DMC入院への取り組み〜3年間をふりかえる

4F病棟 伊藤奈緒子、浅野美子、白井まゆみ、佐藤和子
病院診療部 佐久間肇、沼山貴也

 当院では更生訓練所に入所する糖尿病を有する入所生を対象に、糖尿病教育入院を 実施してきた。近年入所生個々の病状・管理状況が複雑になり、画一的なプログラムで 実施していたシステムを見直し、平成13年度からDMコントロール入院(DMC入院)に移行 した。今年度で3年目を迎え、これまでの3年間の病棟の取り組みについてまとめたので報告する。

1.DMCへの移行理由

(1) 重度化への対応
(2) 個別性の重視
(3) より充実したコミュニケーションの確立・情報の共有化

2.入院患者

 平成13年度:10名(男性9名・女性1名:透析1名・歩行障害3名)
        最短入院期間3日、最長28日
 平成14年度:5名(男性2名・女性3名:透析2名・左片麻痺1名)最短11日、最長144日
 平成15年度:3名(男性3名:透析1名)最短15日、最長30日

3.各年度の病棟の取り組み

 上記の移行理由に対応するため、病棟で取り組んだ内容としては以下のとおりである。
 平成13年度
  (1) チェックリスト(自己血糖測定・インスリン自己注射)の見直しと新規作成
  (2) 標準看護計画の作成
  (3) 知識度調査の見直し
  (4) 環境調整:車椅子や病棟内物品の定位置化・トイレ内暖房設備前への手すりの設置
  (5) DMC入院に対する看護師側からの評価
 平成14年度
  (1) 環境調整:廊下の手すりへのポインター設置
  (2) 入院経験のある患者に対するアンケート調査。その意見からの看護の見直し
  (3) ミーティングに使用する共通書式の用紙の作成
 平成15年度
  (1) 教育プログラムの作成
  (2) アンケート調査から得られた看護師側の意識改革

4.今後の課題

 人事異動があってもDMC入院にすぐに対応できるマニュアルの作成が今後の課題である。




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