DMC入院に対する看護の見直し
 ―アンケート調査から―

病院4F病棟 今村奈緒子・浅野美子・佐藤和子・田上真理子・佐久間肇

1.はじめに

 平成13年度に糖尿病教育入院からDMC入院へ移行された。当病棟では平成12年度より患者を受け入れる準備を行い、平成13年度はDMC入院を実際に受け入れ、看護の取り組みについて看護師側からの評価を行った。2年目を迎える今年度は、患者から意見を伺うことで、DMC入院に対する看護の見直しを行い、その結果課題が明らかになったので報告する。

2.対象者

 平成13・14年度に入院された更生訓練所に在所中の入所生5名

3.方法

 面接にてアンケート聴取

4.結果及び考察

 DMC入院は患者の希望ではないが、結果としてよかったと全員が答えている。入所前に入院したことで再度指導を受け、体調を整えて入所生活に臨むことができたからといえる。しかし、患者の中にはもっと教育的な関わりを求めている者もいることが分かった。これは患者の病歴が一様ではないことから生じた要求と考える。以前の教育入院では、個々の患者の必要・不必要に関わらず、同一の教育プログラムを用意していたが、DMC入院に移行後中止とした。DMCの目的である個別性をふまえた教育が受けられるようなプログラムの再検討が必要である。
 看護師に生活指導を受けたかの質問については3名が受けたと回答しているが、具体的な指導内容は憶えていない。教育入院を一度ならず経験している患者にとって、これまで受けた一般的な指導と変わらない内容であったため、指導を受けたが印象に残らない結果になったと考えられる。今後は入所者診療室や更生訓練所の協力のもと情報収集を行い、入所後の生活に即した生活指導内容の検討をしていく必要がある。
 入院中に危険を感じたことがあるかについては全員があったと答えている。車椅子のことをあげているものが最も多く、接触しそうになったり、突然横切られたりなど恐怖を感じたことがあるという意見であった。すべての入院患者に入院時オリエンテーションでは視覚障害者との衝突を避けるために、右側通行を指導している。しかし、認知面に問題のある神経内科の患者や電動車椅子使用の高位頚損患者の中では徹底するのは困難である。この現状では視覚障害を伴うDMC入院患者の安全確保は難しい。このような中でDMC入院を受け入れるにはより一層の安全確保が重要であり、人的物的環境の調整が必要である。

5.課題

 (1) 教育プログラムの再検討
 (2) 入所後の生活に即した生活指導
 (3) 安全性強化の為の人的物的環境の調整




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