[病院情報]
医療相談開発部紹介
医療相談開発部



 医療相談開発部は、おそらく当センター内でももっとも少人数の部の一つではないかと思いますが、医療や福祉制度の変革や社会情勢の変化に伴ってその業務内容はますます多様なものとなりつつあります。ここでは、主として医療福祉相談業務と心理業務を中心に、医療相談開発部の概要についてご紹介いたします。

【医療福祉相談業務】
 医療福祉相談室は、外来や入院の患者さん、そのご家族、関係者が来談されやすいように病院本館1階の整形外科外来の向かいに位置しています。長い間、手狭で1室しかなかった面接室も本年ようやく改装が実現し、面接室が2室に増え部屋の広さも大きくなり相談にふさわしい環境を整えることができました。職員は、常勤の医療福祉相談専門職1名、賃金職員1名に平成13年度からは高次脳機能障害支援モデル事業による非常勤職員も加わり、相談業務にあたっています。介護保険や支援費制度など大きな医療、福祉制度の変革の流れや高次脳機能障害支援モデル事業などにより、医療福祉相談のニーズは一層高まっており、多い日には1日に50件近くの電話や来室による相談にあたっています。2つの面接室では足りず外来の診察室を借りて相談を行ったり、やむを得ずあらためて来室いただくこともある状況です。
 また、業務は相談室内にとどまることなく、各専門スタッフとの情報交換や各種ミーティングへの参加なども円滑な支援を進めていく上で欠かすことはできません。特に、医療福祉相談は、医療から地域へと橋渡しをしていく使命があり、ご家族をはじめ地域の関係機関との連携のための情報交換や連絡調整も業務の大きなウエイトを占めています。

【心理業務】
 心理業務を主として行う心理検査室、療法室は病院機能回復訓練棟2階の野外訓練場を臨む位置にあり、窓からは四季折々の変化や鳥のさえずりなどを楽しむことができます。心理の職員は、常勤職員2名と賃金職員1名に、高次脳機能障害支援モデル事業による非常勤職員が加わり、外来、入院の患者さんに対して各種心理検査の実施や心理面接を主として行っています。患者さんの年齢も0歳から70歳過ぎの方まで、障害も実に様々な方が、多い時は1日に20名近く来室されます。まず来室されますと、初回の面接を行いながら検査目的や患者さんの年齢、障害状況によってどの検査を行うことが適切かを選択することから始まります。検査結果は、リハビリテーションにおける基本情報としてリハビリテーションチームのメンバーに提供します。また、突然の発病や受傷により、心理的混乱が大きい患者さんに対しては、抱えておられる不安やお気持ちに耳を傾けながら、障害を抱えた自己をとらえなおし、新たな状況に適応していくための心理面接を行っています。
 また、特に高次脳機能障害支援モデル事業が開始されてからは、従来の心理検査に加え神経心理学的検査を実施するとともに、認知リハビリテーションの実施や患者さんグループに対する心理指導、患者さんを支えられているご家族や関係者に対する助言指導など、業務内容もより地域生活への適応を踏まえた広範なものへと変化しつつあります。

【その他】
 以上のような日常業務に加えて、調査研究や当センターで行われる各種研修会等への協力、学院養成課程での講義なども行っています。特に、現在は高次脳機能障害支援モデル事業により家族学習会の企画のほか、医療の場から地域社会に向けての円滑な移行をはかるための、家庭、職場、学校、各種施設等への訪問調査にも取り組んでいます。

 ここ数年は、医療相談開発部の業務も質量ともに大きな変化がみられるようになってきていますが、できる限り患者さんやご家族、その関係者のご要望に応えられるよう、一丸となって努力、研鑽していきたいと考えています。


医療相談開発部の皆さん