[更生訓練情報]
事業所との意見交換会を開催
職能部



 平成14年7月26日(金)午後1時〜3時迄、本館4階中会議室を会場に、 今年で5回目の会議を開催しました。 不況下で障害者も例に漏れず、リストラや雇用率の低下など深刻な状況です。 12社からアンケート回答があり、当日は4社の人事担当関係者が出席しました。 職能部長室で名刺交換後、各ワークショップを見学して頂きました。 会場へ移り、塩出職能部長の挨拶に続き、杉原職能課長が訓練状況等の説明を行いました。 続いて秋山主任の司会に依り、事業所と職員間とで雇用条件、 定着等に関する事項やワークの現状等について、相互に意見を交換しました。
 各事業所の採用並びに業務方針等で目立ったことは、 身体障害者に比べて知的障害者の雇用率が高くなっている点です。 「いなげや」の場合、13店舗で知的障害者の実習受け入れを行い、 15年4月採用を目処に商品事務在庫業務を任せる方針とのこと。 採用基準は“客があって働ける自分を意識出来るか“食品衛生に対しての自覚はあるか” “仕事量の目安が半分以下であってもこなせるか”等です。 「アドバンス」ではISO標準により、能力主義の賃金制を導入しており、 優れた人は健常者より高給の例もあり、 社員としての役割意識や定着に寄与するためにレク活動や保護者会議の利用を行っていること。 知的障害者の基準は@作業の適性A好き嫌いB情緒安定C2時間継続作業可能か。 肢体障害では、@長期間に亘る適職確保の可能性A身体能力的に障害部位をクリアーできるか。 次いで聴覚障害との共通点では、@対人コミュニケーション能力A対人関係調整能力 B職業人として意欲的に取り組めるかどうか等が求められるそうです。 「イトーヨーカ堂」からは、雇用者数が肢体で5割、知的で3割と4,5年で2.5倍の増加。 接客・販売のニーズは高いが端末処理を扱うとなれば高レベルが求められる。 また、製造・加工等を中心とする生鮮食品作業場は知的障害者が120余名中、 半数を占めていて、当初は障害特性が分かりにくかったこと。 採用基準はA現場の対応能力B対人関係調整能力。 定着率対策としては職業相談員の活用。 「ユニダス」でも知的雇用が3割近くを占め、 採用基準は、身体障害ではA障害レベルB対人関係調整能力。 知的障害ではA低レベルの作業期待度B反復作業上の体力及び耐性力C周囲の支援が受け易い人格。
 なお、最近設立の119社の例でも知的障害者しか採用しない所が増加しているとの話がありました。 後半の質疑応答の中では、車いす者がベルトコンベア作業中に肘をついた事例について、 体幹保持バランス能力面や適性配置だったのかどうかの問題が認識出来ました。
 また、各個人の状況について求人情報をやりとり出来る仕組みが欲しいとの要望や省庁再編に伴う国リハ・職リハの役割見直しの質問に対し、 職能部長が従来の役割を継続しつつ、更なる連携の必要性を強調して閉会としました。


意見交換会の様子