食中毒事故に備えた食事提供業務訓練実施について

栄養管理室 内山久子・田中晴美・繁田文子・横沢潤・柳沢明・佐藤義春・吉原俊道・菊地武美・菅原秀輝

1.はじめに

 更生訓練所において食中毒事故の疑いが発生した場合、保健所から指示が出される前に、厨房の使用及び調理等の食事提供業務を自粛する必要がある。食事提供業務を停止した場合、給食業者及び「非常時による調理業務体制」による近隣の国立病院の協力により対応することになる。停止当初の場合、協力体制の確保等ができないことから非常災害食により対応しなければならない状況が想定される。そこで、入所者に対し非常災害食を利用した食事提供訓練を行った。

2.日時

 平成14年9月3日(火) 9:00〜13:00

3.対象

 更生訓練所入所者及び関係職員(訓練所感染対策委員、管理部・指導部職員)

4.訓練内容

 食中毒が発生したと想定し、午前9時に厨房、調理機器、食器等の使用を自粛し、当日の昼食を非常災害食で対応することを決定する。献立内容はアルファ米、ビーフシチュー(レトルト)、切干大根煮(缶)、スープ(缶)、ウーロン茶(缶)とする。食数把握を行い、使用食品の数量を決め搬出。作業場所は病院厨房、第3生活訓練室、訓練所入所者食堂とする。9時20分過ぎ調理開始。11時過ぎ、他部門の職員の協力を得ながら、作業分担ごとに分かれ、配膳の準備を行う。その際、全員ディスポ帽子、手袋、マスクを着用し衛生管理に注意を払う。視覚障害入所者の食事は各々のテーブルにセットし、肢体・聴覚障害入所者は、通常通りセルフサービスとする。食器やスプーンは使い捨てを使用。12時、食事開始。1時、視覚入所者の下膳を職員が行う。

5.評価

 作業場所に記録担当をおき指示、記録を行う。訓練終了後、入所者・職員にアンケ ―トを実施する。

6.今後の課題・問題点

 @献立の見直し・・・スープ缶やアルファ米は、提供方法も含めて再検討する。非常災害食の開拓も必要である。
 A作業内容の見直し・・・作業内容により、人員や時間の偏りがみられた。作業工程や手順を明確にし、安全で効率のよい食事の提供を行うためにマニュアルの整備を行うことが必要である。

7.まとめ

 今回の訓練で明らかになった問題点や課題について検討し、迅速な初動体制をつく くれるよう今後の危機管理の充実に努めたい。




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