令和3年度理療教育学校評価(自己評価)実施結果
 
   ※ 各項目に対する総合評価の基準   4:できている    3:ほぼできている   2:ややできていない   1:できていない
分 野 評価項目 総合
評価
各センターの状況(コメント)
函館 所沢 神戸 福岡
教育理念・目的 1 自立支援局の基本理念や養成施設の教育目標、目的が定められている 4 適切に定められているが、自立支援局の基本理念に重ねて、理療教育に特化した教育理念が策定されるよう、働きかけたい。 自立支援局の基本理念や養成施設の教育目標、目的を定め、HP等に掲載し、対応している。より具体的な教育目標、目的については、他センターととともに、引き続き検討する。 自立支援局の基本理念や目標・目的は整備されており、適切に対応できている。なお、理療教育の教育目標や目的については、引き続き検討を行っていく。 適切に対応できており、引き続き、積極的に取り組みたい。また、今後は、理療教育の教育理念、教育目標、養成の方針などについても検討が必要と考えられる。
施設運営 2 中期目標等に沿った運営方針が策定されている 4 運営方針に沿った組織目標に加えて函館センター独自の重点事項を合わせて計画的に取り組み、特にICTを活用した教育活動を随所に展開させることができた。また、コミュニケーションの向上に向けた取り組みを強化、職員間、職員と利用者の相互理解のための対話づくりを目指し畑づくりのクラブを運営したところ、交流の成果として利用者からの提案による全所的な行事の開催に結びついた。来年度は、卒後教育につながる学習環境の向上を目指して地域交流へと展開する予定である。
評価項目7については、函館センター公式SNS等を活用し教育活動の新たな取り組みを取り上げ情報発信を行った。
今年度は第3者評価を受け、結果をホームページ上で公表している。
運営方針や組織目標及び目標達成に向けた年間事業計画に基づいて事業を遂行している。また、運営については、定期的に利用者支援に係る会議を重ねて、組織的な意思決定がなされている。
評価項目7については、HP上に公開後3年目となる授業計画書(シラバス)の改善にも着手、質的な向上も一部に見られる。
評価項目8については、ICT活用による業務の効率化が図られているものの、統合ネットワーク上の業務の遂行にあたり、特に視覚障害を有する教官から使い勝手の悪さが指摘されてきている。令和4年度中のシステムのリニューアルに向けて、視覚障害をもつ教官の参加のもと、アクセシビリティやシステム仕様について、次期システム開発業者と意見交換をして、一定の合意を得た。
組織目標に沿って作成した事業計画重点事項により、年間をとおして適切に業務を実施している。
利用者支援に関する定期的な会議の実施や利用者個々に関する担当者間の話し合いを随時行うなど、課題の解決には迅速に対応している。
公務員として法令に基づく服務の遵守も適切に実施している。
教育活動に関する情報発信などは、必要と思われるものを、随時HP上に掲載し対応している。
PCの利活用については、回線の容量を増加するなどの対策を行ったが、特に音声ユーザー使用時の不具合は解消されず、業務の効率化に向け、今後も引き続き改善していく。
年度当初に、自立支援局の運営方針及び組織目標に基づく業務運営重点事項を設定し、取り組んでおり、概ね達成されている。評価項目7については、HPの掲載記事の更新方法を見直した。評価項目8については、情報共有サーバー内の動画コンテンツの活用が図られたものの、業務用PC環境の整備等、引き続き改善を要する面があると考えられる。
なお、今年度、第三者評価を受審し、結果をホームページ上で公開している。
3 運営方針に沿った組織目標が策定されている 4
4 組織目標に添った具体的な事業計画が策定され、確実に取り組まれている。 4
5 施設運営や利用者支援に係る会議などの意思決定システムが整備されている 4
6 医療従事者の教育に携わる国家公務員として国家公務員倫理法に基づく職務の遵守が適正になされている 4
7 教育活動等に関する情報発信や情報開示(情報公開法に基づく対応等)が適切になされている 4
8 パソコンや情報共有サーバー等の利活用による業務の効率化が図られている 4
教育活動 9 学科等のカリキュラムが体系的に編成されている 4 評価項目10については、昨年度の学校評価で教官の実技指導力の向上が課題となったことから、今年度は、利用者との放課後の実技練習会を通し、向上の機会とした。来年度は、教官による臨床研修の強化を図る予定である。
評価項目14、15については、教官の指導力向上の一環として、話しを短時間でまとめるスピーチの実践研修を通して、3分間で伝える動画講義を作成し利用者評価を行った。また、カリキュラム改訂による教育内容の変更への対応として、教官オリジナルの模擬試験問題を作成に当たり、試験問題作成検討会を定期的に開催し、症例問題の精査と新出題傾向への対応を図った。来年度の重点事項として教材作成について取り上げ、文字情報における教材作成の留意点やわかりやすい教材のモデルを検討する。
評価項目16については、教官全員が各自の年間研修・計画の実践に取り組み、3月の所内発表会で報告、更にセンター運営の助言を得るための自立支援推進委員会にて、全員が各自のテーマを報告した。
教育活動については、「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」等に従い、カリキュラム編成、実践的な職業教育(実技・実習等)、単位認定、進級・卒業判定の基準を明確に定めて実施されている。
また、資格取得に向けた利用者の学習理解度に応じた補習や個別指導、就業に向けた施術所見学や進路支援講座等を計画、実施している(コロナ禍により一部オンラインを活用)。さらに、視覚障害等利用者の特性に配慮した指導力向上のための教官研修会等を実施している。
評価項目14、15については、視覚障害に限らず、発達障害、自閉症スペクトラム、高次脳機能障害、さらに精神疾患を有する利用者への多様な支援の充実を求める声があり、利用者への新たな支援方法のための資質向上の指摘の声があがった。遠隔教育実施のためのICT技能研修とともに今後検討、充実させたい。
評価項目16の業務報告会は、自立支援局長参加のもと、3月に開催された。
教育活動については、統一されたカリキュラム及び進級や卒業の基準等を規程や細則により明確にし、就業に向けた教育を実施している。
オンライン授業の実施に向けた準備や機器の整備を行い、実施できる体制を整えた。
また、研修会などを、オンラインによりリアルタイムで配信したり、当日参加できない方へは、録画したものをDVDにより送付するなど、積極的に取り組んだ。
資格取得に向けた、個別補習の実施や、受験対策など計画的に実施した。
また、年度末の通常授業終了後に、実際に科目を担当した教官ではなく、別の教官が補習を担当することにより、違う視点から理解を深めることを目的とした、新たな取り組みを行った。
重複障害を有する利用者への対応など、障害特性に配慮した支援のため、実技科目におけるダブルティーチングの実施や、特別指導教官を中心とした検討を随時実施している。
課内教官研修会を実施し、教官の指導力の向上に努めた。利用者アンケートの結果を踏まえた授業改善を行った。
理療教育活動について、施術者としての知識、技術、態度面のバランスに長けた利用者の教育を目指したカリキュラム、教育、受験対策が、概ね実現されている。ただし、評価項目14、利用者の障害特性に対する合理的配慮については、一層の検討と実行が必要と考えられ、引き続き、組織的に検討する。
評価項目15については、利用者数名のオンライン授業の実施に伴い、遠隔教育充実のためのICT技能研修会を実施した。
評価項目16について、当センター全体の業務報告会はコロナ禍を理由に中止されたが、課の会議時間を利用して報告会を実施した。
10 実践的な職業教育(実技・実習等)が体系的に位置づけられている 4
11 単位認定、進級・卒業判定の基準が明確になっている 4
12 資格取得等に関する指導体制が整備されている 4
13 就業を支援するための取組(施術所見学や講座等)が行われている 4
14 利用者の障害特性に配慮した授業等を行うことができる資質を備えた教官を確保している 4
15 教官の指導力育成など資質向上のための取組が行われている 4
16 業務報告会等を通じて自身の実績を発信する機会が確保されている。 4
学修成果 17 あはき師国家試験合格率の維持・向上が図られている 4 早期からの受験対策として1年次から計画的に行われている。個々の状況に応じた、日々の学習課題の提供並びに実力試験とその結果に基づいた長期休暇中の補習により学習上の弱点について強化を行っている。第30回国家試験では現役受験生全員が合格することができた。 コロナ禍の影響を受けたものの、第30回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験において、1名を除く現役受験者が受験したすべての試験に合格することができた(あん摩マッサージ指圧師92.9%、はり師、きゅう師100%)。 入所時から国家試験を見据えた支援(新たな出題形式に対応した模擬試験や受験対策補習の実施等)により対応している。
第30回あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師国家試験では、目標の達成には至らなかなかったが、引き続き合格率の維持・向上に努めていく。
組織目標に基づき、8割以上の現役受験生が1つ以上合格の達成を実現している。引き続き、合格率の維持・向上に努める。また、早期からの受験対策として、受験科目に関する意識調査と到達度チェック試験を新たに受験対策として位置づけ実施した。
利用者支援 18 進路・就職に関する支援体制が整備されている 4 適切に支援体制が整備されている。利用方法や手続きに関する情報提供の機会を意識して設けている。
ICT支援体制の整備として、利用者全員がWeb会議システムを使えるよう支援しており、今年度は、進路に関する企業説明会にオンラインで参加した。卒業生への情報発信については、HPからメーリングリストを用いた情報発信に転換した。
進路・就職に対する支援(就労相談室)、利用者相談(総合支援課)、健康管理に関する体制(医務課健康管理室)が整備されており、教官は、関係各課と連携・協力しながら利用者支援を提供している。また、今年度はコロナ禍により中止を余儀なくされたが、卒後研修会や卒後特別研修会、職種別の講座等の卒業生に対する支援も今後は再開の予定。 理療指導専門職を中心に、進路・就労に向けた体制や利用者からの相談への対応も確立されており、相談対応マニュアルも整備中である。
また、利用者の定期的な健康診断や予防接種、毎朝体調チェックを実施している。
卒業生へは、卒後研修会の実施や就労や自立した生活に向けた後支援を実施している。
組織目標に基づき、講座、見学、相談活動の強化について、関係部署と連携の上、推進している。評価項目21については、コロナ禍により研修会は中止を余儀なくされたが、個別の就労支援は実施している。また、卒後研修会や卒後特別研修会、卒後巡回指導の他、メールマガジン配信等の卒業生に対する支援体制を整備している。
19 利用者相談に関する体制が整備されている 4
20 利用者の健康管理を担う組織体制がある 4
21 卒業生への支援体制がある 4
教育環境 22 施設・設備は、教育上の必要性に対応できるよう整備されている 4 函館地域も夏場の30度越えが恒常的となりエアコンの設置が急務であるが、利用者の宿舎、基礎医学教室、職員の事務室など、整備が及んでいない箇所が残っている。ICT教育推進のため、パソコン、タブレットのほか、利用者個々の見え方に応じた機器を追加し、更に整備する予定である。また、通信環境の改善に向けた対応が課題となっている。
評価項目24については、マニュアル等に関する教官の理解度の向上を目指し、来年度は教官が指導上リスクを感じている施術操作場面について取り上げ、対応策を検討する。
教育環境は「あん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師に係る学校養成施設認定規則」等に則り、整備されている。また、組織目標に基づいて、見学実習や職場見学を計画的に実施するとともに、避難訓練を定期的に行っている。実技・実習における事故防止のために各種マニュアル等を作成するとともに、インシデントやアクシデントの迅速な対応と再発防止のための情報共有の他、施設賠償責任保険に加入している。
評価項目26の重複障害のある利用者の支援は、特別指導教官を中心に具体的な計画を立てて実施している(なお、次年度にさらに特別指導教官1名が配置されることになった)。
教育に必要な設備等は整備されているが、建物などの老朽化による雨漏等には、その都度対応を行っている。
また、必要に応じて防犯・防災委員会をはじめ、各種委員会を開催して、施設全体の安全管理に向けた検討を行っている。
利用者への安全な支援実施のため、インシデントを報告し共有することによる再発防止や、ダブルティーチング、実習助手を配置した授業の実施、賠償責任保険への加入や、特別指導教官による、利用者個々の特性に適した支援も継続して実施している。
概ね適切に整備している。評価項目 22、利用者支援上の端末が経年劣化のため、PC7台(臨床室)を更新した。予算上の問題はあるものの、調整の上、引き続き更新の促進を図りたい。
23 見学実習、職場見学等の教育体制を整備している 4
24 実技・実習における事故防止予防対策・事故対応に関する体制等が整備されている 4
25 防災に対する体制が整備されている 4
26 利用者の安全管理のための取組等(施設賠償責任保険等への加入、重複障害のある利用者への支援など)が行われている 4
利用者の募集・受入れ 27 市町村役場、ハローワーク等、関連する機関に対する情報提供等が行われている 4 新型コロナウイルス感染症の拡大により、現地を直接訪問する募集活動は計画通りの実施が困難であったが、SNSを活用した情報発信を積極的に行った。
評価項目28については、卒業生と共に、あはきの魅力を伝えるプロモーションビデオの制作を予定している。
利用者募集活動は、担当課と連携を図り、関係機関に様々な形式で計画的かつ積極的なサービス内容の広報に努めているが、昨年度に引き続き、コロナ禍による制約が生じた。新たな方法として、YouTube(機関限定公開)による事業公開を計画、年度末までに公開した。また、利用希望者に対して、適正な利用者選考を実施するとともに、利用相談から申込み、結果通知、受入れ等、円滑、適正に対応している。 昨年度同様、訪問による募集活動はできなかったが、以前訪問していた関係機関などへの、パンフレット送付や、電話連絡などにより、対象者の有無など状況の確認を行った。
利用相談や見学は随時受け付け、利用選考も適切に実施した。
募集、受入れの体制整備はしているものの、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、評価項目28、対面での利用者募集活動が実施できず、書面、電話等での活動に留まった。なお、利用者選考については、年3回適正に実施した。評価項目27については、関連する機関への情報提供として、オンラインを活用した情報発信を開始した。
28 利用者募集活動を実施し、利用者選考は適正に行われている 4
法令等の遵守 29 医療従事者の教育に携わる国家公務員として関係法令を遵守した運営がなされている 4 法令等の遵守については定期的に研修を受講し基本事項を繰り返し確認している。個人情報の紙媒体については、鍵のかかるキャビネット保管を強化している。 医療従事者の教育に携わる国家公務員として、国家公務員法や人事院規則等、あはき関係法令及び専修学校関係法令等を遵守している。また、e-Learningによる国家公務員倫理、個人情報保護の研修等も実施している。 公務員としての法令遵守は、研修を受講するなど、適切に対応できている。
また、個人情報の管理については、研修の受講や書類の保管方法の徹底等により対応している。
法令遵守の下、適切な運営、運用がなされていると考えられる。成績表等、個人情報を取り扱う業務においては、外部との接続ができないPCを使用している。
30 個人情報に関し、その保護のための対策がとられている 4
社会貢献・地域貢献 31 センターの教育資源や施設を活用した社会貢献・地域貢献を行っている 4 オンライン講座へ切り替えながら、あはき振興を意識した市民公開講座を実施した。今年度、センターが蓄積してきた教育資源を社会の課題解決に向けて活用するという趣旨で、教育機関(大学)と正式な連携協定を締結し、社会連携活動が始まった。また、事業公開については来年度からオンラインによる形式で計画する。 コロナ禍の影響も大きく受けたものの、所沢市と連携した市内小中学生への障害者スポーツの紹介、DVD提供による点訳ボランティア養成講習会の開催、YouTubeによる事業公開やリハ並木祭のオンライン開催等により施設機能の提供・紹介を図り、社会貢献・地域貢献に取り組んだ。 オープンキャンパスや見学説明会により、センターで実施している事業内容の紹介及び見学、機器などの体験をしていただいた。
また、地域の方を対象とした公開講座の開催や、公職選挙時に施設の一部を投票所として開放するなど、地域貢献を行っている。
平常から社会・地域貢献に務めている。評価項目31、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、国の措置に応じて、一定期間、施設の貸出を停止するため、制限の中での対応となっている。事業公開については、訓練公開(オンライン形式)とEyeあいフェスタ(一部オンライン形式)を実施した。
32 地域や関係機関に対する事業の公開等を行っている 4