マレーシア国マハティール首相令夫人視察について
    〜 友情のゲストたちは桜の花と共に 〜
国際協力事業推進本部事務局



更生訓練所で入所者の作品に見入る首相令夫人一行

 去る4月4日(水)に、 Datin Seri Dr. Siti Hasm ah Mohd Ali現マレーシア国首相令夫人以下、「バクテ ィの会」会員25名が当センターの見学にみえられま した。日本側のホステス役を務めた「ピース・リンク ス・ジャパン」の橋本久美子代表をはじめ、誰しもが 密かに思った「桜の花はお客様がおみえになるまで散 らずに持ってくれるだろうか」という心配は杞憂に終 わり、当センター内の満開の桜が遠来のお客様を迎え てくれました。
 一行は、病院や更生訓練所における各種の訓練などを 見学された後、 最後に設けられた当センター幹部との 質疑応答の時間には様々な質問をされるなど、大変熱心 に視察されました。とりわけ、首相令夫人は、今こそ診 療活動を行ってはいませんが、もともとはお医者様、対 応する当センター幹部に医学用語を用いてポイントをつ いた質問をされていました。また一行の中には現マレー シア国副首相や同国政府で社会開発等に関わっている会 員もおられて、保険制度や技術的な質問もあって、応対 にあたった担当幹部も最後まで気を抜くことができませ んでした。
病院を熱心に見学される一行
 このバクティの会の今回の視察は、大変専門的かつ緻 密なもので、来日した4月2日には高齢者施策(厚生労 働省老健局総務課樽見企画官)や障害者施策(佐藤徳太 郎当センター更生訓練所長)の講義を受けられたほか、 翌、3日にはその他の講義を受けられたり、中学校と老 人福祉施設の合築施設を訪問されるなど参加者の熱意の ほどが伺われました。
 このバクティの会は、 マレーシア国の国会議員夫人 や女性議員が自ら先頭にたって社会貢献をしようと組織 された会です。この会が音頭を取って、障害のある人々 のための施設を作ろうと日夜、奔走されているとのこと です。
 今回の訪日は、ピース・リンクス・ジャパンの招聘で 実現しました。ピース・リンクス(Peace Links)は、 1982年に米国で生まれた団体です。当時、アーカン ソー州のベティー・バンパース上院議員夫人が、娘さん が核戦争について本当に恐れているのを耳にしました。 同夫人は、 同じ母親たちに聞き、子供たちが核戦争で 死ぬと信じていることを知りました。同夫人は、ピース ・リンクスを設立し、200人の議員や知事夫人に呼び かけ、世界紛争への解決のため核の脅威に立ち向かおう と運動を始めました。ピース・リンクス・ジャパンはこ の日本支部で、1997年の設立以来、相互理解のため の国際交流や子供・女性のための質の高い生涯教育とい った分野で活発に活動されています。
 今回の見学は、バクティの会側から是非にとの希望が 寄せられ、当センターの訪問が実現しました。季節がら 当センターでは、せめてものお持て成しとして桜湯を用 意させていただきました。茶碗のふたをとられた時の皆 さんの微笑みに少しばかり関係職員の緊張がゆるんだよ うに思いました。また、今回の受け入れのために特別に 用意させていただいた大きなマレーシア国旗はきっとな によりの歓迎になったと思います。
 当センターにおいては、何度か要人の視察・見学の受 け入れをさせていただくうちに、見学の現場を含めて、 受け入れ体制の整備が進んでいるように思います。今後 とも、視察・見学体制の充実に努めてまいりたいと思い ます。

医学用語を用いた質問もされた首相令夫人