学童期時期からみられる問題

 小学校では、教科の学習が本格化し、5・6時間目の授業が開始される3~4年生で学習の遅れが顕著にでてくる場合があり、これが学習や授業参加の拒否へとつながる要因となることもあります。

 また、幼児期から小学校低学年にかけて「友人とかかわりたい」という積極的な行動が増加し、それに伴って対人関係のトラブルが増加していく場合があります。自分と他者の欲求のちがいや、文脈の読み違いなどに対して絵やマンガや文章などを使って視覚的に説明するとともに、気分の落ち着け方や自己をコントロールする方法について学ぶ機会をもつことが大切です。

 高学年では自分と周囲の子どもとのちがいに気づいたり、悩んだりする時期でもあります。失敗経験の多さから自己肯定感が低下し自虐的になったり、逆に失敗を他者のせいにして攻撃的な傾向を強めたりしてしまうこともあります

学童期に必要な配慮と対応方法

 特別支援教育の内容は、学習面や行動面での社会的スキルトレーニングなどニーズによって多様であり、学習形態も個別指導や小集団指導など内容に応じてさまざまな形がとられます。特性に合わせた支援とその理解を学年間だけでなく学校全体に広げ、学校生活の中で成功体験が得られるように、また基本的な集団のルールを身につけることができるように十分に配慮していきます。行動的な問題に対しては、先送りせず優先的に取り組むことが肝要です。また、家庭との連携を密にして、いじめや不登校など二次障害の予防に気をつける必要があります。

 家庭では、生活リズムを維持し、身辺自立やお手伝い、おこづかい管理など生活スキルを養っていく時期になります。ゲーム機などの遊びには制限を守るように指導しておくことが大切です。お手伝いなどできることをさせてポイント制にし、ゲームの時間やおこづかいに交換できるようにしてもよいでしょう。

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発達障害教育推進センター研修講義「先生と保護者の関係づくり」