言語聴覚士からのTIPS 「ことばを育てる」4

 

伝える手段にもいろいろ

 

これまでのTipsでは、ことばの概念(わかることがら)を育てることが、ことばの理解(わかることば)につながり、
さらに発信(言えることば)につながることを説明しました。

「言えることばが増えると言いたいことがわかるので、早くおはなしをいっぱいしてほしいです」と、
私たちも時々ご相談を受けます。
そんなときは「お子さんの動きをよく見てください。ことばを話す前から、子どもは自分の気持ちやしてほしいことを
私たちに伝えていますよ」とお伝えしています。

たとえば、欲しいものをじっと見る、嫌いな食べ物が出てくると顔をそむける、抱っこしてほしいときに両手を
大人の方へ伸ばすなど、視線や表情、からだの動きで、気持ちやしてほしいことがわかりますね。

他にも、お菓子の袋を開けて欲しくて大人に渡す、外に行きたくて玄関まで大人を連れて行く、
ハンバーガーショップのマークや大好きな公園の写真を指さして行きたいと訴える、などなど…。

実は、話しことばがあまり多くない、あるいは少ない子どもでも、視線、表情、からだの動き、物や絵などを使って、
たくさん思いを伝えています。このようなコミュニケーションは、話し言葉によらないという意味で、
非言語的コミュニケーションと言われます。

非言語的コミュニケーションにも目を向けてコミュニケーションを楽しむことで、
子どもの「伝えたい気持ち」は育っていき、さらに話しことばの育ちにつながっていきます。

次回は、「伝える手段」とその対応についてもう少し詳しく考えていきたいと思います。

令和5年度 第2回「子どもの言語障がいに関する勉強会」開催報告

2023年10月19日、「構音(発音)」と「吃音」をテーマに、子どもの言語障がいに関する勉強会を開催しました。当日は、近隣の市区町村からこどものことばの相談に関わるみなさんが12名参加されました。6月に開催した「聴覚」と「言語発達」についての勉強会に続いて参加して下さった方も、複数いらっしゃいました。

今回は、構音の発達や吃音の生じはじめる年齢などの基礎的な内容と、どのような場合に言語聴覚士(ST)への相談をご紹介いただくとよいかといった、対応に関するポイントをお話しました。その後の質疑応答では、耳鼻咽喉科医師から当院の外来についてご説明し、参加者のみなさんからは実際に健診で気になることと今回の内容を絡めたご質問などがありました。アンケートでは「基本的な知識だけでなく、どのタイミングで、どんな方に病院受診をおすすめしたら良いのか、具体的に分かりました」「吃音について様子をみて良いのか、専門機関に相談するべきなのかの基準が分かっていなかったので、とても勉強になりました」などの感想をいただきました。このアンケート結果は、次年度への参考にさせていただきます。ありがとうございました。

 

2024年度も、本年度と同様に「聴覚・言語発達について」と「構音(発音)・吃音について」の2回、勉強会の開催を予定しています。参加されるみなさんが、日常の業務に活かせる内容となるよう、準備を進めてまいります。

近隣の保健センターなどに向け、5月上旬頃に案内を送付する予定です。みなさまどうぞご参加ください。

 

令和5年度 第2回「子どもの難聴に関する勉強会」開催報告

 2023年10月26日に本年度2回目の「子どもの難聴に関する勉強会」を開催し、難聴のお子さんをもつ5家族6名の保護者にご参加いただきました。STからは「難聴の聞こえと難聴児」として、難聴の仕組みや聴力検査結果の読み取り方、YouTube視聴による難聴疑似体験、難聴児に必要な支援について、医師からは「難聴の原因と外来での対応」として、遺伝子検査や小児がかかりやすい耳の病気、定期的な受診と検査の必要性について講義を行いました。

 アンケートでは、勉強会全体に関して参加者全員から満足であるとの回答をいただき、「子どもとのかかわり方を丁寧に教えてもらえた」、「難聴疑似体験を通して、難聴児の気持ちを考えさせられた」などの感想をいただきました。来年度も2回の開催を予定しており、次回は2024年6月頃開催予定です。難聴児保護者の皆様の参加をお待ちしています。

 

 

 

言語聴覚士からのTips 「ことばを育てる」3

言える言葉につながる

前回は「わかることばにつなげる」ことについて述べました。

「わかることば」が増えると、欲しいものや好きな物を見たときに、そのことばを思い出せるようになります。
お腹がすくと「まんま」、大好きな車を見ると「ぶーぶ」など、思い出したことばを声に出すようになり、
少しずつ「言えることば」につながります。
はじめは、ことばの一部や幼児語と一緒に、身ぶりや指さし、表情も豊かに使ってコミュニケーションをとります。
言えることばが増えるためには、「伝えたい気持ち」も育っていることも大切です。

かかわりの例を2つご紹介します

◇  ことばかけは、引き続きていねいに
わかることばに比べて言えることばはゆっくり育ちます。日常の同じ場面で繰り返し同じ単語を聞き、それを真似して覚え、さらにそのことばの使い方を知っていきます。引き続きゆっくりと短いことばかけで正しい音を聞かせ、使い方を示してください。

◇  伝えたい気持ちを大切に
お子さんが話し始めると、大人はつい「これなあに?」と言ってもらいたくなりますが、大人が言わせたいことではなく、子どもが言いたいことを中心にやりとりをしてください。未熟なことばの言い直しはさせず、子どもが犬を見つけて「わんわ」と言っていたら、「あ、ワンワンだ。犬がいるね。かわいいね」などと受け止めてください。自分が言いたいことが相手に伝わった、という経験が、「もっと伝えたい」という気持ちに繋がります。

 

「わかることがら」から「わかることば」、そして「言えることば」へ


言えることばにつながるためには、
土台をひとつひとつ丁寧に積み上げていくことが大切です

 

令和5年度 聴覚障がい児の療育・教育に関する連絡会議を開催しました

 2023年7月27日、当院に通う難聴児の保育園・幼稚園・小学校・療育機関の担当者を対象に「聴覚障がい児の療育・教育に関する連絡会議」を開催し、26名の先生に参加いただきました。午前は講義と質疑応答、午後は対象児の年齢別のグループに分かれ分科会を行いました。

 講義では、言語聴覚士から難聴疑似体験、補聴機器の活用とライフステージに合わせた支援についてお話しし、耳鼻咽喉科医から難聴の種類や聴力検査、子どもがかかりやすい耳の疾患、定期受診の重要性についてお話ししました。分科会では、各施設での取り組みや配慮点について活発な意見交換がありました。アンケートでは、「難聴の仕組みがよくわかり児童理解に繋がった」、「難聴体験をすることで、聞こえにくさからくる不安や困り感を体験することができた」、「他施設で行っている支援や工夫を知る事ができて良かった。自園でも実践していきたい」などの感想をいただきました。

 4年ぶりに分科会を開催し、先生方との交流の場の必要性を改めて感じました。子ども達が、聴こえに配慮された安心できる環境で遊びや学びを深めることができるよう、引き続き先生方との連携を強化していきたいと思います。

令和5年度 第1回「子どもの言語障がいに関する勉強会」開催報告

 

2023年6月15日、「聴覚」と「言語発達」をテーマに、子どもの言語障がいに関する勉強会を開催しました。当日は、近隣の市区町村から子どものことばの相談に関わるみなさんが22名参加されました。勉強会では、普段言語聴覚士(ST)がどのような視点をもってどんな検査を行い、どうお子さんを評価しているか、デモンストレーションを交えながら講義形式でお話しました。その後の質疑応答では、耳鼻咽喉科医師から当院の外来についてご説明し、アンケートに「質疑応答の時間が充実していた」との感想もあったほどに、参加者のみなさんも業務の中で疑問に感じられていることなど熱心に質問されていました。その他にもアンケートでは、「小さい年令での聴力検査について、実際にどのような形で実施しているのか知らなかったので、たくさんの学びがありました」「子どもの反応に対する評価を一つ一つ丁寧に解説してくださったので、健診時に取り入れやすそうだなと思うことが出来ました」などの感想がありました。

 

第2回は、10月19日に「構音」「吃音」をテーマに開催予定です。近隣の機関には、9月上旬に案内を送付する予定です。みなさまのご参加をお待ちしています。

令和5年度 第1回「子どもの難聴に関する勉強会」開催報告

2023年6月1日、本年度第1回目の「子どもの難聴に関する勉強会」を開催しました。

STからは「難聴の聞こえと難聴児」として難聴の仕組みや聴力検査結果の読み取り方、YouTube視聴による難聴疑似体験、難聴児に必要な支援について、医師からは「難聴の原因と外来での対応」として遺伝子検査や小児がかかりやすい耳の病気、定期的な受診と検査の必要性について講義を行いました。今回は1名の参加でしたので、難聴全般の話しに加え参加したお子さんの聴力や年齢に即した具体的な対応についても触れながらお話ししました。特に難聴疑似体験を通し、子どもの理解を確認しながら繰り返し丁寧に話しかけることの大切さに気づいていただくことができました。

第2回目は10月26日(木)10:00~11:40を予定しています。当院を受診した難聴児保護者の皆様の参加をお持ちしています。

言語聴覚士からのTIPS 「ことばを育てる」2

わかることばにつなげる

前回は「わかることがらを増やしてことばが育つ土台を作る」ということを述べました。

生活の流れが定着しわかることがらが増えると、それに伴う声かけに気づくようになります。

たとえば、食事用のエプロンを見せながら「まんま、ごはんよ」と声をかけていると、徐々に

「まんま」ということばだけで(食事だ)と喜んだり、自分からエプロンを取りに行くことができるようになります。

 

ことばかけの例を2つご紹介します

ことばかけは短く簡単に

まだ長い声かけはわかりません。お子さんの注目を引いてから、幼児語(まんま、くっくなど)や身ぶりをつけて、

いつも同じように声をかけます。

 

徐々に「先にことばへ」

「物をみせてから、ことば」の順番を、「ことばをかけてから、物を見せる」に変えます。

先に「くっく、はこうね」と声をかけ、反応をみながら物(靴など)を見せます。

 

わかることがらに簡単なことばを添えて、「わかることば」につなげます。

わかることばが増えると「言えることば」へつながります。

 

次回「わかることばを増やし、言えることばにつなげる」

 
 

令和4年度 第2回「子どもの難聴に関する勉強会」開催報告

 2022年11月17日、本年度2回目の「子どもの難聴に関する勉強会」を開催しました。難聴のお子さんをもつ2家族3名の保護者に参加いただき、検温や消毒、定期的な換気などの感染対策に留意しながら、今回も無事に開催することができました。

STからは、日常での具体的な関わり方や難聴疑似体験について講義を行い、参加者からは「子どもとの関わり方について再確認できてとてもよかった」「視覚的手段を活用し始めて、伸びたところがたくさんあるのでアプローチ方法は大切と改めて思う」などの感想をいただきました。医師からは「難聴の原因と外来での対応」として、難聴の仕組み、聴力検査の種類と結果の読み取り方、遺伝子検査や補聴器・人工内耳について講義を行いました。「遺伝子の話は子どもにも関係あるのでとても勉強になった」「専門的な話が聞けて参考になった」等の感想をいただきました。また、講義終了後に参加者同士の顔合わせを兼ねて簡単な自己紹介を行いました。その後の質疑応答では、人工内耳と補聴器のメリット、遺伝子検査の意義やタイミングについてなどの質問があり、ひとつひとつの質問に対して医師から説明をしました。アンケートでは、勉強会全体に関して参加者全員から満足であるとの回答をいただきました。

来年度も年に2回の勉強会を予定しています。次回は2023年6月頃の開催予定です。保護者の皆様の参加をお待ちしております。

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令和4年度 第2回「子どもの言語障がいに関する勉強会」開催報告

 

2022年10月13日、「構音(発音)」と「吃音」をテーマに、子どもの言語障がいに関する勉強会を開催しました。当日は、近隣の市区町村から母子保健に関わるみなさんが10名参加されました。勉強会は講義形式で行い、構音の発達や吃音の生じはじめる年齢などの基礎的な内容と、どのような場合に言語聴覚士(ST)への相談をご紹介いただくとよいかといった、対応に関するポイントをお話しました。その後の質疑応答では、耳鼻咽喉科医師から当院の外来についてご説明し、参加者のみなさんからは普段の業務の中で気になっておられる内容について多くのご質問がありました。アンケートでは「構音について、発達の段階と合わせてみていくことが大切だとわかりました」「どこまで地域で見て、どこで専門機関につなげるか、とてもわかりやすかったです」などの感想をいただきました。ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

2023年度も、本年度と同様に「聴覚・言語発達について」と「構音(発音)・吃音について」の2回、勉強会の開催を予定しています。参加されるみなさんが、日常の業務に活かせる内容となるよう、準備を進めてまいります。みなさまどうぞご参加ください。

近隣の保健センターには、5月上旬頃に案内を送付する予定です。

 

 

 

言語聴覚士からのTips 「ことばを育てる」

わかることがらを増や 

IMG_4686.jpgことばがまだわからない赤ちゃんは、見たり、触ったり、匂いを嗅いだり。             

自分の周りで起こるさまざまな出来事を経験して、わかることがらを増やしています。

 

 

IMG_4682.jpg例えば、椅子に座って首元にエプロンがかかるとおいしいご飯が口に入ってくる。

これが繰り返されると、徐々に、食事の時に座る椅子とエブロンを見るだけで「ごはんだ!」とわかるようになります。

                                            

 

わかることがらを増やして、ことばが育つ土台を作りましょう。方法の例を2つご紹介します。

● 生活の流れを一定にして、次に起こる事を予測しやすくします。起きたら着替えてトイレに行く、朝ご飯を食べたら出かける・・・のように、毎日の繰り返しの中から、お子さんは次に起こる事を予測し状況を理解していきます。

● 状況を物を丁寧に見せて、これから起こる事を伝えます。食事の椅子やエプロンのように、物を見せてこれから起こる事を伝えましょう。お子さんの注意が向いているときに、物を示すと良いでしょう。 

わかることがらが増えると、わかることばにつながります。

わかることばが増えることで、言えることばへとつながります。

 

次回は 「わかることがらを増やし、わかることばにつなげる」についてお伝えします

 

令和4年度 第一回「子どもの難聴に関する勉強会」を開催しました

 梅雨晴れのなか、7月7日に「子どもの難聴に関する勉強会」を開催しました。当院を受診した難聴児の保護者4家族7名が参加され、検温および健康確認票の記載、消毒、定期的な換気など感染対策に留意しながら無事開催することができました。

 STからは「難聴の聞こえと難聴児」として難聴の仕組みや聴力検査結果の読み取り方、YouTube試聴による難聴疑似体験、難聴児に必要な支援についての講義を行い、医師からは「難聴の原因と外来での対応」として遺伝子検査や小児がかかりやすい耳の病気、定期的な受診と検査の必要性について講義を行いました。

 難聴疑似体験では、「子どもがどのように聞こえているのかわからなかったので良かった」「軽度の難聴でも全然聞き取れないことがわかった」「YouTubeだと祖父母や幼稚園など周りの人に難聴のことを説明しやすい」という感想をいただきました。また講義については、「向き合い方がわかりました」「気を付けていたつもりでしたが改めて接し方を見直そうと思います」「将来のためにも検査をして原因を知っていた方が良いのかなと思いました」「医学的な部分は学べる機会も少ないので、こういった場でお話していただけるのは良い勉強になりました」という感想をいただきました。

第2回目は11月頃を予定しています、保護者の皆様の参加をお持ちしています。 

令和4年度 第1回「子どもの言語障がいに関する勉強会」を開催しました

 2022年6月16日、「聴覚」と「言語発達」をテーマに、子どもの言語障がいに関する勉強会を開催しました。当日は、近隣の市区町村から母子保健に関わるみなさんが10名参加されました。

勉強会では、普段言語聴覚士(ST)がどのような視点をもってどんな検査を行い、どうお子さんを評価しているか、デモンストレーションを交えながら講義形式でお話しました。

 その後の質疑応答では、耳鼻咽喉科医師から当院の外来についてご説明し、参加者のみなさんも業務の中で疑問に感じられていることなど、熱心に質問されていました。アンケートでは「難聴=言葉の問題ということに意識が強かったが、生活するうえでの具体的困難さに気づかされた」「発語がないからといって、しゃべれない子ではない。できる部分を細かくみていこうと思います」などの感想がありました。また、今後取り上げてほしいテーマについても「健診場面における言語発達の評価観点など詳しくうかがってみたいです」などのご意見がありました。今後の勉強会で参考にさせていただきます。

第2回は、10月13日に「構音」「吃音」をテーマに開催予定です。近隣の保健センターには、9月上旬に案内を送付する予定です。みなさまのご参加をお待ちしています。

「子どもの難聴に関する勉強会」を開催しました

 2021年11月25日、難聴児の保護者を対象とした「子どもの難聴に関する勉強会」を開催しました。今回も、検温や消毒、定期的な換気などの感染対策に留意しながら、難聴のお子さんをもつ3家族4名の保護者に参加いただき、無事開催することができました。

 STからは日常での具体的な関わり方と難聴疑似体験について講義を行いました。難聴疑似体験では、「耳栓をつけての聞こえにくさはわかりやすかった」「普段、声で注意しがちだけど、声だけじゃわかりづらいのかなと実感できた」「視線が合うようにして話す大切さを学んだ」「子どもが「え?」と聞き返すような表情をしている意味がわかった」等の感想をいただきました。

 医師からは難聴の仕組みや聴力検査の種類と結果の読み取り方、遺伝子検査や補聴器・人工内耳について講義を行いました。講義では、「検査でどういうことがわかるのか、具体的な話が非常にわかりやすく勉強になった」「オージオグラムの見方がわかりやすく、参考になった」「原因がわかると今後のマネジメントがしやすいと理解できた」等の感想をいただきました。

 来年度は、2022年6月頃を予定しています。保護者の皆様の参加をお待ちしています。

令和3年度 第2回「子どもの言語障がいに関する勉強会」開催報告

 2021年11月11日、「構音(発音)」と「吃音」をテーマに、本年度2回目の「子どもの言語障がいに関する勉強会」を開催しました。当日は、近隣の市区町村から保健師さんを中心に、地域の母子保健に関わるみなさんが12名参加されました。言語聴覚士(ST)が実際にお子さんと関わっている動画も交えながら、専門機関への紹介が必要な時期や、保護者の方への助言の方法などについて、講義形式でお話ししました。その後の質疑応答では、耳鼻咽喉科医師から当院の外来についてご説明し、また参加者のみなさんも多くの質問をしてくださり、活発なやりとりとなりました。アンケートでは「保健師として見るべきポイントや、保護者への伝え方についても知ることができ、今後活かしていきたいです」「保護者の方へ情報提供できる資料や本の種類を豊富に知ることができてよかった」などの感想がありました。

 2022年度も、本年度と同様に「聴覚・言語発達について」と「構音(発音)・吃音について」の2回、参加されるみなさんが日常の業務に活かせる内容の勉強会を開催するよう、準備を進めてまいります。近隣の保健センターには、5月上旬に案内を送付する予定です。

吃音領域の研修受け入れについて

 言語聴覚療法部門では、言語聴覚士免許を持つ方を対象に、吃音領域の研修を受け入れています。必要な手続きを済ませた後、研修では症例の臨床見学や、希望によっては実際に評価や指導を行うこともできます。現在までに、3名の方が研修を行っています。

 全国的に吃音の臨床を行っている施設は少ないため、各地域で吃音臨床を行っていただける方を増やしていくために、積極的に受け入れを行っていきたいと思っております。当院では、小児だけでなく成人の吃音治療も行っていますので、幅広い年齢の方への対応をご覧いただくことができます。また、研修中だけでなく、研修後の相談等にも柔軟に対応致します。

 研修は言語聴覚士免許保持者であれば、経験年数や、吃音臨床の経験の有無を問わずに受けることが可能です。また、研修の頻度や期間も相談可能です。ご希望の方は、まずは当部門(04-2995-3100(内線3220))までご連絡ください。

難聴の療育・教育に関する連絡会議を開催しました

 当院に通う難聴児の保育園、幼稚園、学校、療育の担当者を対象に「難聴の療育・教育に関する連絡会議」を7月29日に開催し、30名の先生が参加されました。耳鼻咽喉科医師からは、聴力検査や遺伝子検査などの診断から、補聴器や人工内耳、補聴援助システムなど難聴の基礎について、STからは難聴体験と難聴児の特徴や各年齢に合わせた支援のポイントについてお話ししました。

 アンケートでは、「難聴の種類や程度、診断に必要な検査、補聴器や人工内耳のしくみなど初めて聞くことができた。担当している子の現在に至るまでの過程を想像しながら聞くことができ参加できて良かった」、「難聴の疑似体験をすることで、子音の聞き取りにくさや不安感などを実感できた。教室での配慮にいかしていきたい」、などの声が聞かれました。

 今後も難聴児を日々担当する先生方と協力しながら、子どもたちの成長を応援していきたいと思っています。

令和3年度 第1回「子どもの言語障がいに関する勉強会」を開催しました

2021年6月17日、「聴覚」と「言語発達」をテーマに、子どもの言語障がいに関する勉強会を開催しました。当日は、近隣の市区町村から母子保健に関わるみなさんが13名参加されました。勉強会では、普段言語聴覚士(ST)がどのような視点をもってどんな検査を行い、どうお子さんを評価しているか、デモンストレーションを交えながら講義形式でお話しました。その後の質疑応答では、耳鼻咽喉科医師から当院の外来についてご説明し、また参加者のみなさんも活発に質問されていました。アンケートでは「実際の検査の様子を知ることができ、相談等の説明に役立ちます」「デモンストレーションにより、どのように評価や対応を言語聴覚士の方が行っているかがわかりました。言葉の検査が多数あることを再確認しました」などの感想がありました。

第2回は、11月11日に「構音」「吃音」をテーマに開催予定です。近隣の保健センターには、9月上旬に案内を送付する予定です。みなさまのご参加をお待ちしています。

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令和3年度第1回 難聴に関する保護者勉強会を開催しました

 当院を受診した難聴児の保護者を対象に「子どもの難聴に関する勉強会」を6月3日に開催しました。今回は0歳で難聴が発見されたお子さんの保護者を中心に6名が参加され、検温や消毒、定期的な換気など感染対策に留意しながら無事開催することができました。

 STからは難聴疑似体験と日常での具体的な関わり方について、医師からは難聴の仕組みや聴力検査の種類と結果の読み取り方、遺伝子検査や補聴器・人工内耳ついて講義を行いました。難聴疑似体験では、「難聴があると言葉が聞こえにくいだけでなく、状況判断も難しくなることがわかった」、「知っている言葉は聞き取れても、知らない言葉は聞き取りにくいことがわかった」、「難聴があると、自分の声の大きさが場に適切なのか分かりにくい」、という感想をいただきました。また講義については、「難聴の原因やオージオグラムの読み取り方を丁寧に教えてもらえて良かった」という感想をいただきました。

 第2回目は11月頃を予定しています、保護者の皆様の参加をお持ちしています。

[令和3年8月10日]

令和2年度「子どもの言語障がい勉強会」を開催しました

 2020年11月26日、「構音(発音)」と「吃音」をテーマに、子どもの言語障がいに関する勉強会を開催しました。当日は、近隣の市区町村から保健師のみなさんが14名参加されました。言語聴覚士(ST)が実際にお子さんと関わっている動画も交えながら、専門機関への紹介が必要な時期や、保護者の方への助言の方法などについて、講義形式で行いました。その後の質疑応答では、耳鼻咽喉科医師から当院の外来についてご説明し、また参加者のみなさんも活発に質問されていました。アンケートでは「映像や音声でイメージがつきやすかった」「現場で活用できるチェックポイントや、STへ相談した方がよいケースなど参考になった」などの感想がありました。

 2021年度は、新型コロナウイルスの感染拡大を防止しながら、年2回開催できるよう、現在準備をしています。近隣の保健センターには、5月上旬に案内を送付する予定です。

[令和3年3月31日]

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難聴に関する保護者勉強会を開催しました

当院を受診した難聴児の保護者を対象に「子どもの難聴に関する勉強会」を1119日に開催しました。例年春と秋に開催してきましたが、コロナウイルス感染症拡大防止のため春の開催を見送り、秋の開催のみとなりました。今回は、0歳で難聴が発見されたお子さんや就学前後に難聴が発見されたお子さんの保護者7名が参加され、検温や消毒、定期的な換気など感染対策に留意しながら開催しました。

医師からは難聴の仕組みや聴力検査とその結果の読み取り方、遺伝子検査、人工内耳について講義を行い「耳の構造についてわかりやすく説明いただき、よく理解できた」、「聞こえの仕組みを知ることで難聴に対しての変な恐怖心が薄れた」という感想をいただきました。

言語聴覚士(ST)からは日常での具体的な対応についての講義と難聴疑似体験を行いました。難聴疑似体験では、STがマスク越しに話した「地名」を、保護者は耳栓を装着した状態で書き取りました。「自分が想像していたより不安、短時間だったが分からず泣きそうだった。子どももそうなのかもしれないと思った」、「聞き取りやすい音と聞き取りにくい音があった『させぼ』→『はせぼ』など。知っているから推測できたが、知らない言葉だったら推測できないだろう」、「正しく聞こえないと正しく覚えられないことが分かった」という感想をいただきました。

次年度も感染対策を行いながら、保護者の皆様が安心して子育てができるよう難聴に関する情報提供を行って参ります。

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 [令和3年3月4日]

令和2年度子どもの言語障がい勉強会を秋に予定しています

 言語聴覚療法部門では、毎年2回、地域の保健師や相談員の方に向けて、ことばやきこえについての勉強会を実施しています。

 今年度は6月に1回目の開催を予定していましたが、新型コロナウイルス感染症への対策のため中止となりました。2回目については、秋に開催の運びとなるよう準備しているところです。近隣の保健センターには9月ごろにご案内の予定です。

さて、下記に、令和元年度に開催した内容をご紹介します。毎回、体験や情報交換を大事にして、少人数で開催しています。

令和元年度開催報告


 第1回は6月20日に「言語発達障害」「聴覚障害」をテーマに開催しました。20190620聴覚
当日は近隣の市区町の保健センターから16名の保健師のみなさんが参加されました。
8人ずつのグループに分かれ、
①ことばの発達の基礎やことばの検査の実演、
②きこえの仕組みや乳幼児の聴力検査について、教具や機器の操作を実際に体験しながら学びました。


 第2回は11月21日に「構音(発音)障害」「吃音」をテーマに14名の方が参加されました。
動画を交えて、いつまでどのようにして様子をみるとよいのか、どのような場合に専門機関へ紹介したらよいのかも含めての講義がありました。


 毎回、最後は質疑応答や意見交換の時間を取りました。耳鼻咽喉科医師からは、当院の外来についての説明があり、新生児聴覚スクリーニングの最新情報についてもお話ししました。
 アンケートでは「体験型で今後の健診の時の判断にも活かせるような講義でした」、「実際に聴覚検査の機械を見せ ていただいて小さい子でも検査が可能であると学ぶことができました」(第1回)、「構音や吃音について、基本的に学ぶ機会がなく、しっかり座学で学べました。他職員と共有させていただきます」 (第2回)などの声が聞かれました。  今後も地域の母子保健の第一線で働く保健師や相談員のみなさんと協力していけたらと思っています。

[令和2年7月17日]