職能部自動車訓練室 研究所福祉機器開発部第一福祉機器試験評価室 ニッシン自動車工業代表取締役 |
並木勉、熊倉良雄 相川孝訓 亀田藤雄 |
ハンドル旋回装置はフォークリフト用に使われていたものを昭和36年当時から障害者
用として使い始めた。
この装置は、上肢に障害がありハンドルの保持と操作が確実にできない場合、安全性
と操作性を補う目的に使用するものであるが、障害者自ら運転するときは必要なものであっても
家族等が当該車両を利用するときは障害となることがある。そこで安全で利便性も考慮した
脱着式のハンドル旋回装置を開発したので報告する。
(1)ハンドル固定部品
ハンドルに固定する部品
(2)握り部(手掌部)
脱着式で手掌型・U型・つづみ型等上肢機能に合わせた適切な握り部(手掌部)を選択することができる。
当該装置を使用中にハンドル固定部品から握り部(手掌部)が外れると危険であるため、
当センター研究所福祉機器開発部第一福祉機器試験評価室に依頼し評価を行った。
評価結果は下記の通りである。
試験機 テンシロン万能材料試験機機柱延長型 RTC-1325PL
引張試験用治具使用(専用取り付け治具を製作して取り付け)
試験条件 荷重フルスケール 5kN(ロードセル定格 5kN)
試験速度 1.0mm/min
試験結果 爪の部分が変形して荷重を受けられなくなったため、試験を中止。
最大荷重 2102N(214kg)この時の伸び 2.01mm
現在市販されているハンドル旋回装置は価格の違い程度の情報で適合性や安全性等の
情報は存在しない。
この脱着式ハンドル旋回装置は研究所福祉機器開発部第一福祉機器試験評価室の評価で
通常の使用で支障のないことが証明され安全性が確認できた。更に当該装置は脱着できる
ため家族等が利用するときの利便性も配慮した製品として完成させることができた。