も作業手順と連動させることができます。また、アラーム機能にオプション機能として、動作完了報告メール送信機能があります。アラーム機能で設定した時刻に支援アプリの利用者(認知機能に障害のある人)が支援アプリの手順支援機能を完了すると、登録したメールアドレス(ご家族などを想定)へ動作完了の報告メールが自動送信される機能です。
図7 アラーム機能を利用している際の携帯電話画面の例
- データ編集
支援アプリには携帯電話でデータ登録を行うための編集機能も備わっています。
図8が編集を行っている携帯電話の画面の例です。
図8 データの編集や登録を行っている携帯電話画面の例
(5)動作確認機種
- 動作確認テスト終了機種は以下のとおりです。
SH904i、N904i、F906i、SH-08A、SH-06A、F-04A、N-09A、F884i(らくらくホンプレミアム)
利用実績のある機種は以下の通りです。
F904i、P904i、F884iES(らくらくホン5)、F-10A(らくらくホン6)
2010年7月現在で販売中で利用ができない機種は以下の通りです。
らくらくホンシンプル
らくらくホンベーシック2
P-05A
L-04B
スマートフォンタイプの機種
-
- なお、動作確認は行っていませんが、その他の903シリーズ以降、703シリーズ以降の機種でSDカードとカメラ機能を有している標準タイプの機種でご利用いただけます。
上記に記載のない機種でご利用ができなかった機種あるいはご利用できた機種などの情報に関して、
- 窓口のメールアドレス
memory-appli[ここにアットマークを入れる]rehab.go.jp
までご連絡、ご報告頂ければ幸いです。
QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
(6)操作マニュアルのダウンロード
ninchiAPPmanualver1_1(PDFファイル、約2.9メガバイト)
【Androidスマートフォン版アプリケーション】
(1)注意事項
- ご利用は無料
支援アプリ自体は無料でご試用頂くことができます。
今後の研究の推進や支援アプリの改良の際に参考にさせて頂きますので、ご試用後のご感想やご意見をお送りください。
メールアドレス memory-appli[ここにアットマークを入れる]rehab.go.jp
ファックス番号 04-2995-3132
担当の中山までご連絡ください。
- パケットの通信料
支援アプリの基本的な機能を利用する場合にはパケット通信は発生しません。
ただし、支援アプリのダウンロードする際にパケット通信を行います。
- 対応するスマートフォンの機種
Androidスマートフォンに対応したアプリです。
他のスマートフォン(iPhoneやWindows Phone等)には対応していません。
また、Androidスマートフォンの全ての機種に対応しているわけではありません。
詳細は動作確認機種をご参考ください。
- 支援アプリの利用方法と責任
支援アプリを利用することで様々な作業手順をスマートフォンで編集、提示することができます。
編集する作業手順の内容やその利用方法に関しては利用者の自己責任でご利用をお願いします。
- 利用者の範囲
高次脳機能障害のある認知障害者にとって便利なツールとなるように作成しています。
しかし、高次脳機能障害者だけではなく、どのような障害のある人が利用いただいても問題ありません。
- SDカード
SDカードがない場合には正常に動作しません。
(2)スマートフォン版アプリのインストール方法
- 提供元不明アプリのインストールを許可
一時的に「設定」→「ロックとセキュリティ」などから提供元不明アプリのインストールを許可してください。
なお、アプリのインストール完了後に設定を元に戻すことをお勧めします。
- ダウンロードサイトへアクセスする
スマートフォンで支援アプリのダウンロードサイトへアクセスしてください。
ダウンロードサイトは下記のURLです。
URL: http://www.rehab.go.jp/ri/rehabeng/ninchiapp_jumpj.html
あるいは下記の2次元コード(QRコード)からアクセスしてください。
QRコードに対応したスマートフォンアプリで読み取っていただければ簡単にアクセスできます。
- 「ご利用規約へ」を選択し決定ボタンを押す
利用規約および各種の注意事項を必ずお読みいただき、同意いただける場合は「1.同意する」を選択してください。
同意いただけない場合は「2.同意しない」を選択してください。
なお、同意いただけない場合には、支援アプリをご利用いただくことができません。
4.
「ダウンロード」を選択し決定ボタンを押す
利用規約に同意いただいた場合にはダウンロードのページが開きます。
「ダウンロード」を選択し決定ボタンを押してください。「MemoryAssist.apk」というファイルがダウンロードされます。
- 「MemoryAssist.apk」をインストール
ダウンロードした「MemoryAssist.apk」をスマートフォンにインストールしてください。ダウンロードしたファイル一覧から「MemoryAssist.apk」をタップするとインストールが開始されます。
以上でスマートフォン版支援アプリのインストールの手順は終了です。
なお、アプリのインストール完了後、「提供元不明アプリのインストールを許可しない」に設定を戻すことを強くお勧めします。
(4)スマートフォン版アプリの機能の概要
スマートフォン版アプリは携帯電話版アプリと同様の機能を有しており、手順支援機能、スケジュール機能、アラーム機能の3つがメインとなる機能です。更にデータ編集できる機能もあります。
詳細は「(6)スマートフォン版アプリの操作マニュアルのダウンロード」からマニュアルをダウンロードして参照してください。
(5)スマートフォン版アプリの動作確認機種
動作確認テスト終了機種は以下のとおりです。
【docomo】
SH-01G,SH-02G,F-02G,SO-02G,SC-04F,SC-01G
【au】
SHL24,SOL26,KYL23,SCL24,LGL24,HTL23
【SoftBank】
402SH,401SO,DIGNO U
404KC,DM016SH
【Disney
mobile】
DM016SH
【Y!mobile】
DIGNO C 404KC
※iPhoneには対応していません
(6)スマートフォン版アプリの操作マニュアルのダウンロード
MemoryAssistLight_Smartphone_manual(PDFファイル、約2.0メガバイト)