〔更生訓練所情報〕
平成15年度理療教育課程第25回卒業式
更生訓練所 理療教育部 小澤 隆



 理療教育課程第25回卒業式が、当センター講堂で平成16年3月3日に開催されました。 今年の冬は、武蔵丘陵の麓にある所沢でも、雪の積もることもない暖かい冬でした。 当日の天候もやや冷たい風は吹いているものの好天に恵まれ、中庭から開花した梅の 香りがいたる所に漂い、未来に向かって旅立つ卒業生や修了生を祝福しているようで した。式典は在所生のほか、来賓、教職員、卒業生の家族など多数の参加者の見守る中、 10時より始まりました。今年度は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう科専門課程は 卒業生32名、修了生2名で、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう科高等課程は卒業生 6名で、合計40名が晴れの門出を迎えることになりました。
 卒業証書および修了証書の授与は、当センター佐藤A太郎総長から一人一人に手渡 されました。氏名を呼ばれての返事は、喜びと自信にあふれた大きな声でする者もいれば、 感極まったためか緊張のためか大きな声では返事ができない者もいました。それでも、 総長から証書を受け取ると、感謝のこもった喜びに満ちた声でお礼を述べ、しっかりと した握手を交わしていました。

第25回理療教育課程 卒業証書授与の様子

 証書授与の後は、総長、厚生労働大臣、埼玉県知事、同窓会である東光会の会長から の祝辞をいただきました。佐藤総長からは、お祝いの言葉のほか、これから臨床家とし て巣立つ卒業生や修了生へのはなむけの言葉をいただきました。例年、総長からは医療 に関わる者にとってたいへん興味深いお話をいただきますが、今年は、「慢性疼痛」に ついてのお話でした。慢性疼痛の原因は、心因性によるものが少なくないということで、 局所の症状を診ているだけでは治療に結びつかないことがある。また、患者と治療者が 対話をする中で問題解決の道が開けてくることがあるということでした。これは、東洋 医学の治療原則である心身一如を意味しており、今後東洋療法の施術者として社会へ 門出する卒業生にとっては有意義なお話となりました。祝辞の後は、出席された来賓の 方々と式に寄せられた祝電が紹介されました。

第25回理療教育課程 祝辞の様子

 続いて、センターから卒業生、修了生へ記念品の額縁が贈呈された後、卒業生からは アメリカンハナミズキ赤白一対がセンターに寄贈され、専門課程3年2組の丸山弘さん がその目録を読み上げられました。このハナミズキは、すでに50本以上にもなり、春4月 になると満開になり、センターの敷地内をあでやかに彩ります。卒業生たちから毎年 寄贈されるため、当センターがハナミズキの名所になることも間近でしょう。
 式はクライマックスとなり、まず在所生代表の専門課程2年3組の富田豪さんから は先輩たちへの感謝と未来に対する期待の込められた言葉が送られました。
 そして、それに応えて卒業生、修了生代表の専門課程3年1組の村田満州男さんが 別れの言葉を述べられました。センターで過ごした3年間の生活と、将来に対しての 不安を持ちながらも明るい希望に満ちあふれている気持ちがよく表されていました。 入所した当時は、はりきゅう手技療法は単なる肩こりの治療法程度と思っていたが、 勉強しているうちに、はりきゅう手技療法の基本となる東洋医学は奥が深く、幅の広い 興味深い医学であり治療法であることを学んだと述べられました。そして、このはり きゅう手技療法は、これからの時代に要求されているものであり、卒業後も精進し勉強 を重ね、世の中に役に立つ治療家になるために一歩ずつ進んで行きたいと力強く語られ ました。そして、後輩や職員、家族に対し、長年月にわたる協力と苦労に謝意を表して、 別れの言葉とされました。
 式は、最後に「蛍の光」を全員で合唱し、閉会の辞によって閉じられました。卒業生、 修了生は拍手に送られ、安堵感と門出する喜びに満ちた明るい笑顔で式典会場をあとに しました。

第25回理療教育課程 別れの言葉