高次脳機能障害支援モデル事業について

はじめに

 外傷性脳損傷や脳血管障害の後遺症として、記憶障害、注意障害、社会的行動障害などの高次脳機能障害を伴い、社会生活を送る上で大きな障害となっていることが多い。また、これらの高次脳機能障害とともに肢体不自由などの身体機能障害を伴うことも多い。
 高次脳機能障害のごく一部が診療報酬の対象となっているにすぎず、また、身体障害を伴うか否かによって、高次脳機能障害を持つ人々が受けることの出来る福祉サービスの内容が異なるなど、医療・福祉現場における問題点も指摘されている。
 これらの問題点を整理し、高次脳機能障害に対する包括的な医療・福祉サービスを行う際に必要な診断・訓練及び社会参加支援の方法を確立するために、平成13年から3か年、高次脳機能障害支援モデル事業が実施された。
 本モデル事業には、全国12の地方拠点病院等と国立身体障害者リハビリテションセンターが参加し、3年間に登録された事例数は424に達した。各事例に実施された具体的支援のデータを、「評価基準作業班」、「訓練プログラム作業班」、「社会復帰・生活・介護支援プログラム作業班」、「合同作業班」等において分析した結果をまとめることによって本報告書を作成した。
 さらに、本モデル事業の実施内容を基に、「高次脳機能障害診断基準」、「高次脳機能障害標準的訓練プログラム(案)」、「高次脳機能障害支援ニーズ判定票」、及び「高次脳機能障害標準的社会復帰・生活・介護支援プログラム(案)」を作成した。
 本報告書が、高次脳機能障害の医療・福祉に関わる専門家や国民一般の高次脳機能障害に関する理解を深めるとともに、今後の高次脳機能障害支援モデル事業展開の基礎となり、さらに将来における高次脳機能障害に関する施策策定の基礎資料として活用されることを期待する。        

         平成16年3月
         国立障害者リハビリテーションセンター総長
         高次脳機能障害支援モデル事業地方拠点病院等連絡協議会委員長    佐藤德太郎



    

モデル事業