〔随 想〕 
今年の夏は暑かった!!吉田農園(?)の野菜は大打撃
研究所 企画調整官 兼 補装具製作部長 吉田 静慈

 人にはいろいろな趣味があると思うが、私は週末には 畑に行って野菜作りを楽しんでいる。数年前まで都心に 住んでいたこともあって、買い物などには車で出かける より電車やバスで出かけた方が便利だったので、たまに 車に乗る時は帰阪する時や旅行に出かける時ぐらいで、 あとはほとんど駐車場で保管している状態であった。と ころが、ひょんなことから我孫子市に住むようになり、 周辺の地理を知ることもあって車であっちこちと走り回 っていた時に偶然農地を見つけ、健康のために野菜作り でもするかということになった。
 週末になると、ホームセンターに行って肥料や野菜の 苗などを買い込み乗用車のトランクに積んで畑に出かけ ていたが、だんだんと本格的になってくると乗用車のト ランクでは不便になり、荷台の広いワゴン車に買い換え て野菜作りに精を出すこととなった。
 春から夏にかけては、ナス、トマト、キュウリ、ジャ ガイモ、インゲン、カボチャ、トウモロコシなど、畑は 歩くところもないほどの野菜で一杯になる。秋から冬に かけては、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、ニンジン、 ブロッコリー、レタス、タマネギなどが採れるのでやっ ていて楽しいが困ることもある。鶏糞などの肥料を買っ て車で運ぶのだが、この臭いが車に染みついてなかなか とれず、車に乗るたびに鶏糞の臭いに悩まされ、悲しい かな新車がホントの農業用の車になってしまった。また 、苗や肥料などは結構高いので買った方が安かったり、 収穫時には一定期間にたくさん収穫できるので処分に困 ることもあるが逆に欲しい時にはなかったり、時にはカ ラスやイタチなどの餌になったり、無農薬で育てようと すると青虫に食べられてしまうこともある。
 このようなことを言うといかにも野菜作りの名人みた いに思えるが、実際には初めて野菜作りをするので思う ようにいかないことが多く大変苦労をしている。しかし 、そこはよくしたもので、多趣味の師匠が同じように近 くで野菜作りをしていて何かと面倒を見てもらっている が、この師匠がとんでもない口の悪い師匠で「何もしな くても育つ吉田農園の野菜はすばらしい」といつも冷や かされている。いつになれば師匠を追い越せるかと心の 中で思っているが、とても追いつけるような師匠ではな いと一目をおいていたところ、最近は大正琴にこり始め ているらしいので、もしかして・・・甘いかなあ。
 この師匠たちと収穫できた野菜を持ち寄ってバーベキ ューをするのも楽しみの一つとなっている。この大都会 で(我孫子市が、本当か?)自分たちが作ったものでバ ーベキューができるというのはこの上ない幸せではない かと思っているが、今年の夏はちょっと違った。猛暑、 酷暑、激暑などと表現されている今年は野菜にとっても 厳しいものだったようだ。雨がまったくと言ってよいほ ど降らなかったので、ナスやキュウリ、ネギ、里芋など は水不足と暑さにやられてしまい、キュウリなどは昨年 とは比べものにならないぐらい収穫量が減ってしまった 。農園を開設して3年目になるが、つくづく天候に左右 される農業というのは難しいものだと実感している現在 であるが、夢は大きく、今度は補装具製作部の草取り後 のバーベキュー用野菜を一手に引き受けてみたいと思っ ている。