病院診療案内を再開して

病院看護部 西川民子・新井美智子・天野節江・堀房子

1.はじめに

 国民の権利意識の向上、ニーズの多様化という社会の流れは、医療と無関係ではなく、医療の質の保証はもちろん、サービスの質の保証がよりいっそう求められる時代となっている。
 今回、平成13年11月より「来院者が安心かつ安全にその目的を果たすことができるよう、必要としている情報を適切に提供することにより利用者へのサービス向上をはかる」目的で、診療案内が再開された。1年が経過したので、利用状況をまとめ、今後の患者サービス向上の一助としたい。

2.実施概要

 1)実施期間:H13年11月〜H14年10月
 2)実施日:月・水・金曜日
 3)実施時間:9:00~11:00
 4)実施場所:病院受付ホール
 5)担当者:月曜日 副看護部長、水・金曜日 外来看護師長

3.診療案内利用状況

1)案内件数
 (1)実施日数は125日、時間数250時間のうち、案内件数は825件であった。一日平均利用者は6.6人で多い日は13人の利用者があった。
 (2)曜日別一日平均件数は月曜日7.2人、水曜日6.9人、金曜日5.7人であった。

2)内訳
 (1)診療案内を案内別にみると、診療相談241件(29%)、誘導・介助159件(19%)、医事窓口に関すること244件(30%)、場所などの案内153件  (19%)、その他28件(3%)であった。
 (2)診療相談内容は、@受診科に関する案内36% A当病院診療に関する案内40% B入院を希望する来院者に対する案内17%Cその他7%であった。
 (3)誘導・介助では、当センター病院の外来患者の約7割は障害者である。視力障害者に対しては、声かけや誘導、身体障害者に対しては、立位介助、トランスファ介助であった。
 (4)医事窓口業務に関することでは、初診・再診受付の案内などであった。
 (5)場所などの案内では、公衆電話、食堂、学院、更生訓練所などの案内が多くあった。

4.まとめ

 訪れる患者様一人一人に最も適した医療サービスが提供できるように、病院の窓口である受付で案内することは、今後も必要と思われる。特に診療相談は患者様との接点がどの職種よりも多い、専門職である看護師が行う領域である。    また、患者様を誘導する、介助する、医事窓口に関する相談、施設内の案内などは、他職種に委譲できると思う。そして、その場に遭遇した職員が、質の高いサービスを提供出来るよう、職員の顧客満足に対する取り組みも必要と思われる。今後はボランティアなどの導入も検討していく必要がある。




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