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海外研修員紹介
管理部企画課



第三機能回復訓練部のスタッフとWeerasakさんとの集合写真



 11月の2週間、タイ国の眼科医師(清水基金研修員)が当センター病院で研修いたしましたので、ご紹介いたします。



Dr.Weerasak Anutaungkoon

タイ国における眼科医療の状況について

 視覚障害のリハビリテーションは眼科の一分野です。視覚障害を持つことになっても、リハビリテーションを行い社会生活を送ることができるならば、誰も社会的ハンディキャップを望む人はいないでしょう。
 私はウィラサク・アウンタウンクーンと申します。タイのコンケン地方病院の眼科医師です。今回、清水基金の招聘により視覚障害のリハビリテーションの研修を日本で受けることができました。
 簡単にタイ国と私の仕事についてご紹介いたします。
 タイは東南アジアにあり、人口は約6200万人です。76の地方に分かれていて688の郡、65,000の村があります。そして、プライマリヘルスケアの施設、目に関する第1次保健施設は全ての郡の95%以上にあります。地域の公立病院も95%の郡にあります。近年では、第2次レベルのアイケアセンターが92地方病院中78ヶ所に作られました。第3次レベルの施設が、8つの大学病院と17の地方病院に設立されました。
 コンケン病院は、タイの東北部の中心にある大病院の1つです。
 タイの視覚障害者は1994年に行われた最新の国民調査では1.4%から0.3%に減少しています。タイの失明予防プログラムの成功は、次に目の非伝染性疾患の予防対策手法に移行し、国の新生チャレンジが始まっているのです。これには、目の健康の促進と予防、学校および職場におけるアイケア、高齢者に対するアイケア、ロービジョンサービス、CBR、その他必要な活動が含まれています。
 いくつかの調査によると、ロービジョンの罹患率は0.8%で、これは470,000人以上の国民がロービジョンであることになります。わが国では、ロービジョンの主要原因は白内障で、屈折異常が第2の原因です。タイにおけるロービジョンサービスは1990年にマヒドン大学のラマティボディ病院で始められました。その後、1993年に保健省がシリントン国立メディカルリハビリテーションセンターでサービスを開始いたしました。
 眼科医師や看護婦のトレーニングコースはたくさんありますが、ロービジョンサービスについては、まだ首都バンコクのいくつかの大学病院が中心となっている状態です。我々は、ロービジョンに関して経験のある日本等の国から学び、システムを構築していかなくてはならないと思います。
 私はタイにおいて近い将来、ロービジョンサービスと視覚障害者のリハビリテーションが国全体に広まり総合的なシステムになることを望んで研修を受け、自国で仕事をして行きたいと考えています。