[更生訓練情報]
生活訓練・一般リハ視覚障害合同野外訓練について
指導部生活訓練課  会田 孝行



 生活訓練課程では、入所者の自主性・協調性を高めることを目的に、 毎年野外訓練(デイキャンプ・名栗川河川利用)を実施しています。 昨年同様一般リハ課程の視覚障害者と合同で実施することになり、 職員はあくまでもサポートする形にとどめ、五回にわたり開催された実行委員会においては、 入所者が主体的に動きながら準備をすすめていきました。 レクリエーション、炊事については、各担当がそれぞれ参考図書を用意したり、 経験をもとにしたりしながら、お互いに知恵を出し合い内容の検討がなされました。 食材については、リストを作成し、必要な金額を策定して、入所者、 職員、実習生が一緒に近くのスーパーで購入しました。
 前日の準備も無事終え、あとは出発を待つだけとなりましたが、 一抹の不安がありました。 と、いうのも、昨年の野外訓練は、出発するも現地が雨であったため、 急遽リハセンターに戻り野球場バックネット裏で実施したという経緯もあり、 時期が時期なだけに今年も天候が心配されました。
 平成14年7月25日(木)、野外訓練当日の朝、所沢は曇り空。 微妙なところでしたが、降水確率も低く、 現地の状況を確認したころ雨もぬかるみもないということで、 安心してセンターを出発しました。 体調不良などにより欠席者が出ましたが、 入所者・職員・実習生・研修生合わせて17名の参加となりました。 往路のバスでは、係の趣向をこらしたレクで盛り上がり、 「さあ、これからだ!」と気持ちが高揚したところでキャンプ場に到着しました。
 じっとしているだけで汗が流れる暑さの中、 かまど作り、炊事と各々手際良く準備をすすめていき、 まずはカレーライスが完成。 透き通った水が流れる川のそばの恵まれた自然の中で、 カレーライスのおいしさに舌鼓を打っていたところ、 次第に雲行きがあやしくなってきました。 次はバーベキューというところで降り出した雨は、一気に激しくなり、 テントがあるにもかかわらず無いも同然で、辺り一面水浸しとなってしまいました。 あわてて片付けをし、バスに乗り込んだものの、 誰もが物足りない気持ち(食べ足りない?)を感じていました。 そこで入所者に相談したところ、 続きをやりたいという全員一致の嬉しい(食欲満々?)意見が出されましたので、 帰所後第三生活訓練室を利用して、焼きそば、焼肉、スイカなどの味を楽しみました。
 残念ながら、二年続きで雨にたたられてしまいましたが、 「こんなことは滅多にないことで、楽しい思い出となりました。」という入所者の話が救いでした。 きっとお天道様が、「人生は楽しいことだけではなく、 予期できないこともある。そんな時にどのように行動するかが大事。」 と教えてくれたのではないかと思います。
 反省点もありますが、 それは今後よりよい支援をすすめていくための課題としたいと考えています。 準備の段階から、他部署の方にご支援・ご協力をいただき感謝しています。 どうもありがとうございました。


参加者のみなさんのバスの中での様子 参加者のみなさんの料理をしている様子 参加者のみなさんがお食事している様子