第3回進路別卒後研修会
(ヘルスキーパー従事者卒後研修会)実施報告

日時:平成29年2月11日(土)13時00分~16時00分
講師:にしむら治療院 院長 西村公典 氏
テーマ:「仙腸関節と仙骨部への触診法(総括)」

 平成28年度 第3回進路別卒後研修会(ヘルスキーパー従事者卒後研修会)が訓練棟2階、第5実技室及び6実技室で行われました。
 この研修会は、当センター理療教育の各課程を卒業、修了し、企業内ヘルスキーパーとして勤務する方に対し、施術に関する知識、技能の向上を図り、職場への定着を確実なものにするため、毎年3回実施しております。当日は14名の方が参加されました。
 今回は3回シリーズの最後ということもあり、第1回、第2回に引き続き、仙腸関節と仙骨部の触診法の総括という内容で、骨盤の模型を使い、骨盤と大腿骨の動きを観察し、触診の方法を教えていただきました。参加者はペアを組み、お互いの骨盤部の動きを観察しました。講師の先生は一人一人へ丁寧に御指導下さいました。
 参加者からは、大変充実した研修会であり、今回の研修会で得た技術をヘルスキーパーでの施術に取り入れていきたいとの感想が聞かれました。


第3回進路別卒後研修会
(特別養護老人ホーム勤務者卒後研修会)実施報告

日時:平成28年11月20日(日) 13時~16時
講師:元社会福祉法人 浴風会 特別養護老人ホーム「第2南陽園」
機能訓練指導員 北岡 修一 氏
テーマ:「特養勤務19年間を振り返って」

 平成28年度 第3回進路別卒後研修会(特別養護老人ホーム勤務者卒後研修会)が訓練棟2階、視聴覚教室で行われました。
 この研修会は当センター理療教育の各課程を卒業、修了し、特別養護老人ホームに機能訓練指導員として勤務する方に対し、施術に関する知識、技能の向上を図り、職場への定着を確実なものにするため、毎年3回実施しております。当日は16名の方が参加されました。
 前半は、講師の北岡氏に「特養勤務19年間を振り返って」と題する講演をしていただきました。利用者がしだいに重度化し、マッサージ・機能訓練だけでなく、食事の介助や車いすの整備などの多様な仕事をせざるを得なくなってきた厳しい現状が語られました。
 後半では、参加者からは、介護用のソフトウエアが音声対応しておらず、全盲者にはキーボードでの入力ができないこと、看護師や理学療法士などの他職種との連携の重要性と難しさ、介護職員をいくら募集しても来ず、仕事が多岐になり忙しくなっていること等、職場の実態や悩みを挙げられ、北岡氏が適宜助言されました。
参加者の各々の悩みが助言で解消し、明日から自信を持って仕事ができそうだと語る人もおり、大変有意義な研修会となったと思います。


平成28年度 進路支援講座実施報告

 去る11月、理療教育・就労支援部理療教育課において、進路支援講座を開催しました。当講座は、就労に向けた動機づけと、知識及び技術を得る機会を支援することを目的としています。今回は、二つのテーマで講座を開催しました。一つ目は、治療院開業及び勤務を意識した講座で、二つ目は、医療接遇をテーマにした講座です。

第1回『テーマ:治療院における施術と中医学』
日 程:基礎編 平成28年11月 4日(金)
応用編 平成28年11月18日(金)
対 象:高等4年 専門2年
講 師:嶋治療院 院長 嶋 正明 氏

第2回『テーマ:医療人として医療接遇を学ぶこととは』
日 程:平成28年11月11日(金)
対 象:高等2年 専門2年
講 師:シリウス鍼灸院 院長 梶間 美智子 氏 (元日本航空客室乗務員・指導教官)

 治療院における施術と中医学の講座では、利用者の皆さんは、次年度から始まる臨床実習にて、実習協力者である外来の患者様を施術することから、施術方法や進路への関心も高く、講師の嶋先生の熱意あるご講演に熱心に耳を傾け実習に取組んでいました。


 医療接遇の講座では、利用者の皆さんは、白衣を着用し参加しました。身だしなみ、言葉遣い等、接遇の基本を学び、姿勢、おじぎ、口角(笑顔)の上げ方等々、個性を活かした接遇を講師の梶間先生よりご指導いただきました。参加者の皆さんは、講座を受けた翌日には、日常の挨拶から早速実践していました。

写真1:第1回『テーマ 治療院における施術と中医学』の講座風景

第1回『テーマ 治療院における施術と中医学』の講座風景


写真2:第2回『テーマ 医療人として医療接遇を学ぶこととは』の講座風景

第2回『テーマ 医療人として医療接遇を学ぶこととは』の講座風景




第2回進路別卒後研修会
(ヘルスキーパー従事者研修会)実施報告

日時: 平成28年10月15日(土)13時00分 ~ 16時00分
講師: にしむら治療院院長 西村公典 氏
テーマ: 「仙腸関節と仙骨部の触診と検査法」

 10月15日(土)13時から、7月の第1回に続いて、にしむら治療院院長西村公典先生をお招きし、研修会を訓練棟2階、第6実技室で行いました。
 この研修会は、当センター理療教育の各課程を卒業、修了し、企業内ヘルスキーパーとして勤務する方に対し、施術に関する知識、技能の向上を図り、職場への定着を確実なものにするため、毎年3回実施しております。当日は18名の方が参加されました。
 今回は「仙腸関節と仙骨部の触診と検査法」というテーマで、モデル患者の下肢の動きが悪い場合の仙骨部の微妙な動きを観察し、わずかな操作を加えて下肢の動きを改善するといったことを教えていただきました。
 参加者はペアを組み、お互いの動きを観察しながら熱心に取り組み、講師の先生からは一人一人に丁寧に御指導をいただきました。


平成28年度 卒後研修会・東光会学術大会実施報告

 当センターでは卒後支援の一環として東光会(同窓会)との共催で毎年10月に卒後研修会・東光会学術大会を開催しております。
 今年度も、当センターを会場として、平成28年度卒後研修会・東光会学術大会が開催されました。
 この研修会は、今回で30回を迎えました。今回は前半、後半ともに公開実技で理療技術を広く深く学ぼうと企画しました。前半の公開実技Ⅰは「頸肩部の疼痛疾患に対するあん摩技法」、後半の公開実技Ⅱは「腰部・下肢の疼痛疾患に対するあん摩技法」をテーマに講師からの実技指導を受けました。
 参加者は、手の当て方や力の入れ方などを反復練習し、一つでも多くの技術を得て帰ろうと熱心に取り組んでいました。講師の先生方には、視覚障害のある参加者に対して、口頭での説明や参加者の手を取って指導してくださるなど懇切丁寧なご指導をいただきました。

1 日 時
平成28年10月1日(土)10:30~17:30

2 会 場
国立障害者リハビリテーションセンター
訓練棟2階実技室及び視聴覚教室

3 参加者
卒業・修了生 37名
内訳:東京視力 4名
塩原視力 4名
リハセンター 29名

4 テーマ
「医療機関で行われているあん摩技法」-外来患者に多い症例を中心に-

5 講 師
社会医療法人社団 三思会
とうめいAtsugiはりきゅうマッサージ
施設長 長谷川 尚哉 先生
吉 田 聖 崇 先生
鈴 木 洋 子 先生

第2回進路別卒後研修会
(特別養護老人ホーム勤務者卒後研修会)実施報告

日時: 平成28年8月21日(日) 13時30分~16時30分
講師: 国立障害者リハビリテーションセンター
理療教育課 飯塚 尚人 教官
テーマ: 「テーピングの考え方と湿布の貼り方」

 平成28年度第2回進路別卒後研修会(特別養護老人ホーム勤務者卒後研修会)が訓練棟2階視聴覚室及び第6実技室で行われました。
 この研修会は当センター理療教育の各課程を卒業、修了し、特別養護老人ホームに機 能訓練指導員として勤務する方に対し、施術に関する知識、技能の向上を図り、職場への定着を確実なものにするため、年3回実施しております。当日の参加者は13名でした。
 今回のテーマは、「テーピングの考え方と湿布の貼り方」で、当センター理療教育課の飯塚尚人教官を講師として実施しました。
 当日は、テーピングの意義を説明し、日常生活で遭遇する、多くの疼痛予防にテーピングの応用方法や、日常の生活動作の中でどのように活用すべきか概念を講義された後、職場で機能訓練を受ける参加者に対し、どのように湿布薬などを貼れば良いかをアドバイスする形で御指導していただきました。各種ケースを例にし、実技室で一人一人、姿勢を真似しながら、湿布の貼り方を手取り足取りで体験していました。
 参加者は、飯塚教官の講義を受けられるということで、昔が懐かしいと懐古しながら、熱心に聞き入っていました

写真:湿布の貼り方を指導している飯塚教官

湿布の貼り方を指導している飯塚教官


平成28年度 国立障害者リハビリテーションセンター
自立支援局教官研修会 実施報告

今般、自立支援局主催、各センター研修担当者の企画・立案により、教官研修会を実施しました。
本研修会は、一昨年度まで実施されていた自立支援局教官研修会(教科教育研修会、実践教育研修会)と、教官特別研修会を一本化して、更なる充実を図ることとして企画されたものです。開催期間は、昨年より1日多い4日間とし、理療教育に携わる教官の指導技術の向上及び業務遂行上必要な幅広い知識の習得を目的として実施いたしました。
メインテーマは、「理療教育が直面する課題の解決に向けて」とし、全国4センターの教官が交流を持ちつつ、講演、シンポジウム、各センターの取組発表、活動報告に積極的に参加しました。
今年度は、1日目の職員の服務と倫理に関する講演から始まり、2日目の障害者差別解消法や改正雇用促進法で定める合理的配慮に関する講演では、合理的配慮の具体的な事例が紹介され日々の支援に役立つ内容が話されました。
2日目午後のシンポジウムでは、施術者に期待する要件について、施術者を雇用する側の視点から活発な意見が出されました。
3日目には、実技授業に関連した個別支援をテーマとして各センターの取り組みに関する発表が行われた他、情報提供として、女性利用者を理療教育に受け入れるための実技上の配慮事項と学習環境について、各センターの先生方と情報共有することができました。
最終日の4日目には、理療教育界を取り巻く状況として専修学校における「はり」と「きゅう」の実技評価での第三者評価の取り組みについて事例が紹介され、参加した教官も真剣に聞き入っていました。

1 期 日
平成28年8月2日(火)~8月5日(金)

2 会 場
国立障害者リハビリテーションセンター
本館4階 中会議室

3 参加者
対象者は、自立支援局の全教官
函館視力障害センター 6名
神戸視力障害センター 4名
福岡視力障害センター 6名
当センター 28名

4 主な内容
(ア)講演:8月2日(火) 14:00~16:00

演題: 「職員の服務と倫理」 (障害者差別解消法対応要領を含む)

講師: 厚生労働省大臣官房人事課職員第一係 鈴木 高太郎 課長補佐


(イ)講演:8月3日(水) 10:00~12:00

演題: 「障害者差別解消法及び改正障害者雇用促進法が定める合理的配慮について」

講師: 岡山理科大学 総合情報学部 社会情報学科 川島 聡 准教授

(ウ)シンポジウム:8月3日(水) 14:00~16:00

テーマ:「就労の現場が求める施術者の要件」

シンポジスト: 高野治療院 高野 広行 院長

特定NPO法人 アイ夢サポート 中村 輝彦 理事長


(エ)各センターの取り組み発表:8月4日(木) 9:30~12:00

テーマ:「実技に関する個別支援の事例報告」


(オ)情報提供:8月4日(木) 13:30~16:00

テーマ: 「女性利用者を理療教育に受け入れるための実技上の配慮事項と学習環境について」

進行:舘田 主任教官


(カ)活動報告:8月5日(金) 9:10~ 9:40

テーマ: 「実技科目関連調査・カリキュラム決定要因・OSCEトライアル・教育理念提案の取組みから―局運営方針上の業務「臨床をコアに据えた理療教育の推進」の3年間―」

進行:伊藤 主任教官


(キ)講義:8月5日(金) 9:40~11:40

テーマ: 「鍼灸臨床におけるOSCEの現状と理療教育界を取り巻く状況」

講師:東京衛生学園専門学校 臨床教育専攻科 菅原 之人 学科長

写真1「職員の服務と倫理」鈴木課長補佐の講演

写真1:「職員の服務と倫理」鈴木課長補佐の講演


写真2「障害者差別解消法及び改正障害者雇用促進法が定める
合理的配慮について」 川島 聡先生による講演

「障害者差別解消法及び改正障害者雇用促進法が定める合理的配慮について」川島 聡先生による講演


写真3「鍼灸臨床におけるOSCEの現状と理療教育界を取り巻く状況」
菅原 之人先生による講義

写真3:「鍼灸臨床におけるOSCEの現状と理療教育界を取り巻く状況」菅原 之人先生による講義



平成28年度 臨床研修講座 実施報告

 臨床研修講座は、当センターを卒業・修了されてから5年以内の方に対する、卒業後の職場定着支援の一環として、理療技能について、より一層の向上を図ることを目的に開催しているものです。
 本年度は、「(皮下)結合組織へのアプローチ」を全体テーマとして計3回の講座を連続シリーズで実施しました。

第1回 平成28年6月26日(日) (皮下)結合識マッサージ~基礎編~

第2回 平成28年7月3日(日) (皮下)結合識マッサージ~応用編~

第3回 平成28年7月10日(日) (皮下)結合識マッサージ~鍼によるアプローチ~

 講師の後藤治久先生は、1977年から3年間ドイツにて結合織マッサージの勉学・実地研修をされ、現在は、筑波大学理療科教員養成施設、筑波技術大学、東京衛生学園専門学校専攻科で非常勤講講師として、結合織マッサージの教育を実施されています。
 (皮下)結合識マッサージとは、内蔵機能の異常や自律神経系の不均衡が皮下結合組織に異常としてみられたものを、徒手により検査し、徒手刺激を加え皮下結合組織の緊張バランスを取ることにより、患者さんの症状を軽減・消失させる治療法で、ドイツのエリザベート・ディッケ女史が創始した徒手刺激療法の一つです。
 今回の講座では、(皮下)結合組織の反応を意識・検査・施術・確認する事の意義を実感し、皮下へのアプローチを一人でも多く実行して、受講される方に臨床の幅を広げて頂きたいとお話しされました。
 第1回は19名が受講し、(皮下)結合識マッサージの定義から沿革、基本手技を学び、皮下組織に出現する異常を確認した後、頭痛の反射帯への施術を実践しました。
 第2回は17名が受講し、体幹後面の皮下緊張のアンバランスを確認し施術する方法や手術痕(瘢痕)マッサージを実践しました。
 第3回は18名が受講し、体幹後面の皮下緊張のアンバランスに対する、鍼による皮下刺激の方法を実践しました。
 今回の講座では、先生のご経験豊かな実践から様々なお話を交えた講義と実技指導を行っていただきました。
 実技指導では、講師の後藤先生とアシスタントの大橋美那先生が、受講者一人ひとりの手を取って施術方法を説明され、熱のこもった指導を受けました。
施術効果を実感した受講者からは、「教科書上でしか知らず、実際に経験したことのない(皮下)結合織マッサージを知る機会を得られてよかった」、「改めて基本手技を確認することができ、いろいろ応用できそうだ」、「1回目の講座の後、実際に患者さんに施術し、即座に実践することができた」、「明日からの職場において実践できる手技があり非常に勉強になった。」、「長年多くの患者を診てこられた先生と自分の手の違いを感じた」、「講義が診断方法から始まった点がよかった」などの声が寄せられ、関心の高さをうかがわせ、有意義な講座となりました。

第1回進路別卒後研修会
(ヘルスキーパー従事者卒後研修会)実施報告

 6月4日(土)13時から、にしむら治療院院長西村公典先生をお招きし、研修会が訓練棟2階、第6実技室で行われました。
この研修会は、当センター理療教育の各課程を卒業、修了し、企業内ヘルスキーパーとして勤務する方に対し、施術に関する知識、技能の向上を図り、職場への定着を確実なものにするため、毎年3回実施しております。当日は22名の方が参加されました。
ヘルスキーパーが日頃施術する患者は事務職が多く、不良姿勢を長時間維持することにより、骨格への負担をかけやすいこと、良い姿勢は治療の第一歩である意義を学びました。
触診するときは、強く触らない、優しく観察し、患者様の体から教えてもらうということが重要など、触診に当たる心構えを研修しました。
参加者はペアを組み、お互いの動きを観察しました。講師の先生は一人一人へ丁寧に御指導下さいました。


写真:仙腸関節の触診の指導(西村先生:右)

仙腸関節の触診の指導(西村先生:右)


第1回進路別卒後研修会
(特別養護老人ホーム勤務者卒後研修会)実施報告

日時: 平成28年5月15日(日) 13時30分~16時30分
講師: 一般財団法人日本車椅子シーティング財団 代表理事
理学療法士 (工学博士)  廣瀬秀行 先生
テーマ: 「高齢者の車椅子生活を考える―車椅子シーティング」

 平成28年度第1回進路別卒後研修会(特別養護老人ホーム勤務者卒後研修会)が本館4階、中会議室で行われました。
この研修会は当センター理療教育の各課程を卒業、修了し、特別養護老人ホームに機能訓練指導員として勤務する方に対し、施術に関する知識、技能の向上を図り、職場への定着を確実なものにするため、毎年3回実施しております。当日は18名の方が参加されました。
今回のテーマは、「高齢者の車椅子生活を考える車椅子シーティング」でした。講師は、一般財団法人日本車椅子シーティング財団代表理事 廣瀬秀行先生でした。講演会の前半は座学で、後半は車椅子を使った実習でした。車椅子に乗れることで広がる生活や高まる質を説明し、なお、快適な生活を過ごすための「車椅子シーティング」の大切さを各種データや実例を中心に教えてくださいました。後半は、ブレーデンスケール、クッションの分類や使い方、座位能力分類、車いすの点検などを実習しました。
参加者は、明日からの仕事に早速、応用するために熱心に聞き入っておりました。車椅子の実習の時は、先生の指導に従いながら、大変真剣に操作の練習を行いました。

写真:ティルト車椅子の操作を指導する廣瀬氏

真1 ティルト車椅子の操作を指導する廣瀬氏