令和2年度(第29回)あん摩マッサージ指圧師、
はり師、きゅう師国家試験の結果について

自立支援局 理療教育・就労支援部 理療教育課

 

 自立支援局で行っている就労移行支援(養成施設)は、学校教育法に基づく専修学校として、職業教育・専門的な技術教育を行う教育機関としての側面とともに、障害者総合支援法に基づく指定障害者支援施設という側面を併せ持ち、教育と福祉の両輪により利用者の自立と就労を一体的に支援する体制を構築し、視覚に障害を有する者に対してあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師(以下「あはき師」という。)の資格取得と、これを生かした就労・開業に向けた支援を実践しています。

 資格を取得するためには、3年(専門課程)または5年(高等課程)の修学により、必要な知識・技能を修得し、毎年2月に行われるあはき師国家試験に合格することが必要となります。

 令和3年2月27日・28日に第29回あはき師の国家試験が実施され、同年3月26日に合格発表がありましたので、結果について報告いたします。

 国家試験の結果の詳細は、表1に示すとおりで、所沢の専門課程現役受験者の合格率は、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師ともに100%、自立支援局全体としてもあん摩マッサージ指圧師100%、はり師83.3%、きゅう師72.2%というここ10年では最も良い結果を収めることができました。

 公益財団法人東洋療法研修試験財団では、あはき師国家試験の出題基準について検討会を立ち上げ、「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」の改正を踏まえて審議し報告書を取りまとめ、今回から出題数があん摩マッサージ指圧師試験ではこれまでの150問から160問に、はり師、きゅう師試験では160問から180問にそれぞれ増え、また試験時間も長くなりました。

 このような状況に加え、今回はコロナ禍の中での受験となりましたが、利用者、職員双方が例年以上に緊張感をもって限られた時間を有効に活用できるような受験対策を実施できたこと、所沢センターでは、感染リスクを軽減させることも考慮したオンライン授業を実施し、高い出席率を確保できたことが今回の結果に繋がったと考えています。

 来年の第30回国家試験からは出題基準も完全に改められることから、自立支援局では、今回の結果を踏まえ、より円滑に受験できるよう支援するとともに、利用開始時からの中長期的な受験対策を検討することを、今年度の運営方針の1つとして定めたところです。

 また、コロナ禍によって就労についての環境も大きく変化してきていることを意識した支援についても併せて実施するとともに、卒業生にご協力いただきながら、卒後研修会、卒後特別研修会等、必要な後支援の充実を図っていきます。

 今後も国家試験合格率の維持・向上を図るべく、利用者個々の課題に応じた対応を工夫しながら支援を実践していくとともに、後支援を含め就労に向けた支援の充実を図り、より一層のサービス向上に努めて参ります。

表1 試験結果(自立支援局 現役受験者)

  あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師
専門課程 受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
(人) (人) (%) (人) (人) (%) (人) (人) (%)
 所沢 5 5 100.0% 5 5 100.0% 5 5 100.0%
 函館 4 4 100.0% 3 3 100.0% 3 1 33.3%
 神戸 3 3 100.0% 3 3 100.0% 3 3 100.0%
 福岡 7 7 100.0% 7 4 57.1% 7 4 57.1%
19 19 100.0% 18 15 83.3% 18 13 72.2%
          
高等課程
所沢
1 1 100.0% 1 0 0.0% 1 0 0.0%

<参考> 全国視覚障害者合格状況 (東洋療法研修試験財団 学校別合格状況 参照)

  あん摩マッサージ指圧師 はり師 きゅう師
受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率 受験者数 合格者数 合格率
(人) (人) (%) (人) (人) (%) (人) (人) (%)
 総数 325 233 71.7% 238 144 60.5% 234 145 62.0%
 現役 246 219 89.0% 162 135 83.3% 162 134 82.7%
 既卒 79 14 17.7% 76 9 11.8% 72 11 15.3%